<<東京市場の動き>>
19日の東京市場は、ドル高・円安。終日を通した値動きは40ポイントに届かない小幅なものに留まったが、「早朝安の夕方高」、おおむね緩やかな右肩あがりの値動きをたどっていた。
108.40円レベルで寄り付いたあと、しばらくは揉み合いながらドル底堅い値動き。日経平均株価や米金利の状況などをにらみつつも、動意の材料に欠け、明確な方向性はうかがえなかった。
しかし、仲値決定(午前10時)前後、ドルはじりじりと上昇し始めると一時108.75円レベルまで上伸、16時時点では108.70-70円レベルと一日を通したドルの高値圏で推移し、欧州時間を迎えている。日経平均株価は前日比13円高と横ばいに近い値動きだったが、米国の地区連銀経済報告などを前にしたポジション調整で、米債金利の急低下が一服したことがドルの買い要因になっていたという。
なお、材料的には、来日中のペンス米副大統領から「尖閣諸島は安保条約の適用範囲内」との発言が聞かれたほか、メイ英首相がトランプ米大統領らと電話会談し英総選挙について説明した、とのニュースなどがあったものの、ドル/円相場への影響は限定的だった。
<<欧米市場の見通し >>
基本的なリスクはドル安・円高方向にバイアスがかかるも、一時期ほどの強い下値リスクはうかがえない。週末に向けてG20財務相・中銀総裁会議やフランス大統領選など重要なイベントを控えていることで予断は許さないが、108-110円といった具合に、それまでのレンジを2円ほど下方修正した新レンジを形成しつつある感も否めない。
テクニカルに見た場合、依然として移動平均の200日線(108.75-80円)に絡む値動きで方向性がハッキリしない。しっかりと割り込めば、ドルの下値リスクがさらに顕在化するのだが、ギリギリのところで下げ止まっているような状況だ。
しかし、その反面でドル高・円安進行はというと、110円レベルをザラ場だけでなく、NYクローズでも超えていけばドル安基調の終了も指摘されるところだが、こちらもなかなか難しい。ある意味では108-109円台は居心地が良く、次の方向性を模索する状況を続ける可能性もある。
一方、材料的には、ローゼングレン・ボストン連銀総裁の講演や米地区連銀経済報告(ベージュブック)の発表が注視されている。
また、それ以外ではやや落ち着きを取り戻した感もあるが、根強い警戒感が指摘される北朝鮮やシリアをめぐる国際情勢、フランス大統領選を中心とした欧州の政治リスク、20日ワシントンで開催されるG20財務相・中銀総裁会議を念頭に入れた貿易や為替問題への懸念も取り沙汰されており、関連ニュースが報じられた場合にはマーケットの波乱要因となりかねないかもしれない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.30-109.50円。ドル高・円安方向については、昨日高値の109.20円レベルや109.40-50円などが抵抗として意識されそう。しっかり抜ければ、強い抵抗になりつつある110円が視界内に入るだろう。
対するドル安・円安方向は、本日の東京安値である108.30-35円、108.13円の年初来安値がドルのサポートに。割り込めば、107円台突入の可能性を否定できなくなる。(了)
オーダー/ポジション状況
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