結果としてドル続落、109円割れトライも
7日の東京市場は、一時ドル高に振れるも、「行って来い」。寄り付き後ドルはじりじりと値を上げたが、最終的に寄り付きと近いレベルで大引ける結果となった。
109.35-40円で寄り付いたのち、ドルはじり高で推移し、午後には109.60円台まで値を上げた。日経平均株価を横目に睨んでの展開で、前日比28円安で寄り付いたものが、一時プラス転、加えて2万円の大台を回復する局面があったことなどが好感されていたという。
しかし、そんな日経平均株価も終わってみれば前日比4円高、2万円の大台回復はならず。為替も高値記録後は再びドル売り・円買いが優勢となり、109.30円前後まで再び値を下げると、16時時点では寄り付きレベルとほぼ同じ109.30-35円で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料的には、トランプ政権に関するものが幾つかまとめて報じられていた。
一例を挙げると、米ABCニュースが「セッションズ米司法長官が辞任を示唆」、また「米上院外交委員会において、ハガティ次期駐日米大使の指名人事で7日に採決する」、あるいはBBCがジョンソン英外相の発言として「トランプ米大統領の英訪問について、中止の理由はない」−−などと報じている。しかし、いずれもマーケットの反応はいまひとつだった。
<<欧米市場の見通し >>
明8日は注目材料が集中し、今週のヤマ場とみられていた。筆者も動くとすれば8日だろうと予想していたのだが、そんな8日の重要材料発表前に、ドル/円は110円の大台をしっかりと割り込み109.20円台まで下落している。テクニカルにも、年初来のドル安値108.13円が薄らとだが視界内に捉えられた感を否めず、ドルの続落には注意を払いたい。
ただし、短期的には下落スピードも速いだけに、明日の材料を控えた調整の動きから一時的にドルが反発に転じる可能性もある。
テクニカルに見た場合、4月24日に空けたギャップ109.10-60円を現在埋めにかかっているが、惜しいところで完全に埋めきったわけではない。最後の一押し、109.10-20円程度にわずかに空いているギャップをめぐる攻防にまずは注視。割り込むようだと、移動平均の52週線が位置する108.70円レベル、あるいは年初来安値の108.13円などがターゲットとなりそうだ。
一方、材料的に見た場合、昨日に続き本日もそれほど大きな要因が見当たらない。米経済指標や地区連銀総裁による講演などの発表も、とくに予定されていないようだ。明日に注目材料が集中していることを考えると、材料面から見た場合、本日はやや動きにくい雰囲気も。
しかし、株価や金利、原油価格などほかの金融市場の動きは要注意であるうえ、米政治ファクターには引き続き注意を払いたい。ちなみに、後者との絡みで言えば、ロイターが「上院情報特別委員会で、コーツ国家情報長官やローゼンスタイン司法長官、マケイブFBI長官代行らが7日に証言する」と報じていることなどは気掛かりだ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.70-110.00円。ドル高・円安方向は、本日東京時間のドル高値である109.60円前後が最初のターゲットで、超えた場合には110円レベルを目指す展開が予想されている。
対するドル安・円高方向は、109.10-20円レベルにわずかに空いているギャップをめぐる攻防にまずは注意。割り込むようだと移動平均の52週線が位置する108.70円レベル、年初来ドル安値108.13円などが視界内に捉えられそうだ。(了)
オーダー/ポジション状況
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