ドル高続くか材料乏しくレンジの様相も(8/14夕)

週明け14日の東京市場は、ドル高・円安。それも、「寄り付き安・大引け高」といった格好で、終日を通して円の弱さがとくに目についた。

ドル高続くか材料乏しくレンジの様相も(8/14夕)

<< 東京市場の動き >>

週明け14日の東京市場は、ドル高・円安。それも、「寄り付き安・大引け高」といった格好で、終日を通して円の弱さがとくに目についた。

109.10円レベルで寄り付いたのち、早い段階で109円前後の日中ドル安値を記録。その後は一貫してドル高・円安の展開となった。日経平均株価は大引けベースで先週末比197円安となったものの、米長期金利がさほど下げず、結局株安の影響は限定的に。ドル/円は逆に109.65円レベルまで値を上げ、16時時点でも109.55-60円のドル高値圏を維持したまま、欧米時間を迎えている。
なお、円は対ドル以外のクロスでも軒並み安く、全面安の様相。ポンド/円は早朝を安値に、東京時間だけで1円程度のポント高・円安が進行する局面も観測されていた。

一方、材料面としては、先週からの流れで引き続き北朝鮮に関する報道が少なくない。米仏首脳が電話会談し、緊張の続く北朝鮮情勢について協議したが、そのなかでトランプ大統領は、「ほかの手段が奏功しなかった場合、厳しい軍事的措置を取る」などと改めて警告したという。また、米FOXニュースは、CIA長官の発言として「北朝鮮が新たなミサイル発射実験しても驚かない」と報道、韓国当局から「北朝鮮はグアム近くへのミサイル発射が可能」とのコメントなどが聞かれていたようだ。
そうしたなか、発表された4-6月期の日本のGDPはプラス4.0%となり予想を上回った。さらに、良好なGDPを受けて、茂木再生相から「景気は緩やかに回復していくことが期待される」「現段階で新たな経済対策は想定していない」との発言が聞かれている。

<< 欧米市場の見通し >>

本日東京時間のドル反発はある意味想定内だが、問題はこれが「先週までの調整」であるのか、それとも「ドル高方向に再び流れが変わった」のかどうかだろう。基本的には前者、まだ調整の域を脱していないものの、後者の可能性も捨てきれないと思う。
確かに北朝鮮ファクター、地政学リスクへの警戒感は根強いものの、先週末から本日東京時間にかけては、悪材料が聞かれるなかにもかかわらず米長期金利がさほど低下せず、一段のドル売りに待ったを欠けている面もうかがえる。もちろん、実際の米朝間の動き次第だが、飽くまでも現状のような「緊張状態」のみで、実際の「軍事衝突」といった状態に陥らないのならば、ドルがさらに買い進まれる可能性もありそうだ。

テクニカルに見た場合、先週末の108円台で短期的にはトリプルボトムを付けた格好。また過去2回、4月と6月のドルボトムをつけた日時を調べてみると、前者が「17日」で後者は「14」日となっている。まだ、幾分ドルの下値余地はあるものの、日柄的にはドルの底入れ間近であるのかも知れない。
なお、仮に先週末に記録した安値108.72円が当面のドル底値だったとすれば、上値メドはフィボナッチの観点で考えて110.05-10円(7月高値114.49⇒8月安値108.72円の23.6%戻し)となりそうだ。

一方、材料面を見た場合、今週は週間を通して注目要因が決して少なくないが、本日に限れば材料難。目立った米経済指標の発表や米地区連銀総裁による講演なども、とくには予定されていない。
そうした意味では動きにくそうな感はあるものの、NYダウなど米株を中心とした他金融市場の動きが引き続き波乱要因となりかねない状況だ。また、前述したように米朝間の緊張が高まるなか、マーケットの一部では「北朝鮮の祖国解放記念日(=独立記念日)にあたる明15日に軍事行動が起きる」−−などといった根拠の乏しい噂も聞かれていた。いずれにしても、北朝鮮ファクターには引き続き要注意。

以上を踏まえた本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.90-110.10円。ドル高・円安方向は、本日の東京高値である109.65円レベルが最初の抵抗で、抜けるとフィボナッチの観点でテクニカルポイントにあたる110.05-10円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、109.30-40円に弱いサポートがあるものの、下抜ければ6月と今月、大きく2度下げ止まっている108.70-75円が再び視界内に捉えられそうだ。(了)

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