直近高値突破、3月10日高値への揺れ返しか?(5/9)

フランス大統領選挙の決選投票速報で中道派マクロン氏当確となり、ユーロが一時上昇、ドル円も113円に迫るところまで上昇したが、

直近高値突破、3月10日高値への揺れ返しか?(5/9)

<概況>

フランス大統領選挙の決選投票速報で中道派マクロン氏当確となり、ユーロが一時上昇、ドル円も113円に迫るところまで上昇したが、材料としては市場の予想通りという事もあり、反応は一時的なものに留まった。日中時点では113円越え及び5月4日高値越えへ進めず、ロンドン市場序盤にかけては112.39円まで下げたため、その時点では5月4日夜高値と5月8日朝高値によるダブルトップ形成からの弱気転換となる可能性もあったが、米国市場時間からの上昇で113円越え、5月4日高値越えへと進んだため、ダブルトップ破りによる一段高開始となった。
フランス大統領選挙速報後のリスクオン心理から日経平均が大幅上昇したが、ドル円は日本株高には付き合わなかった。リスクオンでの円安期待はあったものの、一方では米国による対日貿易赤字問題への批判的な対応等、円安進行に対する牽制感があったためだろう。
米国市場時間では米長期債が下落、利回りは上昇となり、米日の10年債利回り格差拡大により円安ドル高へ進む根拠を得て上昇、高値更新となっている。

             日米10年債利回り格差

             日米10年債利回り格差

【リスク回避感の後退、米利上げ接近による円安ドル高】

先週5月4日未明のFOMCは現状維持であったが従来の姿勢も維持される声明文だった。また5日夜の米雇用統計が予想を上回る良好さだったこと、週末に相次いだ地区連銀総裁らの発言等を踏まえ、8日時点での市場予想としては、6月FOMCでの利上げ確率が80%程度とされている。6月利上げを含めて年2回の利上げ、年後半にはバランスシートの縮小も始まる可能性が高まってきた事に加え、トランプ政権が超長期債発行に前向きであるとの報道も長期金利上昇圧力となってきている。こうした米長期金利の上昇と米日の長期債利回り拡大という材料的な土台があるとドル円も上昇しやすい。
北朝鮮情勢を巡っては米朝対話の可能性も報じられる等、一時の一触即発的な緊張感が緩んでいる。この問題はいつまたステップアップした危機感が噴き出すかも知れないが、ひとまずは落ち着いている。新たな核実験強行とそれに対するトランプ大統領の激怒的攻撃的な発言等がみられない限りはひとまず材料的には脇に置いておくところだろう。


4月17日に108円割れを試したが回避、その後はジリ高となり、翌週24日早朝は仏大統領選挙第一回投票速報で上昇して週末まで高値圏を維持した。5月1日からもほぼ1週間の上昇基調を維持した。この3週間、週明けから週末にかけての上昇継続というパターンが続いているが、今週も週明け夜間での高値更新により、週後半へ向けて上昇基調継続となりやすい環境だと思われる。



【一目均衡表分析:年初からの下降トレンド抵抗線突破】

【一目均衡表分析:年初からの下降トレンド抵抗線突破】

昨年12月15日高値と今年1月3日高値をダブルトップとしてドル円は下落してきた。1月3日高値と中間反騰時の3月10日高値を結んだラインが下降トレンドの抵抗線であったが、昨晩の上昇でこの抵抗線を上抜いてきている。リスク回避による円高のボトムが4月17日安値であり、その後の反騰はリスク回避感後退による揺れ返しの上昇という印象だが、揺れ返しで戻るべき水準としての第一関門であった3月31日高値を超え、さらに続伸してきたことにより、揺れ返しの上値目標としては3月10日高値115.50円前後まで切り上がってきた印象だ。
115円前後には、1月19日高値115.62円、2月15日高値114.95円、3月10日高値115.50円等があり、1月後半からの重要な抵抗線となってきた。この水準を試す動きとなっている可能性を考えておきたい。
もちろん、リスク回避感の後退、米長期金利上昇という二つの要因が上昇の推進力であり、111円台を維持する内は上昇継続とみるが、この推進力が薄れて111円割れしてくる場合は弱気転換、下げ再開の可能性が疑われる。

60分足の一目均衡表では昨夕の下落で一時的に先行スパンから転落しかけたが切り返して一段高した。遅行スパンは8日朝からの好転(実線を上回る状況)を維持してきている。このため、両スパンが揃って悪化しない内は上昇基調継続とみる。下値支持線を26本基準線(112.85-90円)から先行スパン(112.60円)前後までとし、上回る内は上昇継続と仮定し、5日安値への下落が凡そ1円幅だったため、4日高値に1円加算した114円到達が当面の上値目処と考える。(了)<9:40執筆>

【5月9日から10日の予定】

5月9日
22:00 米 カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁講演
23:00 米 3月卸売売上高

5月10日
02:00 米 ローゼングレン米ボストン連銀総裁講演
05:15 米 カプラン米ダラス連銀総裁、講演
08:50 日 日銀・金融政策決定会合における主な意見(4月26-27日開催分)
10:30 中 4月消費者物価指数 前年比 (3月 1.0%)
10:30 中 4月生産者物価指数 前年比(3月 8.0%)
20:00 欧 ドラギECB総裁、講演

オーダー/ポジション状況

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