ユーロ ECB理事会控え一時対ドル1.15割れ
ECB理事会前にポジション調整続く
今週一番の注目イベントであるECB理事会を今晩に控え、東京時間ユーロドルは1.15台前半で小動きに終始しましたが、欧州時間に入り一時1.1500を割り込む局面もあり17:00現在は1.1500レベルでの取引となっています。
ECB理事会での金融政策の変更は特に予想されていませんので、市場の関心はあくまで最近金融緩和政策の出口に顔を向けつつあるドラギ総裁のスタンスの検証。
ここ数年に無くECBとユーロが市場の脚光を浴びている局面でもあり、注目されます。
ドラギ総裁の記者会見での言動に注目集まるも、市場を刺激しない方向か
6月の「ドラギ総裁タカ派転向発言」後も、一部の景況指数を除けばユーロ圏の経済はおおむね堅調な数値を示しており、続報はあまり見当たりませんが今朝のNHKの「IMF EU経済見通しを軒並み上方修正見込み」報道などもあり、ユーロ圏の経済復調はほぼコンセンサス化。市場の混乱を考えれば、このタイミングでドラギ総裁がテーパリングの可能性を真向から否定するリスクは低いと考えます。
一方で、パランスシートの縮小があるとしても実施は今のタイミングではないと思われることや、やや不透明の漂い始めた米国の経済先行きから来る先行きのリスク等考えれば、今すぐ市場の思惑が「テーパリングありき」に全力で向かうこともECBはよしとはしないでしょう。
今晩のユーロは波乱含みなるも、最終的には上昇に復するか
それらの状況と、最近の主要中銀の「将来の政策変更のサインを丁寧に小出しにして時間をかけて市場と対話する」という潮流を考えれば、記者会見でも今回は一旦トーンダウンする可能性もあり、その辺のECBならびにドラギ総裁の微妙な「さじ加減」と、積みあがっていると思われるユーロ買いのポジションの一昨日来の調整による捌け具合により、かなり上下ともに波乱含みな状況です。
チャート的にはユーロドルの上げのスピードが急であったため、1.13台の半ばぐらいまで押しても上昇トレンドを維持できる分、一段の下押しの可能性もある反面、一方向での調整が約二日続いたことにより、そこそこ買いポジションも軽くなっているものと思われ、会見内容次第ではおととい攻め残した1.1600や1.1616などの近めのポイントを一気に抜けていくにもいいタイミングです。
いずれにせよユーロへの資金流入は大局では変化しにくいと考えられ、長期的にはユーロ上昇の見込みが強い中、今晩は欧州の金融政策転換のひとつの節目となる可能性のある重要な局面といえるでしょう。
1.1350を切れたら再考、1.1600を抜ければ長期膠着レンジからの離脱へ
ユーロの下値目処は、日中到達しなかった1.1495、一昨日の上昇前にもみ合った1.1470-80、週初にクリアしたトレンドライン1.1444など。当面の最終防衛ラインとしては21日移動平均の1.1390を想定。もし、この水準を割り込み1.1350も切るようであれば、再考が必要となりますが、可能性は低そうです。
一方買い安心感が広がった場合には、一昨日揉んだ1.1560レベルや1.1580近辺を抜けられれば前述の1.1616を目指すことになります。
そしてそこから上はあまり引っかかりの無い中で2015年8月の戻り高値1.1714をクリアできれば、いよいよユーロドルの長期膠着レンジからの離脱となります。
序盤の欧州株価指数先物はおおむね上昇して始まっています。
ECBの金融政策発表はこの後20:45から、ドラギ総裁の記者会見は21:30からです。
オーダー/ポジション状況
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