<< 東京市場の動き >>
7日の東京市場は、基本揉み合い。109円台前半を中心とした値動きだったが、一時北朝鮮情勢をめぐる要人発言から大きく値を崩す局面も観測されていた。
109.15-20円で寄り付いたものの、新規材料の乏しさもあり、積極的な動意は手控えムード。109.10-30円といった膠着相場がしばらく続くも、仲値決定(午前10時)を前に突然ドル売り・円買いが強まった。109円を割り込み、108.85-90円まで値を下げたが影響は一時的で、スグに値を戻すと、以降は再びレンジ取引の様相。16時時点では、109.00-05円で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料面として話題となっていたものは、引き続き北朝鮮情勢。朝鮮中央通信が「北朝鮮、核実験成功祝う集会開催」と報じるなか、李韓国首相が「北朝鮮は建国記念日の9日にミサイルを発射する可能性」に言及したことが嫌気され、前述した一時円が急伸した主因になっていたという。
また、それとは別に日韓外相や日韓首脳が個別に会談を実施し、それぞれ、「いまは対北圧力かける時期との認識で合意」「北朝鮮への圧力強化で一致」したとされている。
<< 欧米市場の見通し >>
Xデーとされる北朝鮮の建国記念日にあたる週末9日を念頭に置きつつ、北朝鮮情勢が依然としてマーケットの波乱要因としてくすぶっている。情勢には引き続き注意を要したい。
とは言え、それほど新鮮味のあった発言ではなかったためなのか、本日の東京時間に聞かれた韓国首相の発言を受けた円高進行はわずか40ポイント程度に留まるなど、影響力はかなり落ちている感も否めない。このあとも、北朝鮮による実際のミサイル発射や、どこに着弾、といった「より具体的な報道」がなければさらなる円高の進行は見込みにくい気がしている。
テクニカルに見た場合、リスクは間違いなく円高方向。しかし、昨日の値動きを見る限り108円半ばはかなり底堅く、また割り込んでも直近安値と年初来安値とあわせた108.10-30円のゾーンは強いサポートとなりそうだ。油断は禁物だが、ドルの下値は予想以上に底堅い気もしないではない。
もっとも、それに対するドルの上値も重そう。今週初めに空けた109.80-110.20円レベルのギャップを埋めるのも容易ではなさそうだ。
一方、材料面を見た場合、4-6月期の非農業部門労働生産性などの米経済指標が発表されるほか、メスター・クリーブランド連銀総裁による講演も実施される予定で、それらにまずは要注意。また、欧州ファクターだが、「動静如何でユーロ/円などクロス主導で円高が再燃しかねない」などとして、ECB金融政策発表ならびにドラギECB総裁の会見も注視されている。
それ以外では、カリブ海の大型ハリケーン「イルマ」の動きや、本日実施される見込みのトランプ米大統領の長男トランプ・ジュニア氏による議会証言なども波乱要因となりかねないかもしれない。ちなみに後者については、米議会の上院司法委員会で非公開にて証言する予定だが、ロシアとの共謀関係の有無について触れる可能性があるとの見方もあり、警戒している市場参加者は少なくないようだ。
以上を踏まえた本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.40-109.60円。ドル高・円安方向は、一目均衡表の転換線が位置する109.40-50円や同基準線などが位置する109.60-70円など、110円手前のテクニカルポイントも数多い。超えれば当然、再び110円台回復の芽が見えてくる。
対するドル安・円高方向は、本日の東京安値である108.85-90円の攻防がまずは注視されており、割り込むようだと昨日底堅かった108円半ばをめぐる攻防が予想されている。(了)
オーダー/ポジション状況
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