地政学リスク再燃、ドル高基調に冷や水(17/7/4夕)

4日の東京市場は、ドル安・円高。早朝を高値に一貫した右肩下がりの展開で、寄り付きの113円台から一時は112.70円台へと値を下げる局面も観測されていた。

地政学リスク再燃、ドル高基調に冷や水(17/7/4夕)

<< 東京市場の動き >>

4日の東京市場は、ドル安・円高。早朝を高値に一貫した右肩下がりの展開で、寄り付きの113円台から一時は112.70円台へと値を下げる局面も観測されていた。

前日NY時間の終盤に113.48円まで上昇した流れを継ぎ、東京時間は113.40-45円レベルでオープン。その後しばらくは上値が重いものの底堅く下げ渋ったが、夕方にかけて113円を割り込むと112.70円台へと、一時大きく値を下げた。ただ、112.70円などの滞空時間は短くスグに切り返すと、16時時点では112.90-95円まで小戻し、欧米時間を迎えている。

一方、材料的には、北朝鮮情勢に振り回された一日と言って良い。午前中に、「北朝鮮がミサイルを発射し、排他的経済水域に落下したもよう」などと報じられ、リスク回避の円買い要因に。さらに、「北朝鮮が午後3時半に重大発表を行う(結果は、「大陸間弾道ミサイル・ICBMの発射に成功」との発表)」とされ、こちらもドル安・円高を支援していた面は否めない。
なお、北朝鮮以外のニュースとしては、「中国の汪副首相、ロス米商務長官と電話会談実施」「豪中銀が政策金利を1.50%に据え置きと発表」−−などが観測されていた。

<< 欧米市場の見通し >>

相場の先行きを読みにくい。素直に考えれば、これまでのボックス圏の上限である112円だけでなく113円も上抜けたことで上向きと言えるが、本日東京時間の「北朝鮮ミサイル発射」がドル高基調に冷や水を浴びせた感もある。
いずれにしても、本日は米が独立記念日で休場となるため、基本は動きにくくレンジが予想されるものの、逆に流動性が低下するだけに発せられるニュースなどによっては予想以上の乱高下などをたどる危険性もないではない。思わぬ価格変動にも一応要注意。

テクニカルに見た場合、前回ドル高値114.38円を起点とした下げ幅の76.4%戻し(113.05円)を昨日NY時間に上抜けた。フィボナッチの観点では、次の戻りのメドは100%しかなく、ドルはさらなる戻りを試す可能性もある。
また、3月高値115.51円と5月高値114.38円を結んだドルの下降トレンドライン(113.30円台に位置)も一時上抜けたが、こちらは本日の東京時間に押し戻されてきた。このあと、再び上回ることが出来るかどうか、動静を注目してみたい。

一方、材料的に見た場合、米休場で経済指標の発表や地区連銀総裁の講演といったものはとくに予定がないようだ。新規材料難もあり、基本的には動きにくそうな様相だが、週末にG20サミットを控える状況下、地政学リスクが再燃の兆しをうかがわせているだけに、各国要人発言などには注意を要したい。
また、原油を中心とした先物市場の動きも、相場のかく乱要因として頭の片隅に留めておいて損はない気がしている。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、112.50-113.50円。ドル高・円安方向は、昨日高値の113.47円が最初のターゲットで、その少し下には過去2回のドル高値を結んだ下降トレンドラインも位置している。
対するドル安・円高方向は、本日の東京時間安値の112.70-75円が下値メドとしてまずは意識か。割り込めば、112.20-25円に位置する一目均衡表の転換線を目指す展開が見込まれているようだ。(了)

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