<< 東京市場の動き >>
ドル円「早朝安・大引け高」
週明け15日の東京市場は、ドル高・円安。とくに、夕方にかけてのドル高進行が目に付く値動きで、終日を通してはおおむね「早朝安・大引け高」の展開だった。
ここ1ヵ月ほど、週明け月曜日お決まりのパターン。週末14日、北朝鮮によるミサイル発射を受けた地政学リスクの高まりもあり、時間外取引から円買いが優勢で、今週も上方向にギャップを空けて寄り付いている。
先週末のNYクローズ113.35円レベルに対し、本日は113.10-15円でオープンしたものの、リスク回避の円買いは続かず。むしろ、短時間で逆に円売りが優勢になると、ギャップを埋めただけでなく、さらなるドル高・円安が進行した。夕方にかけては113.60円台まで値を上げ、16時時点でも113.60-65円のドル高値圏を維持したまま、欧米時間を迎えている。なお、週末に発表されたG7財務相・中銀総裁会議の声明は、為替に関する目新しい内容が盛り込まれず、新味に乏しかった。
原油先物は堅調推移、資源国通貨にドル円もつれ高
しかし一方、ロシアとサウジアラビアの石油相が石油輸出国機構(OPEC)の減産合意の9ヵ月間延長を支持したことを受け、NY原油が時間外取引で堅調推移。それもあり、カナダドルや豪ドルなどの上昇が目に付く展開となるなか、ドル/円も連れ高推移となった面も観測されていた。
<< 欧米市場の見通し >>
115円ブレークをうかがうようなドル高・円安の流れは一服。北朝鮮情勢に端を発した地政学リスクの再燃や、FBI長官解任を背景とした米政権に対する不信感の高まり、などが足もとのドル一段高に歯止めをかけている感を否めない。
とは言え、現状、ドルが大きく下落するイメージにも乏しく、113円台などでドルは強保ち合い、時間調整の様相を呈する結果となる可能性もある。
テクニカルに見た場合、先週末にレポートした「年初来安値108.13円を起点にした上昇チャンネル」は、下限をNYクローズでも早々に割り込んできた。ドル高という流れが変わったとまでは言えないが、短期的には調整が入りやすい足形と言えるかもしれない。113.05-10円に位置する一目均衡表の転換線、ならびに112.80円レベルの同・先行帯の雲の上限を下回れば、下値は一時的に波乱含みとなる危険性も一部で取り沙汰されていた。
なお、それに対するドルの上値メドは114円レベル、そして114.35-40円、115円レベルなどとなる。
一方、材料的に見た場合、5月のNY連銀製造業景況指数など発表される米経済指標にまずは要注意。先週末に発表された4月の米小売売上高がまさかの低調、6月のFOMCにおける利上げ観測を揺るがすものであっただけに、本日発表の米指標への関心がにわかに高まっている。本日の指標も低調な内容に留まるようだと、さらなるドル安が進行する公算も大きく、数字如何では波乱要因となりかねない。
また、それとは別に明日の米下院情報特別委員会の公聴会をにらんだ米議会の動きや、週末に行う初外遊や来週のG7首脳会談といった重要政治イベントを前にしたトランプ米大統領の発言などに注意を払いたい。
欧米時間のドル/円予想レンジは113.00-114.20円
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、113.00-114.20円。ドル高・円安方向は、まず114円前後の攻防が注視され、抜ければ時間足ベースなどでダブルトップの様相がうかがえる114.35-40円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の113.10円レベルが最初のサポートか。ちなみに、このレベルは前述したように一目の転換線も位置しているなど、なかなか底堅いイメージだ。(了)
オーダー/ポジション状況
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