ドル円見通し 113円台では高値警戒感(7/5)

4日夜は米国市場が独立記念日で祝日、株式、債券市場、先物市場等が休場となったために動意も薄かったが、午後からのジリ高基調が継続して5日早朝には113.35円まで戻した。

ドル円見通し 113円台では高値警戒感(7/5)

<概況・ポイント>

6月15日未明のFOMCから上昇基調に入り、今週は7月3日の上昇で113円に到達、4日早朝には113.47円まで高値を伸ばした。しかし113円台に対する高値警戒感に加え、北朝鮮がミサイル発射実験を行い、15時半から重大発表をするとの報道からリスク回避感も加わって15時過ぎには112.73円まで下げた。
北朝鮮はICBMの発射実験に成功したと発表したが、ミサイル発射直後の報道で従来よりも飛行距離が伸びていたためにICBM発射実験の成功を表明するであろうことは市場も承知していたため、さらに驚愕する材料無しとして15時半からは上昇を再開した。
4日夜は米国市場が独立記念日で祝日となり、株式、債券市場、先物市場等が休場となったために動意も薄かったが、午後からのジリ高基調が継続して5日早朝には113.35円まで戻した。しかしその後は再び113円を一時割り込むところまで下げており、113円台に対する高値警戒、抵抗感を抱かせる状況となっている。

5日早朝、米韓両軍が北朝鮮指導部への攻撃が可能な弾道ミサイルの発射訓練を日本海で実施したと報じた。また米国防省は北朝鮮が発射したのはICBMだったと断定した。5日早朝のドル円小反落はこれらを意識しての動きかもしれない。
韓国が冬季五輪への南北統一チーム結成を呼び掛けたりするなどの状況を踏まえれば、一触即発的な危機感が急膨張するような状況とは思われないが、米国本土を射程とするICBM発射の成功は米国を新たな危機対応ステージへ向かわせる可能性も懸念される。また都議会選挙で歴史的大敗を喫した安倍政権が内政的な危機感を対外的な緊張感へとシフトさせるような政治行動に出る可能性も否定できないため、当面は朝鮮半島有事問題がクローズアップされる可能性についても多少の注意は必要かもしれない。

【60分足 一目均衡表分析】

【60分足 一目均衡表分析】

7月3日の上昇で遅行スパンが好転(実線を上回る)、先行スパンも上抜いて強気な姿となったが、4日早朝高値を更新できなかったために遅行スパンは悪化(実線を下回る)、先行スパンの上限に食い込み始めている。
先行スパンから転落しない範囲=112.50円以上を維持するうちは一段高状態の維持であり、さらに高値更新へ進む可能性がある。また5日早朝高値を上抜く上昇へ進めば遅行スパンも再び好転してくるため、一段高へ進みやすくなると思われる。このため、弱気転換は先行スパンから転落するところからと考える。

60分足の相対力指数は4日早朝に14本線が80ポイントに到達し、その後は50ポイント割れ、いったん戻したものの5日朝も50ポイント割れとなっており、やや調整安へ進みやすい姿となっている。60ポイント前後が抵抗となって失速するうちは下向きとし、60ポイント以上を維持し始める場合は上昇再開、一段高へ向かいやすいとみる。

概ね3日から5日周期の高値・安値形成サイクルでは、30日昼安値を直近のサイクルボトムとして上昇してきた。4日早朝高値を5日朝に上抜けていないため、ダブルトップ型でサイクルトップをつけた可能性もあるため、4日午後安値112.73円割れの場合は弱気サイクル入りと仮定して次のサイクルボトム形成期となる5日の日中から7日にかけての下落を想定する。その場合の下値目途は当初、112.50円を支持線とし、割り込んでも早々に切り返す内は上昇再開の可能性を優先するが、切り返せずに続落なら112.00円から6月30日安値111.72円にかけてのゾーンを試すとみる。
7月5日朝高値超えからは上昇再開の可能性を優先、4日早朝高値超えの場合は5月11日高値114.36円試しまで上値目途が切り上がる可能性が出てくるとみる。(了)<9:25執筆>

【本日の主な予定】

7月5日
(中) 10:45 中国6月財新サービス業PMI 
(米) 23:00 米5月製造業受注指数 (4月 -0.2%、予想 -0.5%)


(米) 3:00 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録公表(6月13-14日開催分)

オーダー/ポジション状況

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