<<東京市場の動き>>
ドル円一進一退、112円にワンタッチ
24日の東京市場は、ややドル高だがおおむね揉み合い。終日を通して111円台後半を中心とした一進一退で、それほど強い方向性はうかがえなかった。
111.75-80円で寄り付いたものの、動意乏しく、上下とも値幅は限定的。実際、本日の値幅は大雑把に111.70-112.00円といった30ポイントほどのレンジ相場で方向性に欠けた。ただ、一時112円台をワンタッチしたほか、16時時点では111.85-90円と寄り付きを上回るレベルで推移するなど、ドルは小高いまま欧米時間を迎えている。
材料は多いが反応薄く
前述したように、値動きそのものは乏しかったが、反面で材料はなかなか豊富。
一例を挙げると、日銀主催のコンファランスで講演を行ったバーナンキ前FRB議長や黒田日銀総裁から複数の発言が聞かれたうえ、有力格付け機関であるムーディーズによる「中国格下げ」、前日に発生したテロを受けた「英国がテロ警戒を最高レベルに引き上げ」−−などが市場で話題となっていた。しかし、材料が多いが故に、逆に焦点が定まらなかった感もあり、結果として市場変動にはつながらなかったのかもしれない。
<<欧米市場の見通し >>
予想外のボックス圏上抜けか?
大きな意味では、依然としてレンジ内で推移しているものの、過去3営業日ほど推移していた111.70-80円レベルを上限としたボックス圏は上抜けてきた。そもそも、レンジを抜けるとすれば下方向、とみていただけに裏をかかれた格好で、正直予想外の値動きだ。ともかく、このままドルは本日以降も続伸し上昇基調をたどるのか、それとも再び失速、やはり「居心地の良い」110-112円に戻るのか、動静をしっかりと見極めたい。
テクニカルに見た場合、昨日のNY終値では回復が微妙だった一目均衡表の先行帯の雲の上限(111.80円レベル)を本稿執筆段階では上回って推移している。現在の勢いを保持し、NY終値でも雲の上限を超えたレベルで大引けることが出来るのかどうかに関心を寄せる向きも少なくないようだ。
なお、そんなドルの次の上値メドは、足もと5月高値114.38円を起点とした下げ幅の半値(50.0%)戻しにあたる112.30円レベルか。抜ければ113円台回復も見えてくる。
欧米時間のドル/円予想レンジ111.20-112.30円
一方、材料的に見た場合、発表される4月中古住宅販売件数のほか、5月2-3日実施されたFOMC議事録の内容にまずは要注意。とくに後者は、6月FOMC会合での米利上げがほぼ確実視されるなか、それを裏付けるような内容が示されるのかどうかがポイントになると予想されている。
また、それら以外ではトランプ政権をめぐるゴタゴタが続いていることや、週末G7首脳会議を前に外遊中であるトランプ米大統領の一挙手一投足にも注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、111.20-112.30円。ドル高・円安方向は、一目均衡表の転換線や移動平均の75日線が位置する112.10円レベル、前述したフィボナッチの観点で重要な112.30円などの攻防に要注意。
対するドル安・円高方向は、一目均衡表の基準線が位置する111.35-40円が最初のサポートか。ただ、割り込んでも110-111円台にサポートは多く、底堅いイメージだ。(了)
オーダー/ポジション状況
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