ドル円 都議選ショック一服リスクは再び円安に
週明け3日の東京市場は、ドル高・円安。安寄りしたものの、そのあとは緩やかな右肩上がり。夕方にかけては先週末NYの高値圏まで、ドルが上昇する局面も観測されていた。
ここ数ヵ月、月曜日早朝の恒例となっている「荒れ模様のオープン」は今週も。前日行われた東京都議会選で自民党が歴史的惨敗を喫し、国政への影響も懸念されたことで、クロスを含めた円絡みの通貨ペアは円買い優勢。上方向に大きなギャップを空けて寄り付く通貨ペアが少なくなかった。
先週末のNYを112.40円レベルで大引けたドル/円も、112.05-10円でオープンとなったが、結局そのレベルが本日のドル最安値。そのあとはむしろドルの買い戻しが優勢で、途中ギャップをしっかりと埋めきっただけでなく、一時112.60円台まで上昇した。16時時点でも、112.55-60円とドルは日中の最高値圏を維持したまま、欧米時間を迎えている。
一方、前述した都議会選の結果以外の材料としては、「日米首脳が電話会談、対北朝鮮圧力強化で結束」「ストックホルムの国際平和研究所が、北朝鮮は核弾頭を20発保有との報告書発表」などといったニュースが報じられていた。また、別途6月の日銀短観が発表され、市場がもっとも注視していた大企業製造業DIはプラス17で、前回3月調査よりも5ポイントの上昇に。
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前述したような、「東京都議選の自民党惨敗ショック」から円買い進行を懸念する声も当初は少なくなかったが、フタを開けてみれば影響は極めて軽微に留まっている。少なくともドルの下値リスクがそれほど高くないことは確かか。
しかし、一方で、このままドルの上値を積極に買っていけるかどうかという点にも疑問がなくはない。米国が明日独立記念日で休場となるという飛び石連休の谷間ということで、参加者もいささか乏しい状態が予想されることで、予断は許さないものの結局レンジ相場、などといった見方が有力だ。
テクニカルに見た場合、110-112円のボックス圏を先週しっかりと上抜けたものの、結果して前述レンジを1円程度上方修正したに留まっている感を否めない。と言うより、先月28日以降の時間足など短期チャートをみると、111.70-113.00円という、さらに狭いボックス圏を形成しており、そのなかでの一進一退をたどっているという状況がみてとれる。
ちなみに、本稿執筆時に推移している112円半ばは、そのちょうど中ほど。いずれにしても、まずは足もとのボックス圏を上下どちらに抜けていくのか、方向性を注視したい。
一方、材料的に見た場合、 6月の製造業PMI確報や同ISM製造業景況指数など発表予定の米経済指標にまずは要注意。また、ブラード・セントルイス連銀総裁による講演も、発言内容によってはマーケットの波乱要因となる可能性があるだろう。
また、米株や金利、原油価格など他市場の動きも、相場のかく乱要因として警戒を要したい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、112.00-113.20円。ドル高・円安方向は、先週末高値なども程近い113円レベルが最初のターゲットで、抜ければ直近高値2つを結んだ下降トレンドラインが位置する113.35-40円を目指す。
対するドル安・円高方向は、一目均衡表の先行帯の雲の上限などが位置する111.80-00円がサポートとして意識されている。割り込めば、111円台前半に位置する移動平均の200日線などが視界内に捉えられるものの、そこまで到達する公算は低いのではなかろうか。(了)
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