ドル戻り歩調も中だるみ、目先は揉み合いか(8/17夕)

寄り付いた110.15-20円を日中高値にドルは弱含み。じりじりと下値を切り下げる展開で、110円を割り込むと109.65-70円まで一時値を下げた。

ドル戻り歩調も中だるみ、目先は揉み合いか(8/17夕)

<< 東京市場の動き >>

17日の東京市場は、ドル安・円高。早朝を日中高値に、再び110円割れを記録している。

寄り付いた110.15-20円を日中高値にドルは弱含み。じりじりと下値を切り下げる展開で、110円を割り込むと109.65-70円まで一時値を下げた。そのレベルではさすがに下げ止まったものの、反発も鈍く低位揉み合いに。結局、110円台を回復することなく、16時時点では109.90-95円で推移して、欧米時間を迎えている。
なお、参加者が少なく流動性が乏しいためか、値幅は際立って大きいわけではないが、NZドル/円など上下に振れる荒れた変動をたどった通貨ペアは少なくなかった。

一方、材料面としては、訪米した「河野外相と小野寺防衛相による米大統領補佐官との会談」が明らかになったほか、米CNNがサンフランシスコ連銀総裁の発言として、「FRBの金利正常化、半分まで来ている」との内容を報じている。また、朝鮮日報が「米中韓による高高度防衛ミサイル(THAAD)問題を解決するための会談を中国が拒否」、「米副大統領がチリやブラジルなど中南米4ヵ国に対北断交や禁輸を要請」とのニュースも別途観測されていた。

<< 欧米市場の見通し >>

先日記録した108.72円を持ち、ドル安基調が終わったかどうかはわからないが、足もとはドルの戻り歩調にある。ただ、そのなかでも足もとは中だるみで、目先はレンジ内での揉み合いを予想する声も少なくない。
確かに、日足のチャートを見ると、今年5月以降と同7月からの形状が非常に似通っている。今回が前回と同様の値動きをたどるとすれば、今後1週間程度109-111円を中心としたレンジ内で揉み合う可能性を否定できないのかも知れない。

テクニカルに見た場合、前述したように、日足パターンは今年5月以降と同7月からの形状が非常に似通っている。最終的にはレンジを上放れるのだが、それまでの時間、1週間程度は揉み合いで次の保ち合い放れに向けたエネルギー蓄積の動きをたどる可能性もある。
仮に、その見方が正しいとすれば、本稿執筆時に推移している110円前後は予想レンジのちょうど中間地点で、「もっとも居心地の良い」水準。いずれにしても、109-111円のボックス圏をどちらに放れることになるのか、まずは方向性をしっかりと見極めたい。

一方、材料面を見た場合、8月のフィラデルフィア連銀景況指数や7月の鉱工業生産など、米経済指標が幾つか発表される予定となっているほか、カプラン・ダラス連銀総裁などによる講演も予定されており、それらにまずは要注意。また、トランプ大統領が夏休み中ではあるものの、「白人至上主義」を容認したと受け取れる大統領発言を受けた米政権不安が再燃していることは気掛かりだ。
なお、昨日注目要因のひとつに挙げた、20日まで実施される「NAFTA再交渉会合」だが、本日付け産経新聞は「結果次第では、現地に進出する自動車メーカーなど日本企業が事業の見直しを迫られる恐れがある」「通貨安誘導を防ぐ『為替条項』が追加されれば、日本政府が市場介入などに動きにくくなる懸念もある」−−と報じていた。こちらも引き続き注意を要したい。

以上を踏まえた本日欧米時間のドル/円予想レンジは、109.40-110.60円。ドル高・円安方向は、本日東京高値の110.20円レベルが最初の抵抗。上抜けると、移動平均の25日が位置する110.80-85円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値も近い109.60円レベルの攻防注視。そのレベルは、目先安値108.72円を起点とした上げ幅のフィボナッチ61.8%押しに当たる水準で、割り込むようだとスグにではないが全戻し(100%戻し)の可能性も否定出来なくなりそうだ。

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