112円のボックス上限抜け、奏功するか!?(5/2)

2日の東京市場は、ドル高・円安。終盤にかけては重かった112円の壁をしっかりと越えてきた。

112円のボックス上限抜け、奏功するか!?(5/2)

<< 東京市場の動き >>

2日の東京市場は、ドル高・円安。終盤にかけては重かった112円の壁をしっかりと越えてきた。ただ、値幅そのものは決して大きくはなく、終日を通しても40ポイント程度に留まっている。

111.80-85円で寄り付いたが、しばらくは動意も乏しく揉み合い。111.80-112.00円といった極めて狭いレンジ内での膠着相場をたどっていた。しかし、日経平均株価が100円を超える上昇をたどるなか、為替市場も明日からの連休をにらんだポジション調整の円売りが徐々に優勢となると、112円をついに突破。一時112.20円近くまで値を上げ、16時時点でも112.15-20円と一日を通したドル高値をキープし、欧米時間を迎えている。

なお、材料的には、読売新聞朝刊が「北朝鮮に対する経済政策を強化するため、日米韓のほか英独仏やEUなどが、ソウルで2日にも事務レベル会合を開くことが分かった」と報じたほか、米国の北朝鮮研究機関「38ノース」が、最新の衛星写真をもとに「潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射実験を行う船が確認できた」ことを明らかにするなど、地政学リスクを喚起させるようなニュースも観測されていたものの、為替市場に目立った影響は見られなかった。

<< 欧米市場の見通し >>

ここ最近は、若干ユーフォリア的な円安の進行だ。北朝鮮リスクなどが依然として顕在していることが気掛かりなのだが、足もとのリスクは逆にドル高・円安方向にバイアスがかかりそう。まだ抜けたとは言えないものの、110-112円というボックス圏を上抜きにかかっているだけに、さらなるドル高の進行には注意を払いたい。

テクニカルに見た場合、前日に111.80-85円の抵抗を超えたことに続き、本日は112円の壁を抜けてきている。本稿執筆時には3月31日高値の112.20円を抜けてはいないが、その直前にまで迫る局面も観測されており、超えていくのは時間の問題か。しっかり抜ければ、次のターゲットは3月高値115.51円を起点とした下げ幅のフィボナッチ61.8%戻しにあたる112.70円となるなど、ドルの一段高に向けた新たなステージへと入ることになりそうだ。
なお、一目均衡表においては、先行帯の雲の下限が112.30-35円まで切り下がってきていることから、ザラ場ベースの動きはもちろんのこと、NY終値についても一応要注意。

一方、材料的には、明日まで実施される米FOMCなどに要注意だが、注目要因はさほど多くない。と言うより、米雇用統計の発表そのほか、大きな関心事項はおおむね明日以降に集中していることから、材料面としては動きにくいイメージだ。
ただ、一部では日米など内外金利差の話が指摘されるなど、米株を含め他の金融市場の動きを警戒する声も少なくない。材料以上に、それらの動きによって為替市場が大きく動く可能性もある。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、111.40-112.50円。3月31日高値の112.20円を超えられてはおらず、まずは同レベルをめぐる攻防が注目される。ただ抜ければ、移動平均の75日線なども位置する112.70円レベルを目指す展開か。
対するドル安・円高方向は、東京時間に超えてきた112円が最初のサポートで、その下は20ポイントおきに弱いサポートが存在している。しかし、ドルの下値はかなり堅そうで、トランプ米大統領からの「口先介入」でもない限り、短期的には111円割れも予想しにくい。(了)

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