ドルの下値不安一掃、ただ上値も重いか(7/26夕)

26日の東京市場でドルは強保ち合い。112円挟みの高値圏で一進一退、ドルの底堅さが目に付いた。

ドルの下値不安一掃、ただ上値も重いか(7/26夕)

ドルの下値不安一掃、ただ上値も重いか

26日の東京市場でドルは強保ち合い。112円挟みの高値圏で一進一退、ドルの底堅さが目に付いた。

前日NYタイムの流れを継ぎ、111.85-90円で寄り付いたものの、さらなる高値を追う展開にはならず。しかし、一方で底堅く、ドル/円は結局112円を挟んだ30ポイント程度のボックス圏での揉み合いをたどっている。16時時点では、111.90-95円と寄り付きレベルに近い水準で推移し、欧米時間を迎えていた。

しかし、動意の鈍かったドル/円を尻目に豪ドル絡みの通貨ペアは荒れ模様。発表された4-6月の豪消費者物価が下振れしたことに加え、ロウ豪中銀総裁が「豪ドルがやや下落すれば、もっと良い」と発言したことが材料視され、対円では88.90円レベルを日中高値に88.20円割れまで、値を下げる局面も観測されている。

一方、豪ドルに関する要因を除いた材料面としては、中曽日銀副総裁から「現在の金融緩和を粘り強く推進していく」との発言が聞かれたほか、ブルームバーグは、ホワイトハウス広報部長が「セッションズ司法長官へのトランプ大統領の批判は間もなく決着するだろう」と記者団に語ったと報じていた。

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「目先高値から2週間、価格的には4円近く値を下げたことで、下値不安は和らいだ」と考えてはいたのだが、まさかのドル急反発。昨日の本稿執筆後だけで1円を超えるドル高・円安が進行したことは正直想定外かつ驚きだ。
いずれにしても、昨日の流れからすると、リスクは再びドル高方向と言いたいところだが、昨日もレポートしたように、市場の一部筋から聞かれていた「反転するとすれば、25-26日のFOMCを受けて」−−が、若干前倒しされたに過ぎない気もしている。つまり、FOMCで多少強めのスタンスが示されても、ドル買いで反応するかどうかは微妙と考えたい。

テクニカルに見た場合、目先の抵抗と目された一目均衡表の先行帯の雲の上限(111.25円レベル)や移動平均の75日線(111.55-60円)などをしっかりと超えてきた。今後は、それらがサポートになることも予想され、ドルは底堅く推移する可能性もある。
しかし、上値については、緩やかな上昇をたどり、本日は112円前後にまで達してきた移動平均の200日線が抵抗として意識されており、これをしっかりと抜いていくことはなかなか難しいか。ドルは底堅いものの、イケイケドンドンで上値を試しに行くような展開も予想しにくいようだ。

一方、材料的に見た場合、6月の米新築住宅販売件数が発表されるものの、もっとも注目される要因はやはりFOMCによる声明発表となろう。そのなかで、9月以降の資産縮小や利上げ姿勢が示唆されれば、ドル安の歯止め要因になると考えていたのだが、昨日の動きはそれを「先食い」したものである気もしている。
なお、それ以外では、報道が錯綜しておりやや不明確だが、トランプ氏の長男ジュニア氏が出席する上院公聴会は先送りされたもよう。ただ、トランプ大統領陣営のマナフォート元選挙本部長のみの公聴会証言が実施される見込みであるようで、こちらも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、111.30-112.50円。ドル高・円安方向は、移動平均の200日線が位置する112円レベルが最初の抵抗で、抜ければ112円半ばがターゲットに。ちなみに、後者には移動平均の25日線や一目均衡表の基準線が位置するほか、直近高値114.49円を起点とした下げ幅の半値(50.0%)戻しにも合致する。
対するドル安・円高方向は、昨日上抜けてきた移動平均の75日線(111.55-60円)や一目の雲の上限(111.25円レベル)などをめぐる攻防が注視されそうだ。(了)

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