前週の主要レート(週間レンジ)
始値 高値 安値 終値
ドル円 110.96 111.79 110.91 111.27
ユーロ円 124.34 124.71 123.66 124.54
ユーロドル 1.1205 1.1214 1.1119 1.1192
日経平均 19974.30 20318.11 19949.88 20132.67
(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時?NY午後5時のインターバンクレート。
前週の概況
6月19日(月)
NY市場までほとんど動意無く、3主要通貨ペアともにもみあいを続けていました。ダドリーNY連銀総裁が賃金の上昇を含め、タカ派寄りの発言をしたことからドル買いの動きとなり、主要株価指数もダウ、DAXが軒並み高値を更新したことからリスクオンの円売りも見られました。ドル円は111.60レベル、ユーロドルも1.1143レベルをつけ、そのままドル高値圏での引けとなりました。
6月20日(火)
ドル円は朝方こそ株価とともに円安に動き111.79レベルの高値をつけたものの、その後は株価の調整とともにじり安の動きとなりましたが、レンジも50銭に満たず動意薄の一日でした。激しい動きを見せたのがポンドで、先週のMPCで利上げ賛成が3名に増え次の引き締めは英国といった流れの中、カーニー英中銀総裁が利上げを完全に否定する発言を行ったことでポンドが全ての通貨に対して急落、その後も終始売りが先行する流れとなって、高値からNY市場の安値までポンドドルは150ポイント以上も水準を下げました。ユーロドルもポンドの下げに引っ張られる形でじり安の展開となって一日を終えました。
6月21日(水)
東京市場のドル円は前日の流れを受けリスクオフの円買いが継続、欧州市場の序盤には111.07レベルの安値を付けました。昨日も波乱の中心となったのはポンド、月曜のカーニー英中銀総裁の発言で利上げ思惑が縮小していたところに、MPC委員の一人がタカ派的な発言をしたことでポンドが急騰、ポンド円も大幅高となりドル円は一転円安方向へと切り返す流れとなりました。NY市場前場には111.74レベルと前日高値に迫る水準となりましたが、NYの昼過ぎに再び原油が急落し、一時42.05ドルと日中高値から2ドル以上も下げたことから、株式市場、円相場ともリスクオフの流れへと戻りました。ユーロドルは週日底堅い動きとなったものの一日のレンジが40ポイント程度と動意薄でした。
6月22日(木)
3主要通貨ペアともに方向感がはっきりしない動意薄の一日となりました。ドル円は狭い値幅ながらも週初から高値を切り下げる動きとなっていたこともあり、一時111円割れをトライしたものの安値は95止まり。その後は111円台へと切り返し、111円台前半で方向感の無いままに一日を終わりました。ユーロドルは東京市場では前日の流れを受け買いが先行したものの、その後は調整の売りも出て、こちらも1.11台半ばでどちらにも動きにくい様子で一日を終えました。
6月23日(金)
ドル円は全く動意の無い一日、一日を通してのレンジも27銭と完全に蚊帳の外といった状態での週末クローズとなりました。いっぽうユーロドルは底堅い動きを続ける中で、英国のEU離脱が早期合意を取り付けたいと、何ら合意の無い離脱(クリフエッジ)を回避できそうだとの思惑から、ポンド買いが進みそれに伴ってユーロも買われての週末クローズとなりました。
今週の予定(時刻表示のあるものは日本時間)
今週注目される経済指標と予定をあげてあります。影響が少ないものはあえて省いています。FRB地区連銀総裁講演の内、2017年FOMCメンバー(ニューヨーク、フィラデルフィア、シカゴ、ミネアポリス、ダラス)ではない地区連銀はカッコ付で示しました。わかりやすさ優先で、あえて正式呼称で表記していない場合もあります。
6月26日(月)
**:** シンガポール市場休場
08:50 日銀会合(15・16日)主な意見
13:20 (サンフランシスコ連銀総裁講演)
17:00 ドイツ6月ifo景況感指数
21:30 米国5月シカゴ連銀全米活動指数
23:00 米国5月耐久財受注
23:30 米国6月ダラス連銀製造業活動指数
6月27日(火)
07:45 NZ5月貿易収支
16:30 (サンフランシスコ連銀総裁講演)
16:30 英中銀総裁講演
22:00 米国4月ケースシラー住宅価格指数
23:00 米国6月消費者信頼感指数
23:00 米国6月リッチモンド連銀製造業指数
24:00 フィラデルフィア連銀総裁講演
