ドル安リスク残るが、目先は調整先行か(8/22夕)

22日の東京市場は、ドル高・円安。依然としてリスク回避志向そのものは強いものの、北朝鮮に目立った動きがなかったこともあり、

ドル安リスク残るが、目先は調整先行か(8/22夕)

<< 東京市場の動き >>

22日の東京市場は、ドル高・円安。依然としてリスク回避志向そのものは強いものの、北朝鮮に目立った動きがなかったこともあり、足もとは調整によるドル買い戻しが先行している。

早朝寄り付いた108.90円レベルを日中安値にドルはじり高推移。昼ごろに109.30-35円の高値をつけたあと一時上げ渋り揉みあいに。しかし、夕方にドルは再上昇、109.40円台まで上値を伸ばすと、16時時点では109.40-45円の日中高値圏で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、そうしたなか日経平均先物は前日比9円安と非常に小幅ながら、5日続落。引け値は1万9383円で、2万円の大台は幾分遠くなった感を否めない。

一方、材料面としては、引き続き北朝鮮ファクターに注目。朝鮮中央通信によると、北朝鮮は昨日始まった米韓合同軍事演習を受けて、「米韓は無慈悲な報復を免れない」と挑発するようなコメントを発していたという。
そのほか、トランプ米大統領は、アフガニスタンへの増派に関する演説で「アフガニスタン地域には多大な脅威がある」という見解を示したほか、米下院議長からは「今年の税制改革にコミットする」「税制改革はヘルスケア法案よりも通過が容易だろう」との発言が聞かれたものの、影響は限定的だった。

<< 欧米市場の見通し >>

北朝鮮に関するリスクは依然としてくすぶり続けているものの、米韓を非難あるいは恫喝するようなコメントが報じられるだけで、具体的な軍事行動は聞かれていない。こうした膠着状況は今後もドル/円の上値を抑制する要因になりそうだが、さらなる円高を誘発する材料になることも予想しにくいだろう。
むしろ、市場の関心も週末にかけて、徐々にジャクソンホールで実施される欧米要人の講演に関心が移行することになれば、期待感を背景としたドルの買い戻しが、さらに進む可能性もある。

もちろん、北朝鮮の出方次第、軍事衝突があるのかどうかによって変わってくるが、テクニカルに見た場合、足もとはそれほどドルの下値リスクが高くない。短期的には108.60円台で2度ドルが下げ止まっているうえ、少し長い目でみても6月安値も108.75円までで、108円台後半はことのほか強いサポートと言えるのかも知れない。
なお、仮に先日記録したドル安値108.61円が目先の底値だった場合、7月高値から108.61円までの下げ幅の23.6%戻しは110円レベル。心理的な意味も含めて、最初の抵抗となりそうだ。

一方、材料面を見た場合、8月のリッチモンド連銀製造業指数が発表される予定となっており、まずはそれに注目。また、やや警戒感が後退しつつあるとはいえ、「北朝鮮を中心とした地政学リスク」ならびに、「米政権運営」に関する新たなニュースなどにも注意を払いたい。
そのほか米金利や株価など、ほかの金融市場動向にも警戒を払う必要がありそうで、とくに米金利については「リスク回避一服=金利上昇」の流れとなれば、ドル買い戻しに弾みがつきかねない。

以上を踏まえた本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.80-110.00円。ドル高・円安方向は、先週末NY高値109.60円レベルをめぐる攻防をまず注視。抜ければ前述したフィボナッチの観点から見た110円レベルがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、108.80-00円に弱いサポートが散見され、割り込むようだと先週末と昨日、2度下げ止まった108.60-65円、年初来安値108.13円を目指す展開か。ただ、基本的にドルは底堅いイメージも。(了)

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る