オーストラリア中銀金融政策決定会合要旨
豪州準備銀行(中銀)政策金利
現行の1.50%で据え置き決定。(市場の予想通り)
(中銀の委員会要旨)
本日の会合で、委員会はキャッシュレートを現行の1.50%に据え置くことを決定した。
世界経済は引き続き幅広い地域で拡大している。労働市場は多くの国で一層タイトになり、世界経済の成長見通しは昨年来上方修正されている。不確実性を残しているものの、成長の上昇トレンドは先進国で伸びている。中国においてはインフラ整備や不動産建設の増加で成長が支えられている。ただ、中期リスクとして、高水準の債務拡大が続いている。また過去1年に亘る商品価格の上昇は豪州経済の成長を助けた。
インフレは過去と比較して上昇してはいるが、現在は原油価格下落で下がっている。賃金は多くの国で依然伸び悩み、コアインフレが抑えられている。米国では先々の利上げが予想され、もはや多くの国で追加緩和する期待は無くなっている。金融市場は効率的に運営され、ボラティリティは低くなっている。
予想通り、豪州の3月末GDPは減速した。これは一時的要因によるものだ。豪州経済はこの先、徐々に拡大していくことが予想され、鉱山関連投資ブームの終了による鉱山投資の影響度合いは低いものになってきている。企業を取り巻く環境は改善し、稼働率も上昇している。企業投資は拡大し、鉱山関連投資の減少を相殺している。但し、消費の伸びは低迷している。これは実質賃金の伸びが低下し、高水準の家計債務の影響を受けている。
労働市場は依然強弱混在している。雇用の伸びはここ数か月拡大している。先行指標を見ると、この先も改善が期待される。しかしながら、賃金の伸びは低く、この傾向が暫く続きそうだ。インフレは経済の伸びに合わせて緩やかに上昇すると見ている。
先行き概観は低金利の助けで支えられている。2013年以降の豪ドル安が鉱山関連ブームからの移行期を支えてくれた。豪ドル高はこれらの調整を複雑にしてしまう。
住宅市場は国内でまちまちとなっている。幾つかの地域では価格は下がっているが、東部の主要都市では今後2〜3年間、アパートの追加供給が見込まれている。賃貸住宅は過去20年間では最も減速している。最近の調査では高水準の住宅債務リスクを指摘している。貸し手は住宅投資家や金利のみローン借り入れ者へのローン金利上昇を発表している。
利用できる現在のデータを見て、委員会は現状の金融政策を維持すると判断し、これらの低金利が経済成長を助け、インフレを長期的に達成できると予想している。
(要旨以上)
(注)豪州中銀金融政策会合要旨は一部を和訳したものであり、詳細は金融政策要旨本文をお読みください。
今回要旨も前回6月とほぼ変わらない内容となっています。
豪ドル対米ドルは発表前0.7680米ドル前後で推移していましたが、発表後は予想通りの内容にも関わらず、0.7610米ドル付近まで豪ドル安になっています。これは最近のカナダ、ECB、英国中銀総裁の緩和縮小発言を期待して、豪ドルロングを積み上げていたとしか思えない様な豪ドル売りとなっています。
結局0.7710米ドルの抵抗線に阻まれて、先週金曜日、日足の形状悪いために豪ドルのポジション調整売りが先行しています。
下値サポートは0.7550〜60、0.7510米ドルにありますが、後者を切れると一段安になりそうで、その場合にはクロス円にも影響がでてきそうです。上値は0.7660米ドルを回復してくると、再度上記の抵抗線を狙える位置にきます。(7月4日14時30分、1豪ドル=0.7609米ドル)
尚、次回金融政策会合は2017年8月1日(火曜日)に予定されています。
オーダー/ポジション状況
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