<< 東京市場の動き >>
11日の東京市場は、ドル高・円安。前日には超えられなかった5月高値114.38円を一時上抜ける局面も観測されている。
値幅そのものは50ポイントに届かず、決して大きなものではなかったが、一貫してドルは右肩上がり。寄り付いた114.00-05円を日中のドル最安値に、114円半ばまで緩やかなドル高・円安が進行している。米長期金利の上昇に加え、前日比7円安で寄り付いた日経平均株価がプラス圏を回復、結局終値ベースで114円高まで値を伸ばしたことなどが好感されていたという。
前日のドル高値である114.30円手前でやや上げ渋るも、上抜けたあとは逆に底堅く、114.45-50円まで値を上げ、16時時点でも114.35-40円の日中ドル最高値圏を維持したまま欧米時間を迎えている。
一方、材料面では、「11時56分ごろ鹿児島県で震度5強の地震、津波の心配なし」とのニュースが伝えられたが、それほど目立った影響はなし。
また、ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁から「直近の米雇用統計は景気の強さ示す」との発言が聞かれており、こちらは若干ドル買いの反応に繋がっていた面を否めない。
<< 欧米市場の見通し >>
先週末7日に発表された6月の米雇用統計は、非農業部門就業者数が事前予想を上回るも、賃金上昇ペースが弱いなど斑模様、いわゆる「強弱まちまち」の結果となった。そのため、米利上げに関して強気一辺倒になり切れない参加者も少なくなかったが、昨日からの値動きを見ると、逆にマーケットが複数回の米利上げを催促しているようなイメージだ。明12日のイエレンFRB議長の議会証言において、強気コメントを引き出したいとするドル高・円安であり、それまではドルの堅調推移が続く可能性がある。
テクニカルに見た場合、5月高値114.38円を超えたことで、次のターゲットは115円レベル、そして3月高値の115.51円となる。さらに、3月高値も上回った場合の上値メドは106.15-20円となりそうだ。
それに対するドルの下値メドは、まず114円レベル。昨日の東京時間に114円台をしっかりと上回って以降、下回ったことはほとんどなく、かなり底堅いイメージ。ポジションの偏りは気掛かりだが、仮に調整が入った場合でも、大きく崩れる展開は予想しにくい。
一方、材料的に見た場合、目立った米経済指標の発表は予定されていないが、ブレイナードFRB理事の講演や、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁によるQ&Aセッションに出席などが実施される予定で、これらは一応要注意。
なお、飽くまで「本丸」は明日のイエレンFRB議長発言になるため、影響は限られようが、それでもブレイナード、カシュカリの両氏ともに「ハト派」に属するとされるだけに、多少弱めのコメントが発せられる可能性はないでもなく、その場合は調整的ドル安進行もありそうだ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、113.90-114.90円。ドル高・円安方向は、5月高値114.38円を超えたことで、心理抵抗である115円を目指す展開に。抜ければ、3月高値115.51円がターゲット。
対するドル安・円高方向は、114円前後が一応のサポートで、かなり底堅いイメージ。113-114円台に目立った下値メドがうかがえないため、ドルは崩れだすと早いといえなくはないのだが、正直そのイメージは乏しい。(了)
オーダー/ポジション状況
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