108円割れ回避中、持ち合い維持の攻防(4/19)

18日未明、ムニューシン米財務長官が英紙フィナンシャル・タイムズ紙インタビューにおいて「長期的に見て強いドルは良いことだ」

108円割れ回避中、持ち合い維持の攻防(4/19)

<概況>

18日未明、ムニューシン米財務長官が英紙フィナンシャル・タイムズ紙インタビューにおいて「長期的に見て強いドルは良いことだ」「トランプ大統領は短期的なドルの強さについて事実に基づく発言を行った」と述べて13日未明からのドル安トリガーだったトランプ大統領発言(WSJ紙インタビュー)のドル安効果を緩めたため、ドル円も18日午前には109.20円台まで戻した。しかしさらにドル高へと進む材料にかけて失速、109円台を維持できずに夜間にかけてジリ安となった。
英国のメイ首相が6月8日に総選挙を実施すると表明、基盤の保守党優勢も踏まえて現政権基盤強化、EU離脱交渉での強みを持てるとしてポンドが急騰、ユーロも連れ高となりドル安感が強まった。このためドル円も失速、108.30円台まで下落した。

米商務省が発表した3月の住宅着工件数は年率換算で前月比6.8%減の121万5000戸となり市場予想の125万戸を下回ったが、先行指標となる許可件数は3.6%増の126万戸で予想を若干上回り、住宅市況の堅調さを示した。
米FRBが発表した3月の製造業生産指数は前月比0.4%低下となり市場予想(前月比変わらず)を下回ったが、鉱工業全体では前月比0.5%上昇で市場予想と一致した。これら米経済指標は強弱まちまちとして反応は乏しかった。
朝鮮半島有事リスク問題については特に大きな進展はなかった。25日に北朝鮮の建軍記念日があるため、ICBMや核実験が強行される可能性もあり、状況次第ではリスクの急上昇、あるいは終息感に変わる節目となる可能性があるが、当面はリスク警戒の市場心理が続く。

【108円割れ回避で持ち合か、底抜けするか】

3月27日、28日、4月4日、7日と110円の節目を割り込むかどうかという瀬戸際では何度か持ち堪えて持ち合い相場を形成した。しかし最後は110円割れして一段安となった。109円割れに対してはさほどの下値支持感がなくスルーで108円割れ寸前まで下げた。17日はひとまず108円割れを回避しており、18日深夜からの下落でも今のところは108円割れに至っていない。

3月後半同様に108円割れ回避を何度か繰り返して持ち合いを形成するなら、108円序盤を支持線、109.20円台から109.50円手前までを抵抗線として週末にかけて持ち合い型の往来相場で推移する可能性がある。
109.50円を超え、その後も109.50円以上を維持する場合は17日安値と19日未明安値をダブル底とした強気転換の可能性も出てくるが、強気転換には110円台回復となる上昇が必要でハードルは高いと思われる。
19日の日中から20日にかけて108円割れとなる場合、持ち合いにもならずに底抜けしたことになるため、下値目処は107円、さらに105円台へと切り下がってゆく可能性がある。有事リスクの増大やドル安材料が続く場合にはその可能性が高まってゆくと思われる。

【60分足 一目均衡表分析】

【60分足 一目均衡表分析】

18日深夜への下落で遅行スパンが悪化(実線を割り込む)、先行スパンからも転落した。このため両スパンが好転する109円超えへと進めない内は108円試しへの下落警戒が優先されると思われる。
先行スパン下限の108.60円台から上限の108.90円手前までが目先の抵抗帯となってくると思われるので、特に108.60円以下での推移が続く場合は下向きとし、19日未明安値割れからは108円試し、108円割れの場合は当初の下値目処を107.70円から107.50円前後とした下落を想定する。また108円割れの後に戻しても108.20円前後までに留まる場合はさらに続落しやすいとみる。

108円以下での推移が続き始める場合、17日安値から18日高値までは1円強の戻り幅のため、107円台序盤が下値計算値と想定される。
60分足のRSI(14日線)は18日午前高値形成時に70ポイントを超えていたが、そこから失速した。3月31日、4月5日夜、4月8日未明、18日午前と70ポイントを超えたところが戻り売り場として機能している。70ポイント超えまで戻しきれない場合は50ポイント前後が抵抗となり相場も安値圏でぐずつくことが多い。このため、指数が50ポイント台前半までにとどまる内は反落、一段安警戒とし、60ポイントを超える場合は70ポイント台への上昇とその後の反落を想定する。(了)<9:35執筆>

【今日から明日への主要イベント】

4月19日
国際通貨基金(IMF)世界経済見通し
4月20日
1:00 ローゼングレン米ボストン連銀総裁、講演
3:00 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
G20財務相・中央銀行総裁会議(於;ワシントン、21日まで)
8:50 日本 3月貿易収支 (予想)+5758億円、(前月)+ 8134億円
21:00 米パウエルFRB理事、講演
21:30 米新規失業保険申請件数 (前週)23.4万件
21:30 米3月フィラデルフィア連銀製造業指数 (予想)26.9 (前月)32.8
23:00 米3月景気先行指数 (予想)0.20% (前月)0.60%

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