東京市場は狭いレンジの動き
9日の東京市場は、ドル高・円安。ただ、値動きそのものはさほど大きくなく、終日を通しても40ポイントほどのレンジに留まっている。
前日のNY市場で113円台をしっかりと回復した流れを継ぎ、113.20-25円で寄り付いたのち、緩やかなドル高が継続する展開に。一度も113円を割り込むことはなく、113円台前半でドルはじり高に推移すると、終盤にかけてテクニカルポイントの113.40円を突破する局面も観測されていた。結局、16時時点でも113.45-50円と、ドル高値圏を維持したまま欧米時間を迎えている。
材料的には、黒田日銀総裁から「現在の金融緩和を続ければ2018年度ごろ、物価は2%に達する」、麻生財務相から「G7では幅広い分野で率直な議論を期待」との発言が聞かれたものの、ともに影響は限定的。
また、発表された豪小売売上高が予想を下回る内容となったことで一時豪ドルが急落、右往左往するなか、最終的に日経平均株価は前日比52円安で大引けたが、これらを受けた円買いの反応も限られたものにとどまった。
重要なチャートポイントを抜け、欧米市場でドル一段高も
引き続き基本的なリスクはドル高・円安方向。ドル高値118.66円を起点とした下げ幅の半値(50.0%)戻しに当たる113.40円をクリアに超えてきたことで、テクニカルにもさらなるドル高の進行を否定できなくなった。名実ともに115円が視界内に捉えられた感も否めないようだ。
しかし、根強い地政学リスクをはじめ、懸念材料もないではなく、もっとも注意をすべきはトランプ米大統領など要人からの「ドル高けん制発言」かもしれない。
テクニカルに見た場合、ポイントとしてみられていたひとつが、前述したフィボナッチの観点。これは前述したように上抜けてきたが、実はもうひとつのポイントもあり、それはドル高値118.66円と前回高値115.51円を結んだ下降トレンドラインとなる。後者は大雑把に言って、113円前後に位置していたのだが、昨日の欧米時間から本日の東京時間にかけて、こちらもしっかりと超えてきた。トレンドがドル高方向へと転換した可能性もある。
ポジションの偏りだけは気掛かりだが、チャート的にもドルの続伸が予想され、やや時間を掛けつつも115円台に向けた値動きをたどる公算が大きいと見られている。
一方、材料的に見た場合、引き続き米地区連銀総裁による発言をまずは注視。前日のNY時間にも同様に連銀総裁の発言が報じられ、それが思いのほかマーケットにインパクトを与えていた。本日も同じような強気の発言が聞かれるのか、そしてそれがドルの買い要因となるのか、ドル堅調地合いだけに注意を払いたいところだろう。
また、それ以外となるとNYダウや原油価格、米金利など他市場の動きも一応要注意。さらに、ロイターは、伊当局者によるものとして「G7財務相会議声明で通商問題扱わず」と報じているが、今週後半から重要な政治イベントが続くことで思惑を呼び、トランプ氏を中心とした各国要人の発言がマーケットの波乱要因となる可能性もある。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、112.90-114.10円。ドル高・円安方向は、ドル高値115.51円を起点とした下げ幅の76.4%戻しに当たる113.75-80円が最初の抵抗だが、超えた場合には114円台に目立ったテクニカルポイントは見当たらず、ドルは115円へと向けて予想以上に上昇しても不思議はない。
対するドル安・円高方向は、昨日NY時間に上抜けたあと、ほぼ割り込むことのない113円レベルが強いサポートか。かなり底堅いイメージだが、ポジションが偏ってきているだけに、一旦崩れだすと早い、可能性も取り沙汰されていた。(了)
オーダー/ポジション状況
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