<< 東京市場の動き >>
1日の東京市場は、おおむね揉み合い。30ポイントほどの狭いレンジ取引で、明確な方向性はうかがえなかったが、終盤にかけてはややドル買いが目につく展開だった。
109.95-00円で寄り付いたものの、NY時間に注目材料の米雇用統計発表を控えていることもあってか、積極的な売買は見送りムード。終日を通して動意に乏しく、109.90-110.20円といった狭いレンジ内で一進一退をたどっている。ただ、終盤にかけて、米金利が上昇した反面、日本の長期金利(10年債金利)がマイナス圏に突入してきたこともあり、ジワリとドル買い・円売りが優勢に。16時時点では、本日高値の110.15-20円で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、そうしたなか、やや荒い値動きをたどったのが南アのランド。対円では早朝8.405円レベルを安値に8.480円まで値を上げる局面も観測されていた。
一方、材料面として話題となっていたものは、米国務省のナウアート報道官が発した「サンフランシスコにあるロシア総領事館を閉鎖するようロシア政府に要求する」との声明や、ブルームバーグによる「トランプ米大統領は債務上限引き上げとハービー支援の組み合わせを検討」、来週予定されていた「麻生副総理とペンス米副大統領の非公式協議が中止へ」−−との報道などになる。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日の欧米時間は、ドル高基調が優勢のなか、懸念していた「米経済指標への強気見通し」が剥げ落ちたうえ、ムニューシン米財務長官が「ドルが長期的に強いことは信頼を反映」とドル高を容認する姿勢を示しつつ、「ドル安は米貿易にとって多少の支援材料」と発言したことが嫌気されると、流れが反転した。
そうしたなか、本日のNY時間には注目の8月の米雇用統計が発表される予定であり、一部では楽観論も根強い。しかし、昨日の今日ということもあり、米経済指標に対していまひとつ強気になりきれないという面もくすぶっているようだ。また、貿易問題と絡めた米財務長官発言を受けて、「米指標がたとえ好数字でも、どこまでドルは上値を追えるのか」といった疑念を抱く声も一部で聞かれている。
テクニカルに見た場合、今年の相場パターンである「奇数月にドルは高値、偶数月にドルは安値を記録」−−はまだ完全に崩れておらず、一抹の期待感を抱かせる。昨日のドル高値圏であり、フィボナッチの観点から見た、7月高値114.49円を起点とした下げ幅の38.2%戻しにあたる110.65円レベルの攻防をまずは注視したい。
なお、前記した110.65円レベルは、ザラ場だけでなくクローズベースでも注視されるレベルと考えられている。と言うのも、本日は週末で、週足の観点でみると110.65円レベルには重要ポイントである移動平均の52週線が位置しているからだ。上抜けてNYを大引けると、来週以降にドルはさらなる高値トライの機運が高まることになるかもしれない。
一方、材料面を見た場合、発表される8月の米雇用統計が最大の注目要因。ちなみに、もっともマーケットで注視されている非農業部門雇用者数はプラス18万人程度と見込まれている。ただ、ここ数ヵ月は非農業部門雇用者数の当月値だけでなく先月の改定値など、また失業率や時間当たり賃金などのデータが材料視されることも少なくない。今回も、トータルとしての「米雇用統計」に要注意だ。
また、本日はそれ以外でも8月のISM製造業景況指数や同ミシガン大学消費者信頼感指数確報などの米経済指標が発表される予定となっており、それらにも警戒を要したい。
以上を踏まえた本日欧米時間のドル/円予想レンジは、109.50-111.00円。ドル高・円安方向は、昨日のドル高値かつフィボナッチなど複数チャートで見たテクニカルポイントの110.65円レベルが最初のターゲットか。抜ければ、前回8月16日高値などとなる111円レベルを目指す展開が予想されている。
対するドル安・円高方向は、109.80-90円に弱いサポートがあるものの、割り込めば109.40-50円や109円前後などがサポートに。(了)
オーダー/ポジション状況
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