ドル円見通し 下落に対する反動高FOMC待ち(7/26)

米連銀のFOMC(連邦公開市場委員会=金融政策決定会合)が始まった。日本時間27日3時に声明が出される。

ドル円見通し 下落に対する反動高FOMC待ち(7/26)

<概況>

7月24日夕刻に110.61円まで下落、7月11日高値114.49円以降の安値を更新したが、24日深夜には111円台を回復、25日午後には再び111円割れを見たが、新たな底割れを回避して上昇した。
25日夜にはユーロドルが1.1711ドルまで上昇、2015年8月高値を捉えたためユーロ売りドル買いも強まり、ドル円も111.50円を超えてきた。その後のユーロ下げ、ドル円は米国株高、米長期金利がやや戻し気味となったことで上昇基調を継続、26日早朝には112円に到達している。

日銀で新たに審議委員に就任した鈴木人司氏と片岡剛士氏が就任会見で金融緩和政策の出口戦略に向けて議論を開始するのは時期尚早との考えを示した。これは円安材料だった。
25日夜に発表された米7月の消費者信頼感指数は121.1となり、前月の117.3(改定値)から上昇、4カ月ぶり高水準となり、市場予想の116.5を超えた。これはドル高円安材料だった。

【FOMC声明待ち】

米連銀のFOMC(連邦公開市場委員会=金融政策決定会合)が始まった。日本時間27日3時に声明が出される。FOMCのイエレン議長が7月12日の議会証言で市場に対してハト派的=利上げを急がなスタンスを示したことからドル安が進み、ドル円は24日安値で111円割れまで下げてきた。この間、9日間の下落であった。さすがにFOMCが迫る中で突っ込み警戒、ポジション調整となって戻してきている。
7月11日高値から24日への下落途中においては、安値からの戻り幅は1円に満たなかったが、今回は1円を超える反発であり、9日間の下落に対する大きなリバウンドを入れているという印象だ。

しかし、FOMCから再びドル安感が強まる可能性もあり、またそれを想定してドル安円高が進んできたこともあるので、FOMC声明がハト派的なものになるならば、戻り一巡、新たな下落に入る可能性が警戒される。その場合は声明発表前水準を下回るうちは下向きとし、直前までの戻り幅の半値を削る下落発生から下落の本格的な再開と考える。逆に声明発表前水準を上回る状況を27日午前まで継続する場合はリバウンドのレベルを超えた揺れ返し的上昇に入り、7月11日高値を目指す上昇の拡大となる可能性が考えられる。
ポイントとなるのは、年内あと1回とされる利上げ確率=市場予想確率が5割を超えるかどうか。バランスシート圧縮が早期開始になるのかどうか。

【ユーロ高趨勢】

ユーロドルが1.1711ドルまで上昇、2015年8月高値1.1714ドルを捉えた。その後、IMFの報告書が「インフレの道筋がECBの物価安定目標に向けて持続的な上昇を見せるまで金融政策はしっかりと緩和的な状態を維持すべきだ」と記されたことで反落したため、25日夜の急騰分は削られたが、依然として高値圏にある。
2014年に大幅下落した後、2015年3月からは1.10ドルを挟んだ往来相場が続いてきたが、昨晩の上昇でこの間の高値を超えた。概ね4年周期、8年周期、さらに16年周期による相場のリズムでユーロドルを見れば、2017年1月安値で大底をつけて上昇期に入った可能性がある。ユーロ以外でも英ポンドが昨年10月底から上昇、カナダドルもカナダ中銀の利上げから大幅上昇しており、中長期的なドル安感は拡大していると思われる。

FOMCが市場の期待よりもタカ派的な内容となる場合にはこうしたドル安に対するブレーキとなる可能性があるが、ややタカ派的で一時的にドル高反応となっても長続きしない程度の場合、および市場が期待するハト派的で、追加利上げについても緩いスタンス、バランスシート圧縮開始も年末までずれ込むような内容になる場合はドル安の加速点となる可能性がある。

【60分足 一目均衡表分析】

【60分足 一目均衡表分析】

60分足の一目均衡表では、25日朝への上昇で遅行スパンが好転、25日午後の下落では悪化しかけたが踏みとどまり、夜の上昇で好転状況を維持している。25日夜の上昇で深夜からは先行スパンを上抜いてきている。20日に一時的なスパン突破が見られたが、その時は長続きせずに再び転落したが、今回は持続的となっている。
FOMC前の揺れ返し的な買い戻しという動きもあるので、遅行スパン好転中は戻り高値を試しやすいとみる。

60分足の相対力指数は21日夜の下落から24日夕刻の安値にかけて、相場の安値更新に対して指数が安値更新とならない強気逆行を示してから50ポイント台を回復していたが、25日夜の上昇で70ポイントを超えてきているので、短期的な買われ過ぎ警戒圏に来ていると思われる。60ポイント以上を維持するうちは上昇継続の可能性ありとするが、60ポイント割れの状況が続き始める場合は弱気転換を疑う。

概ね3日から5日周期の高値・安値形成サイクルでは、7月19日夜安値で前回のサイクルボトムを付け、底割れにより新たな弱気サイクルに入っていたが、24日夕安値で直近のサイクルボトムをつけて戻しに入った。今回の高値形成期は25日夕から27日夜にかけての間と想定されるので、FOMCから下落ならサイクルの高値を付けての新たな弱気サイクル入りとして次の安値形成期となる27日午後から31日への下落を想定し、FOMCから上昇継続なら27日夜への続伸を想定する。

以上を踏まえ、26日の日中から27日朝にかけてのポイントを示す。
(1)111.50円を上回るか、一時的に割り込んでも切り返すうちは上昇継続余地ありとみるが、FOMC前段階では112.50円手前が抵抗となりやすいとみる。
(2)111.50円割れの状況を回復できなくなる場合は下げ再開を疑う。
(3)FOMCから上昇継続の場合、サプライズ度合いにもよるが113円台序盤試しへの上昇を想定するが、27日の日中から27日夜への上昇後はいったん反動安を入れるとみる。
(4)FOMCから下落し27日の日中も続落の場合は24日安値割れからの一段安へ進むと想定し、当初の下値目途として109円台前半試しを考える。(了)<9:30執筆>

【本日の主な予定】

7月26日
(米) トランプ米大統領長男、マナフォート選挙対策本部長、米上院公聴会証言
10:30 (日) 中曽日銀副総裁、講演
23:00 (米) 米6月新築住宅販売件数 (5月 61.0万件、予想 61.5万件)


3:00 (米) 米連邦公開市場委員会(FOMC)声明

オーダー/ポジション状況

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