ドル円見通し6/20高値を超え上昇指向を継続(6/27)

6月20日高値を超えたことにより、6月20日から26日までを高値圏維持での持合いとし、持ち合い上放れから一段高に入ったという印象が強まっている。

ドル円見通し6/20高値を超え上昇指向を継続(6/27)

<概況>

6月15日未明のFOMCをきっかけとして14日安値108.80円から16日夜高値111.41円まで上昇、さらに6月20日には111.78円まで高値を伸ばした。6月2日の米雇用統計から下落する前の高値であった111.71円まで戻したことによりひとまず上げ一服となり、20日高値と21日夜高値111.74円がダブルトップ型となって22日には110.94円まで下げた。しかしその後は新たな安値更新に至らず、111円台序盤でほぼ横ばいとなって先週を終えた。

週明け26日の日中も横ばいのまま手掛かり難で推移していたが、夕刻からの上昇で111.50円を超えて夜間で111.72円まで戻した。いったん下げたが27日未明へ切り返して111.90円台へ乗せ、6月20日高値も超えてきている。
6月20日高値を超えたことにより、6月20日から26日までを高値圏維持での持合いとし、持ち合い上放れから一段高に入ったという印象が強まっている。

【ユーロ、ポンド等と比較して円安感が強まる】

2015年12月、2016年12月、2017年3月と、金融緩和拡大終了後の利上げ決定では、決定前にドル高円安となり、決定からは材料消化として円高へ切り返してきた。6月15日未明のFOMCにおける今年二度目の利上げについても、市場は事前予想でほぼ確実とみていたことから、材料消化で円高へと切り替わる可能性もあったわけだが、前3回とは異なって円安へ進み、まず6月20日まで4日間上昇、その後4日間も高値圏を維持した持合いとし、さらに27日未明からの上昇で高値を更新してきているという状況にある。

ユーロドルに関しては、FOMCから下落=ドル高ユーロ安、その後は反騰、反落、また反騰と往来相場になっており、必ずしもドル高感が強いという印象にはない。英ポンドも21日まではポンド安ドル高だったが、その後は上昇基調にあり、ドル高感は薄まっている。豪ドルも22日までは下落でドル高感が強かったが、その後は戻している。この様に、ドル円以外はいったんドル高反応だったものの切り返しており、ドル円とは様相が異なっている印象だ。

米長期金利も低下傾向にある中で、日米長期金利差でも円高へ進みやすい環境にはあるが、逆に円安である。米金融政策に対する見通し云々以外での円安感が背景で強まっている可能性も考えるべきかもしれない。

【60分足 一目均衡表分析】

【60分足 一目均衡表分析】

60分足の一目均衡表では、26日夕刻からの上昇で遅行スパンが実線を上抜いて好転、先行スパンからも上抜けた。26本基準線が段階的に切り上がっており、高値追及型となっている。このため、遅行スパン好転中は高値試しが優先的になると思われる。112円超えから続伸の場合は遅行スパンの好転が続きやすくなるが、112円以下で横ばい、反落の場合は遅行スパン悪化となりやすい点に注意し、遅行スパン悪化からは反落開始とし、先行スパンからの転落を試すとみる。

60分足の14本相対力指数は26日夕刻の上昇で70台後半へ上昇、いったん下げた後の高値更新に対しては指数が切り下がっているため、弱気逆行となる可能性に注意。60ポイント割れからは弱気転換注意とみる。

概ね3日から5日周期の高値・安値形成サイクルでは、20日高値と21日深夜高値によるダブルトップを超えてきたため、高値更新による強気サイクル入りとし、21日夜高値を基準として次の高値形成期となる27日の日中から28日夜にかけての上昇期に入っていると考える。既に21日夜高値から3日を経過、ダブルトップの20日高値からは5日目に入るのでサイクルの高値をつけて反落しやすい時間帯に入っている。111.50円割れの場合は弱気サイクル入りとするが、111.50円割れ回避の内は高値を試しやすいと見ている。

【上値目処】

6月20日高値を上抜いたことにより、上値目処はまず、5月24日高値112.12円、5月2日高値の112.30円、次いで22日への下げ幅の倍返しでV波計算値=112.62円試しを想定する。
3月10日高値と5月11日高値を結ぶ右肩下がりの抵抗線は113円台序盤から切り下がってくるため、112円台後半から113円台序盤にかけて上昇継続してゆく可能性があるが、113円前後は大きな抵抗感を伴うとみる。
なお、111円割れからは200日移動平均線割れ、110.72円割れで20日基準線割れ、110.63円で転換線割れ、110.46円割れからは26日基準線割れ等、中勢レベルの弱気転換となりやすい。(了)<9:50執筆>

【明日に掛けての主な予定】

6月27日
世界経済フォーラム、夏季ダボス会議(中国大連、29日まで)
(米) 16:30 ウィリアムズ米サンフランシスコ連銀総裁講演
(米) 22:00 米4月S&P/ケースシラー住宅価格指数前年比 (3月 +5.9%、予想 5.9%)
(米) 23:00 米6月消費者信頼感指数 (5月 117.9、予想 115.0)
(米) 23:00 米6月リッチモンド連銀製造業指数 

6月28日
(米) 0:00 ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
(米)  2:00 イエレンFRB議長、講演
(米) 6:30 カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、講演
(米) 16:30 ウィリアムズ米サンフランシスコ連銀総裁、講演
(米) 23:00 米5月中古住宅販売保留件数指数 (4月 -1.3%、予想 +1.1%)

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