<< 先週の回顧 >>
先週のドル/円相場は、前週までの流れが一転し、ドル高・円安。週間安値108円前半から、週末には一時111円台と3円を超えるドル高の進行をみせた。
2週続けて「荒れた週明け月曜日のオープン」。前週末を107.80-85円で大引けたドル/円は、下方向にギャップを空け108.15-20円で寄り付くと、ほぼ同レベルを週間安値にドルが続伸する展開をたどっている。これは、多くの市場参加者などからXデーと目され警戒されていた、前週末9日、北朝鮮による軍事行動が実施されず、目先の地政学リスクが後退したことが好感されたためと言われていた。
ドルは結局、週末にかけて週間高値である111.33円まで値を上げたのち、やや値を崩した110.80-85円でNY市場を終え、越週している。
なお、それとは別に、週末にポンドが大荒れの動き。当初は「ロンドン西部の地下鉄車両で爆発」との報道があり、これがテロとの観測を呼び、ポンド売り材料となったが、「ハト派」とされるブリハ英中銀金融政策委員が「数ヵ月内に利上げが必要になる可能性も」と発言したことなどが好感され、ポンドは反転高をたどっている。対円では、昨年6月以来の150円台を回復するなど、1週間で9円を超える上昇となった。
一方、週間を通した主な材料は、引き続き「北朝鮮に関する要因」。
前述したようにXデーと考えられていた9日の軍事行動は見送られたものの、11日に採決された国連安保理決議に北朝鮮が強い不満を示すなか、週末15日には再度の「ミサイル発射」が観測されている。ただ、マーケットの反応はいまひとつで、円買いは一時的に留まるとスグに反転、結果「有事の円売り」となっていた。
<< 今週の見通し >>
北朝鮮に関する警戒感はいまだくすぶるものの、先週末の展開を見ると、従来のような「北朝鮮リスク=円買い」という図式ではなくなってきている気もしないではない。と言うより、以前に指摘したように、日本に何らかの被害があった場合には、むしろ「北朝鮮リスク=円売り」で反応する可能性もありそうだ。いずれにしても、北朝鮮情勢には今週も注意を払いたい。
そうしたなか、今週もっとも注目されているのは19-20日に実施される米FOMCか。マーケットでは様々な状況を勘案したうえで、「当面の様子見と利上げを急がない姿勢が再提示される」などといった声が聞かれるなど、慎重姿勢を予想する向きがやや優勢。と言うことは、逆に少しでも積極的なスタンスが示されれば、ドル買いで反応しても不思議はないのかもしれない。
テクニカルに見た場合、わずかではあるが日足・一目均衡表の先行帯の雲の下限(110.75円レベル)をNYクローズベースで上抜けてきた。それと同時に、週ベースでは前週下回った週足・一目均衡表の先行帯の雲の下限(108.65円レベル)を早くも回復している。少なくともドル安方向のリスクが低くなっただけでなく、敢えて言えばリスクは逆にドル高方向にバイアスがかかりそうだ。
しかし、今年の8月以降は111円前後をしっかりと超えたことが一度もなく、先週末も一時超えたが結局定着することが出来なかった。重そうなドルの上値をどこまでこなし、さらなるドル高進展があるのかどうか、そのあたりが注視されている。
一方、材料的には、今週も幾つか米経済指標が発表される予定となっており、まずはそれに要注意。
ただ、それらよりも前述したように19-20日実施される米FOMCの動静に注意を払いたい。また、それ以外では21日に発表される日銀金融決定会合の結果ならびに黒田総裁の会見や、21-22日に東京で開催される離脱した米国を除く「TPP11」による首席交渉官会合、週末23日から始まる「北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉の第3回会合」なども注意を要するかもしれない。
そんな今週のドル/円予想レンジは、109.80-112.50円。ドル高・円安については、先週末に記録したドル戻り高値の111.33円が最初の抵抗で、抜けると7月高値114.49円を起点とした下げ幅のフィボナッチ61.8%戻しに当たる111.75円レベル、112円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、110円半ば、110円、109円半ばなど50ポイント刻みでサポートが観測されている。(了)
オーダー/ポジション状況
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