豪ドル/円、上値余地を探る動き。下値リスクを残した状態。中期トレンドは弱気。
オーストラリア経済に大きな不安材料がない中で、先週はトランプ大統領の機密情報の漏えい問題に絡んだリスクオフの動きが強まり豪ドル円は81円台まで急落しましたが、この問題の調査結果に時間がかかることや、大統領の弾劾まで及ばない可能性が高いこと、アメリカ経済が好況を維持していることから、株式市場の反発に連れて為替市場にも安心感が広がり、豪ドル円も82円台の中期的な下値抵抗に支えられて上昇に転ずる動きとなっています。
チャートを見ると、日足は4手連続陽線引けとなり、5/18に付けた81.77で一旦底打ち、反転の流れに入っていますが、機密漏えい問題で急落した5/17の大陰線の値幅を上抜けるには至っておらず、下値リスクを残した状態です。この日足の上値抵抗は84.00-10にあります。一方で81.80〜82.00ゾーンは中期的に見ても強い下値抵抗ポイントであることや、4/19に付けた81.49と5/18の81.77で短期的な二番底を確認した形となったことから、82円割れで終えない限り、下値余地も拡がり難い状態です。現状は21日移動平均線が83.57に位置しており、これをしっかり上抜けきれていませんが、84.50超えで越週出来れば下値リスクが軽減されます。
一方直近の週足は、上下にヒゲのある実体の小さい陰線引けとなり、続落に繋げられずに越週しました。この足の下ヒゲがやや長く、下値トライにも失敗して越週したことから、今週は反発余地を探る動きが先行していますが、84.50-60に週足ベースで見た強い上値抵抗があり、これにぶつかる可能性に注意が必要です。また、これを上抜けて越週した場合でも、2/15に付けた88.16を起点とする短期的なレジスタンスラインの上値抵抗が85.90-00近辺に位置しており、豪ドル急伸にも繋がり難いと見られます。逆に、上値トライに失敗して82円割れで越週した場合は、一段の下落リスクに注意が必要となります。今週の週足の上値抵抗は前述の84.50-60と85.90-00に、下値抵抗は82.90-00、82.00-10にあります。31週移動平均線は84.39にあり、上値抵抗として働く可能性を示していますが、62週移動平均線は81.74にあり、先週の下値トライでもこれに跳ね返されています。しかし、31ヵ月移動平均線は86.38にあり、中期トレンドは豪ドル弱気の流れに変化が認められません。
豪ドル/円【週足】:(5/24現在31週移動平均線は84.39にあり、これを下抜けて一段の下落リスクが点灯中。62週線は81.74にあり、これに跳ね返されて上値余地を探る動きが継続中。)
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