ドル円ドル高ムード後退、先行き見通しにくい
14日の東京市場は、一時ドル高に振れるも「行って来い」。形成レンジも30ポイントほどと比較的狭く、明確な方向性は乏しかった。
113.25-30円で寄り付いたのち、ドルはじり高推移。東京が3連休前の週末、実質ゴトー日に当たることで仲値不足観測なども取り沙汰され、ドルの支援要因に。一時113.55-60円まで値を上げている。
しかし、ドル買いは続かず、仲値決定後は反落へ。夕方にかけてはオープンレベルである113.20-25円まで値を下げ、完全なる「行って来い」となっていた。16時時点では、113.20-25円で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料面では、有力格付け機関であるフィッチが「中国の格付けをAプラスで維持、見通しは安定的」と発表したほか、同じ中国絡みの話題としては、同国の民主活動家でノーベル平和賞受賞者の劉暁波氏が13日に亡くなったことに関し、中国外務省が「関係国がこの問題を利用して中国の内政に干渉すべきでない」との談話を公開している。
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ドルがこのまま弱気へと転じるのかどうか、先行きはやや見通しにくい。ただ、少なくともドルの強気ムードは完全に後退している感を否めず、115円はおろか114円レベルも近くて遠いイメージになってきた。次の方向性を探るようなレンジ内での値動きが続く可能性が高いものの、注目材料なども予定されていることから、思わぬ価格変動にも一応の注意を払いたい。
テクニカルに見た場合、過去2日ほどは112.80-114.00円の1円強、昨日から本日にかけては112.80-113.60円とさらに狭いボックス圏を形成していることが見て取れる。まずは、このボックス圏を上下どちらに抜けていくのか、その方向性を注視したい。
なお、本日は週末ということで、週足の観点でひとつ指摘しておくと、今週のドル/円の寄り付きは113.80円台であり、このままいけば週足は陰線引けとなりそう。やはり、今年に入って以降一度も観測されていない週足の「5連続陽線」は、今回も失敗に終わる公算が大きいようだ。
一方、材料的に見た場合、6月の消費者物価や同小売売上高など、重要な米経済指標が発表される予定となっており、それらはまず要注意。内容如何で乱高下もありそうだ。
また、それとは別にFOMCへの投票権を有するカプラン・ダラス連銀総裁の講演や、JPモルガン・チェースやシティグループなど金融機関を中心とした発表される米企業決算の内容にも注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、112.70-113.80円。ドル高・円安方向は、本日の東京時間高値の113円半ば、そして昨日NY時間高値の113.75円レベルなどが目先の抵抗に。抜ければ114円を目指す展開となりそうだが、上値は重そうだ。
対するドル安・円高方向は、昨日の東京安値112.85円レベルが最初のサポートか。割り込んだ場合には、移動平均の25日線が位置する112.15-20円レベルが次のターゲットに。(了)
オーダー/ポジション状況
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