<< 東京市場の動き >>
6日の東京市場は、一時円高が進行するも、終わってみれば「行って来い」。113円以下ではドルも底堅く、下値は限定的だった。
113.25-30円で寄り付いたのち、ドルはじり安に推移。一時112.85-90円まで値を下げるも滞在時間は短く底堅い。前日比19円安で寄り付いた日経平均株価が下値を拡大させ、100円を超える下げ幅を記録したことなどが嫌気されていたという。
その後は再びドル買いが優勢となると、113円台を回復し、寄り付きレベルまで上昇する「行って来い」。16時時点では113.15-20円で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料的には、引き続き北朝鮮ファクターが相場の波乱要因に。
一例を挙げると、「国連安保理が北朝鮮情勢めぐり緊急会合開催」との報道のほか、防衛省は「ミサイル発射を受けて、稲田防衛相と米国防長官が5日に電話会談を行った」と発表している。また、デービス米国防総省報道部長からは「北朝鮮の大陸間弾道弾(ICBM)脅威は限定的」との発言も別に聞かれていた。
<< 欧米市場の見通し >>
北朝鮮に対する不安、地政学リスクが再燃しているものの、為替市場における円安基調に変化がみられない。と言うより、基本的なリスクはドル高・円安方向に高そうで、何かキッカケがあれば、目先上げ渋りの様相を呈している113円半ばから後半を超えて、114-115円を目指す展開となっても不思議はないだろう。そうした意味では、「ドル再上昇のキッカケ」になりかねない、米経済指標・6月のADP雇用統計の内容にとくに注意を払いたい。
テクニカルに見た場合、依然として3月高値115.51円と5月高値114.38円を結んだドルの下降トレンドライン(113.30円台に位置)に絡む値動き。ドルは底堅いが、上値も同ラインに抑制されている感を否めない。
また、視点を変えて時間足など短期のチャートをみると、ここ2日間ほどは112.70-113.70円といった1円レンジに留まっていることが見て取れる。いずれにしても、足もとのボックス圏をどちらに放れるのか、まずはその方向性が注目されそうだ。
一方、材料的に見た場合、6月のADP雇用統計ならびに5月の貿易収支、6月のISM非製造業総合指数といった重量級の米経済指標が立て続けに発表される予定となっている。明日発表される6月の米雇用統計と相関性が高いとされるADPを中心に、発表される指標内容如何では再び荒れ模様の相場付きをたどる可能性も否定できない。
さらには、パウエルFRB理事の講演のほか、原油や米株などほかの金融市場の動きも波乱要因として警戒を要したい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、112.70-113.80円。ドル高・円安方向は、昨日のドル高値である113.69円が最初の抵抗で、抜ければ114円台回復に現実味。
対するドル安・円高方向は、一昨日から本日まで3度下値をサポートされている112.70-90円がかなり強い下値メドとして意識されはじめた。割り込めば、112.35-40円に位置する一目均衡表の転換線がサポートになりそうだが、大崩れする展開は見込みにくい。(了)
オーダー/ポジション状況
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