先週の回顧
先週のドル/円相場は、ややドル高・円安で終了するも、1週間を通して動意に乏しい。実際、先週の価格変動は週間を通して、わずか1円強。これは、2015年12月27日週以来、実に1年半ぶりの小変動だった。
ここ数ヵ月、「荒れる月曜日の早朝」となることが多かったが、先週はじめの19日は平穏にオープン。前日に行われたフランス下院選で、「マクロン新党が議席7割に迫る見通し」と報じられたものの、すでに想定内のモノとの見方も多く、影響は限られた。
ただ、そんな19日・月曜日から翌20日の東京時間にかけてなかなかアクティブな動意をみせ、110.80-85円で寄り付いたのち、111.80円レベルまで1円程度値を上げる局面も観測されている。しかし、週間高値を記録後、ドルは冴えない値動きとなり、111円台前半を中心とした、極めて狭いレンジ内での一進一退に。動意らしい動意もないまま、週末のNY時間は111.25-30円で大引け、越週となった。
一方、週間を通した材料としては、週初に報道各社が報じた世論調査結果、「安倍内閣の支持率急落」、さらには日テレ系NNNや毎日新聞では「支持と不支持が逆転、不支持が支持を上回る」と報じられ、週の初めの円弱材料になっていた面を否めない。また、エバンズ・シカゴ連銀総裁から「17年の利上げが2回になるか3回、4回なのかまだ分からない」「非常に低い金利がリスクなしとは言えない」との発言が聞かれるなど、週間を通して米地区連銀総裁などから強気コメントが相次ぐと、それらもドルの支援要因に。
なお、それら以外の材料としては、「英のEU離脱交渉始まる」「仏パリやベルギー、米ミシガン州の空港などで自爆テロと思しき事件発生」−−などが挙げられている。
今週の見通し
前述したように、先週は記録的な小変動。また、時間足など短期のチャートを見ると、今月15日の欧米時間以降、すでに1週間以上も110.50-111.80円といったレンジ内に留まっていることがうかがえる。短期的な方向性は完全に喪失していると言ってよいだろう。
今後マーケット参加者が徐々に夏休み入りし、いわゆる「夏枯れ」することが予想されるだけに、先週ほどではないにせよ小動きが続くといった指摘も少なくないようだ。ただ、逆に「商いが薄いが故の荒れ模様」という展開に要注意である気もしないではない。
テクニカルには、前述したように過去1週間以上も推移している110.50-111.80円といったレンジ放れの方向にまずは注目だ。
ちなみに、週足・一目均衡表では、先行帯の雲が109.50-110.20円に位置し、現在非常に薄い状況であり、また来週にかけて、いわゆる「雲の捻じれ」が発生する見込みとなっている。そろそろ次の方向性が示されても不思議はない気もするのだが、果たして結果は!?
一方、材料的には、連日発表される米経済指標と、米地区連銀総裁などによる講演には今週も注意を要する。前者については、6月の消費者信頼感指数や1-3月期GDP統計確報などがとくに注視されており、予想を上回る内容が続けば素直にドル買いで反応するなどと言った指摘も聞かれていた。また、後者の米地区連銀総裁などの発言については、基本的に強気のコメントが見込まれており、ドルの支援要因との見方が有力だ。
それ以外では、他金融市場の動き、なかでも原油市場の動向を警戒する声が依然として多い。
そんな今週のドル/円予想レンジは、110.00-112.30円。ドル高・円安については、先週のドル高値である111.80円レベルの攻防にまずは注視。抜けると、高値114.38円を起点とした下げ幅のフィボナッチ61.8%戻しに当たる112.35-40円がターゲット。
対するドル安・円高方向は、週初は110.80-85円レベルに位置し、その後も緩やかな右肩上がりをたどる移動平均の200日線がサポートとして意識されそうだ。割り込むようだと、週足・一目均衡表の先行帯の雲の上限(110.15-20円)や、心理サポート110円ちょうど意識した展開か。(了)
オーダー/ポジション状況
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