<< 東京市場の動き >>
週明け1日の東京市場は、ドル高・円安。終盤にかけて強い抵抗である111.80円レベルを上抜くと、一時112円に迫る値動きをみせた。
先週末のNY市場を111円台半ばで大引けるなか、週明けは111.20円レベルで寄り付いた。つまり、上方向に30ポイントほどのギャップを空けてオープンしたことになる。先週末に北朝鮮が弾道ミサイルを発射したとの報道があり、地政学リスク再燃観測なども聞かれ、薄商いのなかリスク回避の動きが活発だったようだ。
しかし、そうした流れも長くは続かず。切り返すと、その後は一貫してドル買い・円売りが優勢。東京午後に入ると111.90円台まで値を上げ、直近の戻り高値を更新した。16時時点でも111.80-85円とドル高値をキープし、欧米時間を迎えている。
なお、材料的には、ブルームバーグが「米共和党と民主党は議会で9月30日までの総額1兆1000億ドルの包括的歳出法案で暫定的合意に達した」と報じ、これが好感されドルの買い要因に。また、「安倍首相とトランプ米大統領が電話会談実施」との一部報道もあったが、こちらは目立った影響が見られなかった。
<< 欧米市場の見通し >>
本日のアジアタイムは中国のほか香港、韓国、シンガポールなどが休場となるなか、ドルが上値を試す展開となっている。このあとの欧州時間も主要国の株式市場が休場となるだけに、基本的には動きにくい雰囲気だが、アジアタイムのような「薄商いが故に荒れやすい」値動きには注意が必要かもしれない。
テクニカルに見た場合、前回高値にあたるだけでなく、3月高値115.51円を起点とした下げ幅の半値(50.0%)戻しにあたる111.80-85円を本日の東京時間に上抜けてきた。次のターゲットは、3月31日高値の112.20円レベルで、抜ければ新たなステージへと入る可能性もある。
テクニカルに見たリスクは、基本上向きなのだが、若干気掛かりなのはドル/円の時間足や日足などのチャートを見た場合、安値108.13円を中心として綺麗なシンメトリー(左右対称形)を形成している感がうかがえること。仮に、この見方が正しければドルの上値は目先限定的であるばかりか、再び110円程度までの下押しが入っても不思議はなさそうだ。
一方、材料的には、4月のISM製造業景況指数など発表される米経済指標にまずは注目。今週はFOMCや米雇用統計の発表など、明日以降に注目材料が多いこともあり、材料面としても動きにくいイメージだが、前述したように欧州時間を中心に参加者が乏しく流動性の低下が予想されることから、思わぬ上下動などには逆に注意が必要という気もしている。
また、それ以外では本日かどうかわからないが、「週の前半にも」9月末までの米予算案をまとめることで合意した、とされていることで、米議会の動静にも一応要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、111.20-112.50円。ドル高・円安方向については、何度もレポートしているように112.20円レベルをめぐる攻防が最大のポイントに。抜ければ、ドル高値115.51円を起点とした下げ幅のフィボナッチ61.8%戻しに当たる112.70円を目指す展開か。
対するドル安・円高方向は、111.30円などに弱いサポートがみられるが、強いものとなると111円台以下まで見当たらない。したがって、現在の基調は確かに強いが、一度ドルが本格的な下落に転じれば、下げ足は意外に早い可能性もある。(了)
オーダー/ポジション状況
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