ドル円 レンジ一時上抜けも「行って来い」(6/27夕)

27日の東京市場は、終わってみれば「行って来い」。一時ドル高が進行し112円台を回復、

ドル円 レンジ一時上抜けも「行って来い」(6/27夕)

<< 東京市場の動き >>

27日の東京市場は、終わってみれば「行って来い」。一時ドル高が進行し112円台を回復、ここ最近のレンジを上抜けた感も見られたものの、再び押し戻されている。

111.80-85円で寄り付いたのち、ドルはじり高。前日超えられなかった112円の壁を前にしばらく上げ渋るも、昼前には上抜け、日中高値の112.08円を記録した。本日のNY時間に予定されているFRB議長講演を視野に入れたドル買戻しに加え、6月末・四半期末を念頭に入れた仲値不足観測などがドル買い・円売りを支援していたという。
しかし、ドルは上値確認後、一転して冴えない値動きで、あっさり112円を割り込むと111.60円台まで軟落。16時時点では、日中のドル安値圏である111.65-70円で推移し、欧米時間を迎えている。

一方、材料的には、米ホワイトハウスから「シリア政府が化学兵器を使った攻撃を準備している兆候を察知した」との発表や、有力欧米紙であるウォール・ストリート・ジャーナルが「米携帯電話4位スプリントが、ドイツテレコム傘下の同3位TモバイルUSとの統合交渉を保留した」との報道などが観測されていた。
また、発表された中国経済指標である5月の工業利益は、前年比プラス16.7%で4月数値の同14.0%より改善している。

<< 欧米市場の見通し >>

110.50-111.80円といったボックス圏だけでなく、112円も一時上抜けたが定着はできず。リスクという点では、再びドル高方向にバイアスがかかるものの、ドルの一段高トライにも疑問を残す足形だ。いま一度、下値をしっかりと固めたのち、ドルは再度上値をトライするという展開をたどる可能性もある。
もっとも、本日はイエレンFRB議長の講演が予定されており、その内容如何では調整なしに再びドル買いが強まっても不思議はないかもしれない。

テクニカルに見た場合、ドルは111.70-80円レベルに位置する一目均衡表の先行帯の雲に絡む値動きとなっている。ちなみに、そんな一目の雲は先日「雲の捻じれ」が発生、足もとはその余波を受け、雲の厚さが15ポイント程度と、かなり薄い状態だ。今後徐々に雲は厚さを増していくことを考えると、上抜けるには絶好のタイミングであるのかもしれない。
ただ、一方で移動平均においては、右肩下がりをたどる中期75日線と、対照的に緩やかなドルのじり高を示す長期200日線が接近しつつあり、近い将来デッドクロスすると推察されることが、やや気掛かりだ。

一方、材料的に見た場合、4月のS&Pケースシラー住宅価格指数や6月の消費者信頼感指数といった発表される米経済指標にまずは要注意。影響は軽微だったが、昨日発表された米経済指標も冴えない内容で、それを受けた一時的な金利低下も見られただけに、本日も警戒を要したい。
また、それ以外では、イエレンFRB議長のほか、フィラデルフィア連銀総裁やミネアポリス連銀総裁などによる講演も注視されている。今後の利上げや資産縮小スケジュール、景気とインフレ判断などに対して、どのような見解を示すのか注意を払いたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、111.10-112.30円。ドル高・円安方向は、111.80円レベルに位置する一目均衡表の先行帯の雲、そして本日東京高値の112.08円などがターゲットに。抜ければドル高値114.38円を起点とした下げ幅のフィボナッチ61.8%戻しに当たる112.20-25円が意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、111.15-20円に位置する移動平均の75日線や、110.90-95円までレベルを切り上げてきた移動平均の200日線をめぐる攻防にまずは注視。割り込むようだと110円半ばなどが次のサポートに。(了)

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