豪州中銀議事録(2017年6月20日公表、6月6日開催分)

(出所:豪州中銀HPから)

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豪州中銀議事録(2017年6月20日公表、6月6日開催分)

豪州中銀議事録(2017年6月20日公表、6月6日開催分)

豪州中銀の金融政策の議事録内容を一部抜粋してお送りします。

(議事録要旨)
委員達はこの会合後に発表される豪州GDP(注:6月7日GDP発表、前年比+1.7%)について議論した。GDPは、12月末期と比べておそらく緩やかに成長しているとの見方を示した。その中身を見ると、消費は減速し、住宅投資は下落、資源輸出は伸びると予想している。名目生産高はこの四半期の貿易の強さから、成長を下支えしていると見ている。

3月末期の小売売上高の弱さは12月末期との比較で、消費の減速によるものと思われる。消費は年初から少しずつ改善しているものの、未だに上昇途上にいる。4月の小売売上高は大きく伸びた。ただ、低い家計所得と増加する個人債務により、先行きの消費を下方に向かわせるリスクを持っている。

労働市場は家計所得を改善させる重要な要因である。雇用は2017年に入り堅調に推移し、現状では改善ペースがこのまま継続すると予想している。但し、内容は不釣り合いなものを含んでいる。それはパートタイムの増加と総労働時間が落ちているからだ。4月に失業率は5.7%まで改善したが、より長い時間を働きたい人の数は減ってきている。また地域で大きく差異がでていることも注意が必要だと委員達は確認した。(地域差の内容は略)

また、委員達は若年層の雇用についても議論した。15歳〜19歳の割合が、教育・訓練・雇用で過去数年下落傾向にある。20歳〜24歳の割合では教育・訓練・雇用が増加となっている。
賃金指数は3月末期で+0.5%伸びた。これは低い水準で賃金の伸びが安定していることを示している。賃金はまだ暫く低いままで推移し、技術を持った専門職(賃金高い)の不足が報告されている。

住宅建設が3月末期では予想外に下落した。これは幾つかの州で悪天候の要因によると見ており、6月末期には回復すると思われる。
中古住宅の状況は国内で差異が生じている。シドニーやメルボルンでは非常に強い状態を保ち、パースやブリスベンなどの住宅市場の価格が下落している。住宅貸付は相対的に堅調推移を保っている。

ABS社の資本支出調査によれば、鉱山関連投資は3月末期に幾分増加した。5月期に下落すると予想していた中銀の見通しとは対照的になった。しかしながら、中銀の見通しでは、資本支出は鉱山関連投資の減少で、今後も下落傾向と予想している。非鉱山関連投資は増加すると予想している。

政府支出では、今後数年間で現金不足の予想は変わっていない。結果、近未来では豪州経済に与える影響は少ない。しかし、新たな大規模インフラ整備計画が発表されると思うが、その支出の大部分は2019年以降に起きる。

金融市場については、相対的に安定を保っている。(世界見通しは中略)
外国為替市場において、米ドルは貿易加重平均ベースでほとんど変わりなかった。最近は米国選挙まえの水準になっている。豪州ドルは貿易加重平均ベースで商品価格の下落により幾分安くなった。
委員達は世界的金融市場の状況は好ましい状況になっていることを確認した。豪州含めて、多くの国で社債の発行レートは下落した。多くの国の株式も2017年については上昇している。しかし、銀行株は一般的に下落傾向となっている。

金融政策に関して、中銀は融通性のある中期インフレ目標内に収めることを目指し、金融市場の運営を行うことに責任を持っている。過去において、金利は低い水準に保ち、委員会は鉱山関連ブームの終焉以降、経済成長を金融面から支えてきた。一方で、家計の借入状況や金融市場の安定について注意を払ってきた。
キャッシュレートの最近の決定に関して、委員達は世界の幅広い地域での経済改善や労働市場のタイト化がおき、いずれ賃金上昇などに反映していくことを確認した。多くの国で、商品価格の上昇を反映し、インフレ率は過去と比較して上昇した。それでもコアのインフレは依然低いままとなっている。

豪州国内では、3月末期のGDPは緩やかとなっているが、今後数年間では徐々にGDPが拡大し、年率3%越えると予想している。
委員達は雇用の伸びが最近拡大しているにも関わらず、総労働時間の減少や実質賃金の低下があったことを確認しているが、将来的には、賃金の伸びやインフレは経済拡大に連れて緩やかに上昇していくと予想している。低い賃金の伸びや家計債務の拡大により、現在の消費が抑え込まれていると見ている。
また低金利が経済を支え、2013年以降の豪ドル安も貢献した。豪ドル高はこれらの調整を複雑にしてしまう。

以上の状況を鑑み、委員会はキャッシュレートを1.5%のまま据え置きを決定した。
(要旨以上)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。

豪ドル/米ドルは議事録公表前0.7590米ドル付近で推移していましたが、公表後は時間をかけて0.7605米ドル付近まで小幅高となっています。
昨日は全般的に米ドルが堅調地合いとなり、豪ドルも小緩んだ感じですが、0.7580〜90米ドルのサポートに支えられました。ここを維持している限りは0.7670〜80米ドルを試せる流れにいます。逆にサポートを切ると0.7520〜30米ドルまでの押しが見られそうです。
尚、議事録自体は過去の内容と大差なく、将来の豪州経済拡大には自信を持っており、かつ豪ドル高懸念にも過去同様に言及しています。先行き経済の拡大で豪ドル安は考え難いので、緩和見込みが薄くなった現在豪ドル高方向へ動き易くなっています。(6月20日14時50分、1豪ドル=0.7605米ドル)

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