<< 東京市場の動き >>
20日の東京市場は、それほど大きな変動ではないが、ややドル高・円安。前日NY時間に割り込んでいた112円台を回復する局面も観測されていた。
111.85-90円で寄り付いたものの、明確な方向性は乏しい。しばらくは111.80-00円といった20ポイント程度のレンジで膠着相場に。しかし、その後はドルがじりじりと値を上げると、一時112.20-25円の日中高値を記録。そのまま、16時時点でも112円台をキープする112.10-15円で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、それとは別に、本日も豪ドル/ドルを中心にオセアニア通貨の値動きが荒い。本日で言えば、発表された6月の豪雇用統計が波乱要因となっていた感も否めない。
一方、材料面では、CNNが「北朝鮮、弾道ミサイル発射を準備」と報じたうえ、「福島県沖で地震発生、最大震度予測は4」が観測されたほか、ロイターが「米中経済対話、米国の貿易赤字削減方法で合意できず」と報じたため、それらを受けたリスク回避の動きなどによる円買いもわずかに観測されたが影響そのものは軽微だった。
また、それとは別に日銀が「金融政策の現状維持を決定」と発表したことに続き、黒田日銀総裁からは「今後も強力な金融緩和を粘り強く推進していく」「2%目標に向けモメンタム力強さ欠け注意深く点検必要」などとした発言が聞かれている。
<< 欧米市場の見通し >>
リスクはドル安方向にバイアスがかかるものの、目先高値114円台から3円程度値を下げたこともあり、ドル売りにも一巡感、マーケットは徐々に落ち着きを取り戻しつつある。これには、テクニカルサポートに見た場合、111.80-85円に位置する移動平均の200日線などがNYクローズベースのサポートとして寄与していることも影響しているのかも知れない。
このあとも基本的にはドルの底堅い値動きが見込まれるものの、サマーバカンス入りした参加者もあり、流動性が低下しているだけに、思わぬ価格変動には一応注意しておきたい。
テクニカルに見た場合、昨日のドル安値は111.56円で、一昨日のドル安値111.68円を下回ったものの、それでも安値108.75円を起点とした上げ幅の半値(50.0%)押し前後でドルは下げ止まっている。また、前日したように、NYクローズでは111.80-85円に位置する移動平均の200日線を上回って大引けていた。
依然として、111.60-85円のゾーンがドルのサポートとして寄与している感を否めず、本日も下支えとして寄与するか否か、攻防が注視されそうだ。
一方、材料的に見た場合、7月のフィラデルフィア連銀景況指数といった発表される米経済指標にまずは注目。また、それとは別にアメリカン・エキスプレスやクアルコムをはじめとする米企業決算の内容にも引き続き注意を払いたい。
さらには、トランプ米大統領が「夏休み返上で法案を通過させるよう迫った」とされるオバマケア代替法案をめぐる様々な動きや、トランプ氏長男が公聴会に出席する見込みとなった「ロシアゲート事件」に関する報道などのほか、物別れに終わったとされる「米中包括経済対話」のその後も気掛かりだ。中国ほどではないにせよ、「対米貿易黒字」国であるという点では、日本も決して安穏としていられない気もしている。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、111.60-112.70円。ドル高・円安方向は、時間足ベースなどで昨日そして本日もドルの上昇を阻んだ112.20-25円が最初の抵抗で、抜けると前回高値の112.87円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、引き続き移動平均の200日線などが位置する111.65-80円のゾーンをめぐる攻防にまずは注視。ただ、昨日ほど「強いサポート」というイメージはなくなってきた。割り込んだ場合には、一目均衡表の先行帯の雲の上限が位置する111.25円レベルも視界内に捉えられそうだ。(了)
オーダー/ポジション状況
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