<< 東京市場の動き >>
8日の東京市場は、引き続き揉み合い。110円後半、狭いレンジ内での一進一退で目立った方向性はうかがえなかった。
110.70-75円レベルで寄り付いたのち、3-4時間ほどは10ポイント程度の変動とベタ凪商状。ほぼ開店休業状態が続いたものの、そこからはややドル売りが優勢となり110.50-55円まで値を崩す局面が観測されていた。しかし、下げ渋るとドル/円は再び揉み合いに。結局、終日を通したレンジは30ポイントに届かず、16時時点では110.60-65円で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、昨日までは動かないドル/円を尻目に豪ドルなどが比較的活発な動意を見せたが、本日はそれら通貨も総じて静か。いわゆる「夏枯れ」か、全般的に動意が乏しかった。
一方、材料面としては、茂木経財相から「トランプ政権やFRB政策動向を引き続き注視」との発言が聞かれたほか、7月の中国貿易収支が発表され、黒字幅が予想上回る内容となったものの、影響は限定的なものに留まっている。
また、朝鮮中央通信が「北朝鮮、韓国軍の砲撃訓練を非難」と報じるなど、北朝鮮に絡む幾つかの報道も観測されたが、切迫した状況ではないとの見方からマーケットの関心も薄めだった。
<< 欧米市場の見通し >>
ドルは底堅い反面、上値も重い状況だ。時間足など短期のチャートをみると、先週末の米雇用統計発表前後から、本稿執筆時まで110.50-111.00円といったわずか50ポイント程度のレンジ取引になっていることがうかがえる。
このあとの欧米時間、さすがに前述した50ポイントレンジということはないだろうが、それでも新規材料に乏しいこともあり、引き続き狭いボックス圏内での値動きに留まるとの見方が少なくないようだ。
テクニカルに見た場合、前段で指摘したように先週末からの過去1日半程度は110.50-111.00円といった非常に狭いレンジ相場だが、今月以降と日時を若干広げてもドル/円は109.80-111.00円といった1円強のボックスで、やはり小動きが続いている感を否めない。
いずれにしても、まずは先週末からの50ポイントレンジ、次いで今月以降の1円強のボックスを上下どちらに、そしてしっかりと抜けていくことが出来るのか、タイミングと方向性が注視されている。
一方、材料的に見た場合は、6月のJOLT労働調査など幾つか米経済指標が発表されるものの、正直あまり注視されているものではなく、よほどの数字とならない限り、影響は限定的か。
それよりむしろ、株価を中心とした他金融市場の動きに要注意。欧米株価が日経平均株価の2万円大台を割り込んだことの直接的な影響を受けるとは思われないが、とくに米株は堅調推移が続いているだけに、調整的な下押しなどには警戒を要したい。また、それとは別に、昨日から行われているOPEC加盟国と非加盟国の専門家会合の結果も注目だ。
以上を踏まえた本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.20-111.10円。ドル高・円安方向は、本日東京高値の110.80円レベル最初の抵抗で、抜ければ先週高値の111.05円、111.60円レベルなどがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京の安値圏でもある110.50-60円をめぐる攻防にまずは注目。割り込むと110.20円レベルや110円前後などが視界内に捉えられることになるだろう。(了)
オーダー/ポジション状況
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