<<東京市場の動き>>
18日の東京市場は、小幅にドル高・円安。ただ、日米経済対話などの材料をにらみつつ、積極的な動意は見送られた格好で、値幅そのものは極めて狭い。終日を通して40ポイントにも届かなかった。
108.90円レベルで寄り付いたあと、前日NY市場の流れを継いでドルの買い戻しが優勢に。9時前後には109.20円台まで値を上げる局面も観測されている。
しかし、上値も重く上げ渋ると、その後はドルがやや冴えない値動きとなった。108.90-109.20円といったレンジ内での揉み合いとなり、方向性も欠く展開。結局、16時時点では109.05-10円レベルでの推移で、欧州時間を迎えている。
なお、材料的には、午前に世耕経産相がロス米商務長官と会談をしたことに加え、午後には麻生財務相とペンス米副大統領が参加した日米経済対話の初会合が開かれたものの、とくだんインパクトのある発言などは伝えられておらず、ともにマーケットへの影響は軽微なものに留まった。
<<欧米市場の見通し >>
ドルは今週初めにかけて、テクニカルなサポートを次々に下回ったこともあり、基本的なリスクは下方向。ただ、懸念されていた地政学リスクが目先落ち着いてきたようにうかがえ、一時期のような急激なドル安の進行は見込みにくくなった感も否めない。まだ、週末に向けてG20財務相・中銀総裁会議や週末に予定されているフランス大統領選など重要なイベントを控えていることで予断は許さないが、短期的には底堅く推移する可能性もありそうだ。
テクニカルに見た場合、先週末に重要サポートである移動平均の200日線(108.75-80円)を下回ったものの、昨日のNYクローズで回復、本稿執筆時も同線を上回ったレベルで推移している。下値リスクが完全に払しょくされたわけではないが、ドルの下値トライは一度出直しを迫られた感もあり、むしろ108円台などでは一時的な底堅さを予想する声も多くなってきた。
また、仮にこのままドルが続伸し、110円レベルをNYクローズで回復するようだと、ドル安基調の終了も考えられるだけに、ザラ場ベースはもちろんNYクローズも重要で動静には注意を払いたい。
一方、材料的に注視されているのは、3月の住宅着工件数や同鉱工業生産といった米経済指標の発表や、IMF世界経済見通しの公表など。
しかし、それに加えて、引き続き警戒感が強い北朝鮮やシリアをめぐる国際情勢、フランス大統領選をにらんだ欧州を中心とした政治リスクなどに関するニュースや発言には注意が必要だろう。また、20日ワシントンで開催されるG20財務相・中銀総裁会議は、為替問題についても議論されるとみられるだけに、会合に先んじての発言などにはやはり要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.40-109.50円。ドル高・円安方向については、本日の東京時間高値の109.20円レベル、109.40円前後などが抵抗として意識されている。しっかり抜ければ、強い抵抗になりつつある110円が視界内に。
対するドル安・円安方向は、移動平均の200日線が位置する108.75-80円や108円半ばなどがドルの下値メド。下回ると、108.13円の年初来安値がターゲットとなりそうだ。(了)
オーダー/ポジション状況
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