<< 東京市場の動き >>
22日の東京市場は、ドル高・円安。依然としてリスク回避志向そのものは強いものの、北朝鮮に目立った動きがなかったこともあり、足もとは調整によるドル買い戻しが先行している。
早朝寄り付いた108.90円レベルを日中安値にドルはじり高推移。昼ごろに109.30-35円の高値をつけたあと一時上げ渋り揉みあいに。しかし、夕方にドルは再上昇、109.40円台まで上値を伸ばすと、16時時点では109.40-45円の日中高値圏で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、そうしたなか日経平均先物は前日比9円安と非常に小幅ながら、5日続落。引け値は1万9383円で、2万円の大台は幾分遠くなった感を否めない。
一方、材料面としては、引き続き北朝鮮ファクターに注目。朝鮮中央通信によると、北朝鮮は昨日始まった米韓合同軍事演習を受けて、「米韓は無慈悲な報復を免れない」と挑発するようなコメントを発していたという。
そのほか、トランプ米大統領は、アフガニスタンへの増派に関する演説で「アフガニスタン地域には多大な脅威がある」という見解を示したほか、米下院議長からは「今年の税制改革にコミットする」「税制改革はヘルスケア法案よりも通過が容易だろう」との発言が聞かれたものの、影響は限定的だった。
<< 欧米市場の見通し >>
北朝鮮に関するリスクは依然としてくすぶり続けているものの、米韓を非難あるいは恫喝するようなコメントが報じられるだけで、具体的な軍事行動は聞かれていない。こうした膠着状況は今後もドル/円の上値を抑制する要因になりそうだが、さらなる円高を誘発する材料になることも予想しにくいだろう。
むしろ、市場の関心も週末にかけて、徐々にジャクソンホールで実施される欧米要人の講演に関心が移行することになれば、期待感を背景としたドルの買い戻しが、さらに進む可能性もある。
もちろん、北朝鮮の出方次第、軍事衝突があるのかどうかによって変わってくるが、テクニカルに見た場合、足もとはそれほどドルの下値リスクが高くない。短期的には108.60円台で2度ドルが下げ止まっているうえ、少し長い目でみても6月安値も108.75円までで、108円台後半はことのほか強いサポートと言えるのかも知れない。
なお、仮に先日記録したドル安値108.61円が目先の底値だった場合、7月高値から108.61円までの下げ幅の23.6%戻しは110円レベル。心理的な意味も含めて、最初の抵抗となりそうだ。
一方、材料面を見た場合、8月のリッチモンド連銀製造業指数が発表される予定となっており、まずはそれに注目。また、やや警戒感が後退しつつあるとはいえ、「北朝鮮を中心とした地政学リスク」ならびに、「米政権運営」に関する新たなニュースなどにも注意を払いたい。
そのほか米金利や株価など、ほかの金融市場動向にも警戒を払う必要がありそうで、とくに米金利については「リスク回避一服=金利上昇」の流れとなれば、ドル買い戻しに弾みがつきかねない。
以上を踏まえた本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.80-110.00円。ドル高・円安方向は、先週末NY高値109.60円レベルをめぐる攻防をまず注視。抜ければ前述したフィボナッチの観点から見た110円レベルがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、108.80-00円に弱いサポートが散見され、割り込むようだと先週末と昨日、2度下げ止まった108.60-65円、年初来安値108.13円を目指す展開か。ただ、基本的にドルは底堅いイメージも。(了)
オーダー/ポジション状況
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