<<東京市場の動き>>
25日の東京市場は、おおむね揉み合いだが若干ドル高。終日を通した値幅は30ポイントにも満たない小幅なものに留まったものの、「早朝安・大引け高」の展開で、ドルは小高いレベルで引けている。
111.45-50円で寄り付いたものの、終日を通して動意乏しく、目立った方向性はなし。実際、本日の値幅は大雑把に111.50-111.75円で、形成レンジは30ポイントにも届かなかった。ただ、乏しい値幅のなかでも、ジワリと下値を切り上げる値動きで、チャート的には「早朝安・大引け高」。夕方にかけて一日のドル高値である111.70円台を記録し、16時時点でもほぼ同じレベルで推移、ドルは小高いまま欧米時間を迎えている。
そうしたなか、材料的には、カプラン・ダラス連銀総裁から「今年3回の利上げが自身の基本シナリオ」との発言が聞かれたが、マーケットの反応は限定的。
また、米CNNが「米司法長官がロシアとの接触を未申告、特別検察官による捜査の対象になる可能性」、共同通信も「フランス大統領側近に疑惑、下院選前に週刊紙報道」−−などと報じ、新たなスキャンダルの発生が懸念されたものの、やはり影響は限られたものに留まっている。
<<欧米市場の見通し >>
過去3営業日ほど推移していた111.70-80円レベルを上限としたボックス圏は上抜けてきた感があるものの、上値は重く、112円台への定着がなかなか出来ていない。つまり、現段階では、110.80-111.80円といったかつての形成レンジから大きく外れてはおらず、むしろ前述のボックス圏が50ポイントほど上方修正したに過ぎない気もしている。さらなるドルの高値トライを狙うなら、早いタイミングで明確に112円台に乗せてくるという勢いを示したいところだ。
テクニカルに見た場合、引き続き一目均衡表の先行帯の雲の上限(111.80円レベル)に絡む推移を続けており、クリアには超えられていない。まずは、同レベルの攻防が注視されるが、過去1週間程度の小動きもあってか、移動平均や一目均衡表など複数チャートで見たテクニカルポイントが111-112円台の極めて狭いボックス内に集中している。とくに112.00-10円には移動平均の25日や75日線、一目均衡表の転換線などが集まっており、ドルの上値を強く抑制する抵抗になる可能性も取り沙汰されていた。抜ければ、5月高値114.38円を起点とした下げ幅の半値(50.0%)戻しにあたる112.30円レベルがターゲットに。
一方、材料的に見た場合、週間ベースの米新規失業保険申請件数など幾つかの米経済指標が発表されるものの、正直関心は低め。
それより、OPEC総会や明日から始まるG7首脳会議など、国際的な政治イベントに対する警戒感が強い。ちなみに、一連の国際会議については、「どういった合意がなされるのか」という会議の内容は当然のように注目されているが、それ以外、先日英国のコンサート会場で自爆テロが発生したこともあり、「会議を狙ったテロ発生」などを懸念する声も高まっているようだ。また、それら以外ではトランプ政権をめぐるゴタゴタに関する続報などにも一応要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、111.20-112.30円。ドル高・円安方向は、前述したように一目均衡表の転換線や移動平均の75日線が位置する112.00-10円、前述したフィボナッチの観点で重要な112.30円などの攻防が注視されている。
対するドル安・円高方向は、一目均衡表の基準線が位置する111.50-55円が最初のサポーとで、111円前後では底堅そうで、大きく崩れるイメージには乏しい。(了)
オーダー/ポジション状況
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