<<東京市場の動き>>
20日の東京市場は、おおむねレンジ取引。一段高をたどるということはなかったが、111円台後半を中心とした高値圏での強保ち合いで、ドルの強さが目に付いた。
111.50円レベルで寄り付いたのち、しばらくはドルがじり高。前日の米株相場の上昇を受け、日経平均株価が年初来高値を一時上回ったことなどが好感され、クロスを含めた全般的な円安に寄与していたという。
ドルは日中高値である111.75-80円まで値を上げたが上げ渋ると、その後は111.50-80円といった30ポイント程度のレンジ内で一進一退に。なお、16時時点では111.65-70円で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料的には、エバンズ・シカゴ連銀総裁から「17年の利上げが2回になるか3回、4回なのかまだ分からない」「非常に低い金利がリスクなしとは言えない」との発言が聞かれ、それらもドル買い・円売りの支援要因に。
そのほか、独紙が「ツィプリース独経済相、米商務長官への書簡で鉄鋼輸入制限をけん制」と報じたうえ、発表された6月分の豪中銀議事録において「雇用と住宅市場に重点をおく」との見方が示されていた。
<<欧米市場の見通し >>
ドルの上値は重そうだが、それでも本日の東京時間に111円台後半まで上昇、112円台回復が視界内に捉えられてきた。ドル堅調推移の背景のひとつに、米地区連銀総裁などFRB関係者による強気のコメントが相次いでいることが挙げられ、そうした意味では本日もボストン連銀総裁やダラス連銀総裁の講演には要注意か。発言内容次第で、さらなるドル高値トライを否定できないかもしれない。
もっとも、強気コメントをかなりの部分織り込んで111円後半まで上昇しているだけに、多少のトーンダウンでもあれば、流れが一変する危険性もないではない。
テクニカルに見た場合、昨日「短期のドル抵抗」として取り上げた移動平均の75日線(111.40-45円)を、本稿執筆時では上回って推移している。と同時に、前日超えたかどうか微妙だった高値114.38円を起点とした下げ幅の半値(50.0%)戻しに当たる111.55-60円も超えてきた。リスクは上方向にバイアスがかかりそう。
なお、そんなドルの次の抵抗は111.80-112.25円に位置する一目均衡表の先行帯の雲であり、上限にあたる112.25円レベルは、前述した114.38円を起点とした下げ幅のフィボナッチ61.8%戻しにも合致する。しばらくは、同レベルが強い抵抗として意識されても不思議はない。
一方、材料的に見た場合、講演が予定されているボストン連銀総裁やダラス連銀総裁の発言に要注意。昨日のNY連銀総裁に続き、本日の東京時間も米地区連銀総裁から米利上げに関して強気のコメントが聞かれており、ボストンやダラス連銀総裁に対しても同様の強気コメントへの期待感が高いようだ。予断は許さないが、基本的に通貨当局者の発言はドルの支援材料と考えて間違いない気もしている。
そのほか、別途1-3月期の米経常収支発表や、ジョージア州連邦下院補欠選挙の決選投票などにも一応の注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、111.00-112.30円。ドル高・円安方向は、111.80-112.25円に位置する一目均衡表の先行帯の雲をめぐる攻防に注目。なお、雲の上限にあたる112.25円レベルは、5月24日の高値もそう遠くないうえ、ドル高値114.38円を起点とした下げ幅のフィボナッチ61.8%戻しにも合致するなど、なかなかの重要レジスタンスか。
対するドル安・円高方向は、しっかりと上回ってきた移動平均の75日線(111.40-45円)が最初のサポートであり、そのスグ下には一目均衡表の基準線が位置している。底堅いイメージもなくはない。(了)
オーダー/ポジション状況
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