<<東京市場の動き>>
30日の東京市場は、ドル安・円高。一時は110.80円を割り込み、5月18日以来のドル安値を記録する局面も観測されていた。
111.20-25円で寄り付き、しばらくは揉み合いも、仲値決定(午前10時)前後に突然ドルは急落。111円を割り込むと、本日安値の110.78円レベルまで一気に値を下げた。前日比ほぼ同水準で寄り付いた日経平均株価が、一時100円を超す下げ幅となったことなどが嫌気されていたという。
その後は、若干持ち直すも111円前後では上値が重く上げ渋る値動きで、110.80-00円といった20ポイント程度のレンジ内での揉み合いに。16時時点では、110.85-90円で推移し、欧米時間を迎えている。
材料的には、北朝鮮が映像を公開するとともに、「新しい弾道ミサイル発射実験に成功と発表した」との報道や、朝鮮中央通信が「北朝鮮、日本の在日米軍基地以外の攻撃を示唆」と伝えるなど、北朝鮮に絡むものが目に付いた。大きなインパクトはなかったが、それでも地政学リスクの高まりに繋がり、円買いを支援していた感を否めない。
なお、それとは別に、英スカイニュースがメイ英首相へのインタビューとして、「EUからの離脱をめぐる交渉は、合意内容が十分でなければ、合意なしに離脱する用意がある」と報じたことを受け、ポンドが大きく値を下げている。ポンド/円は東京時間だけで1円を超える下げ幅だった。
<<欧米市場の見通し >>
ドル円は円高ドル安方向にややバイアスか
大きな意味ではレンジ内だが、過去1週間以上もドルのサポートとして寄与してきた110.80円レベル割れをうかがう様相を呈している。これまで111円台を中心とした一進一退で明確な方向性は乏しかったが、ドル安方向にややバイアスがかかってきたのかも知れない。
ただ、110.80円レベルをしっかり割り込んでも18日安値の110.24円では一旦下げ止まる展開か。110円を割り込むには、材料不足との指摘も聞かれている。
テクニカルに見た場合、引き続き一目均衡表においては先行帯の雲の中(110.10-111.80円)の値動きで、いまだ方向性は乏しいまま。しかし、前回安値110.24円を起点としたフィボナッチでは、61.8%押しをすでに下回って推移しており、全戻し(100%戻し)も視界内に捉えられている。そのため、心理抵抗である110円を含む110円ちょうどから前半の攻防を早くも警戒する声は少なくない。
円高方向は110.24円の攻防に注目
一方、材料的に見た場合、4月の個人所得や同個人支出、5月の消費者信頼感指数といった米経済指標が発表されるほか、ブレイナードFRB理事の講演も予定されており、それらにまずは要注意。
また、依然としてくすぶり続けているトランプ米大統領の「ロシアゲート」問題だが、注目要因であるコミー前FBI長官の議会証言は、早ければ5月30日前後(遅ければ6月5日以降!?)にも実施されることで、新たな疑惑追及報道を含め、再びマーケットの波乱要因として脚光を浴びる可能性もある。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.30-111.50円。ドル高・円安方向は、一目均衡表の転換線が位置する111.15-20円が最初の抵抗で、抜けた場合には111円半ばや112円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、直近安値110.24円の攻防にまずは注視。割り込んだ場合には心理サポートである110円ちょうどの攻防となりそうだ。(了)
オーダー/ポジション状況
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