26:00 イエレンFRB議長講演
**:** ダボス会議(〜29日)
6月28日(水)
06:30 ミネアポリス連銀総裁講演
15:45 フランス6月消費者信頼感指数
16:30 (サンフランシスコ連銀総裁講演)
22:30 カナダ中銀総裁講演
17:00 南ア5月CPI
23:00 米国5月中古住宅販売保留件数指数
23:30 米国週間原油在庫
6月29日(木)
10:00 NZ6月ANZ企業信頼感
15:00 ドイツ7月GFK消費者信頼感
18:00 ユーロ圏6月消費者信頼感確報値
18:30 南ア6月PPI
21:00 ドイツ6月CPI速報値
21:30 米国1〜3月期GDP確報値
21:30 米国新規失業保険申請件数
26:00 (セントルイス連銀総裁講演)
6月30日(金)
08:30 本邦5月CPI、6月東京区部CPI
08:30 本邦5月失業率、有効求人倍率
10:00 中国6月失業率
16:55 ドイツ6月失業率
17:30 英国1〜3月期GDP確報値
18:00 ユーロ圏6月CPI速報値
21:00 南ア5月貿易収支
21:30 米国5月個人所得。消費支出
22:45 米国6月シカゴ購買部協会景気指数
23:00 米国6月ミシガン大消費者信頼感指数確報値
7月2日(日)
**:** 東京都議会選
今週の週間見通し
それにしても全く動意の無い1週間でした。週間レンジも88銭と1円にも満たず、膠着しやすいドル円で、あまりニュースが無かったとは言うものの、完全に蚊帳の外となっていたと言えます。現状はポンドを中心に荒っぽい値動きとなっていることもあって、今週は四半期末で円絡みで大きな実需の動きでも無いと、レンジ相場を継続しやすい流れとなります。
今日は過去のもみあいの週がどの程度あったのかを調べることから始めます。1992年1月から約25年強のドル円の週間レンジの分布(全体で1329週)は以下のようになっていました。
最小37銭 2011年1月13日
50銭未満 上記を除いてなし
54〜66銭 9回
70〜79銭 23回
80〜88銭 7回
90〜99銭 19回
こうして見ると1週間の値幅が1円未満にとどまったのは、わずか59回と4.4%、先週の88銭レンジは過去25年強の中では、39番目に狭い値幅(下位2.9%)ということがわかります。
ちなみに値幅が広いほうでは、10円以上はわずか3回、最大は24円43銭(1998年10月9日)というのもありました。
今回は変動の狭い週の翌週に何か特徴的な動きが無いものかというところから調べたのですが、残念ながら、もみあいが継続する場合も値幅が広くなるケースも、双方があったことで、もみあいの翌週は動きやすいというような期待した結果も得られませんでした。
今週は細かな経済指標や講演はあるものの、方向性を決定づけるようなものも無さそうです。四半期末ということで実需関連の動きでも期待しないと、先週に続いて難しい週となってしまうかもしれません。こういう時は、トレンドを取りに行くトレーダーはあまり無理をしないのが一番です。
それではチャートをご覧ください。
5月高値と6月高値を結んだレジスタンスラインと同線に平行に引いた下降チャンネルの上限近くに位置しているのが現状で、距離が近いため抜けやすいと見ることも出来ますし、逆にドル買い材料一巡からチャンネルの下方向へと押しが入りやすいと見ることも出来ます。テクニカルにも、やや悩ましい感があるのですが、やはり円相場を取り囲む環境という点では、何ら状況に変化が無い中、ドルを買う材料よりも円を買う材料(リスクオフ)に反応しやすいという地合いにあると見ています。
果たして動きが出て来るのは月末を超えてからかもしれませんが、引き続き下方向への動きに注意しつつももみあいの流れを想定し、今週のドル円は110.50レベルをサポートに111.80レベルをレジスタンスと、もみあい継続の一週間を見ておきます。
ドル円(日足)チャート
このチャートは、ローソク足の足型をそのままに陰陽の着色のみ平均足と同様とすることで、短期的な方向性(緑=上昇、赤=下降)を見やすく加工した当週報独自のチャートとなっています。また、国内外で人気の高い一目均衡表を併せて表示することで上下のチャートポイントもわかりやすく示しました。トレンドラインは週初の段階で過去一定期間から自動的に表示される自動トレンドライン(無い場合もあります)となっています。
ディスクレーマー
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