ドル円北朝鮮リスク再燃するも基調は変わらず(7/5夕)

5日の東京市場は、一時円高が進行するも、終わってみれば「行って来い」。トータルでは1円程度の価格変動を記録するなど、なかなかの荒れ模様をたどった一日だった。

ドル円北朝鮮リスク再燃するも基調は変わらず(7/5夕)

<< 東京市場の動き >>

5日の東京市場は、一時円高が進行するも、終わってみれば「行って来い」。トータルでは1円程度の価格変動を記録するなど、なかなかの荒れ模様をたどった一日だった。

113.25-30円で寄り付いた直後に、113.35円の日中高値を記録。しかし、ドル買いの流れは続かないどころか、一転してドル売り・円買い機運が高まると、112.80-85円まで軟落し、本日安値を示現している。日経平均株価が一時2万円の大台を割り込んだことなどが嫌気されていたという。
ただ、日経平均株価が反発に転じプラス圏を回復したこともあり、ドル/円も下値を攻めきれず。むしろ、ドルはじりじりと買い進められると113円台を回復、16時時点では113.20-25円まで値を小戻し、さながら「行って来い」の様相のまま欧米時間を迎えている。

一方、材料的には、前日の流れもあり北朝鮮絡みのニュースが多い。たとえば、「米韓軍が韓国沖でミサイル発射、北朝鮮を威嚇」との報道や、韓国国防相から「北朝鮮が6度目の核実験実施する可能性高い」との発言が聞かれ、円買いの支援要因に。
なお、北朝鮮以外のニュースとしては、日経新聞が「日欧経済連携協定(EPA)の関税撤廃、貿易品目の95%超に」と報じ、ユーロ/円などがわずかながら反応をみせていた。

<< 欧米市場の見通し >>

北朝鮮に対する不安、地政学リスクが再燃しているものの、日経平均株価などをみると予想以上に打たれ強い感もある。為替も、株価が底堅く推移していることもあり、積極的な円買いは観測されにくく、それほど下値リスクが強い状況にあるとは言えないだろう。予断は許さないが、週末に発表される米雇用統計の発表などをにらみつつもドルは強保ち合い、112-113円台の高値圏で底堅い値動きを続ける公算が大きそうだ。

テクニカルに見た場合、3月高値115.51円と5月高値114.38円を結んだドルの下降トレンドライン(113.30円台に位置)に絡む状態が長く、しっかりとは超えられていない。超えれば、次のターゲットは当然、前述した5月高値114.38円であり、さらには115円台回復もみえてくる。
なお、基本的なリスクはドル高・円安だが、先日もレポートしたように、今年の相場は「奇数月にドルが高値を記録する」傾向のあることだけは気掛かりだ。

一方、材料的に見た場合、5月の製造業受注や同耐久財受注といった発表される米経済指標ならびに、6月13-14日分のFOMC議事録公開にまずは注目。なかでも後者については、9月以降の資産縮小が示唆されるとドル高を支援する可能性も取り沙汰されており、とくに注意を要するのかもしれない。
また、原油や米株などほかの金融市場の動きも要注意。昨日独立記念日で休場となったNY勢が如何なるスタンスで取引に臨んでくるのか、動静をしっかりと見極めたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、112.70-113.70円。ドル高・円安方向は、本日高値の113.35円レベル、そして前回高値の113.47円などが最初の抵抗か。抜ければ114円台回復の芽もみえてくる。
対するドル安・円高方向は、昨日そして本日と2度下げ止まった112.70-80円が下値メドとして意識されそうだ。割り込めば、112.25-30円に位置する一目均衡表の転換線がサポートに。(了)

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