円高なのか円安なのか
昨年12月と今年1月と高値がどちらも118円台半ばとなったことから、いったん短期的には円高に動くのではないかと考える市場参加者が増えているところに、ハードブレグジット懸念から来るリスクオフも重なり、今週は112円台半ばまで円高が進みました。
長期的には本日就任するトランプ次期大統領の政策期待から来る強い米国と長期金利の上昇に支えられてのドル高見込みは多いものの、足元では特にドル円において円高(ドル安)なのか円安(ドル高)なのかかなり不透明な流れとなってきました。
新政権は全体ではドル高を望み、通貨ペアによっては個別対応か。
新政権の財務長官に就任予定のムニューチン氏は長期的なドル高が望ましいと、トランプ氏のドル高懸念とは異なった発言をしていて、新政権の為替についての方向性もいったいどちらなのか悩ましい状態です。ただ、ムニューチン氏も為替操作国に指定される可能性がある国として中国をあげていることから、ドル全般については長期的なドル高を望ましいとする歴代の財務長官のスタンスを継続しながらも個別の通貨については、状況を見て柔軟に考えるという姿勢で、次期大統領の考えと整合性を取ってくるものと考えられます。
そうなると日本円はどうでしょう。少なくとも先の会見では中国と並んで日本という国名が出てきたことや為替操作国の監視リストに日本が入っていることを考えると、当面はドル円については円高リスクを拭い去れず、元のドル高・円安の流れには戻りにくいと考えることが自然です。
チャートもご覧ください。ドル円4時間足で大統領選開票日から本日までの動きを示しています。
大統領選開票日から本日までのドル円四時間足
半値戻し終了、再び円高方向へ?
昨年12月高値(118.68)を起点に今週安値(112.57)で目先の下げが終わったと仮定すると半値戻しは115.63となり、ちょうど昨日の高値に一致します。すると、目先の下げが終わった後の戻しも終わったと仮定したくなりますので、今度は1月高値(118.60)から今週安値までの下げ、その後の昨夜高値までの戻しが確定した仮定で次の下げのターゲットを計算すると逆N波動の61.8%ターゲットが111.93となります。
また開票日安値(101.19)から12月高値までの上げに対する38.2%押しが111.99とこちらも上記の水準とほぼ同じターゲットを示していることがわかります。つまり、現在のドル円は円高方向にバイアスがかかりやすく、テクニカルには112円水準を引き続きターゲットとしている流れにあると考えることが妥当でしょう。日柄的には来週半ばあたりから下げの動きが始まり、月末に向けて再び直近安値をトライする動きというシナリオを立てています。
オーダー/ポジション状況
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