ドル円 Xマスにらみで基本小動きか、材料も乏しい(12/23夕)

週明けの東京市場はおおむね揉み合い。名実ともにクリスマス週ということで、積極的な売買はほぼ手控えられていた。

ドル円 Xマスにらみで基本小動きか、材料も乏しい(12/23夕)

Xマスにらみで基本小動きか、材料も乏しい

〇東京市場のドル円はクリスマス週の様子見モード、156.35-70のわずか35ポイントの一進一退
〇今週は大きな動意期待できず、155-158円レンジで次の方向性探る展開か
〇G7各国で政治不安が台頭、為替市場にも波乱要因となりかねず要注意
〇ドル高円安方向、157円レベルが最初の抵抗、抜けると先週末高値157.93が薄っすら視界内
〇ドル安円高方向、156.35レベルの攻防にまずは注目、下回ると先週末安値155.97が意識されそう
〇欧米時間のドル円予想レンジ:156.20-157.30

<< 東京市場の動き >>

週明けの東京市場はおおむね揉み合い。名実ともにクリスマス週ということで、積極的な売買はほぼ手控えられていた。

先週末は、一部米政府機関の閉鎖もやむなしといったムードも漂うなか、バイデン大統領が署名してつなぎ予算延長法が急転直下で成立。そうしたなか、カナダ首相に対する不信任の公算が大きくなったと伝えられ、各国政治不安が俄かに注目を集めはじめている。
そうした状況下、ドル/円は156円半ばで寄り付いたものの、新規材料も乏しく市場はおおむね様子見ムード。実際、156.35-70円といったわずか35ポイント程度の一進一退に終始している。なお、レベル的な要因などから、当局者による円安けん制発言を気にする声もあったようだが、本日に限ればとくに聞かれなかった。16時現在では156.60-65円で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「各国政治情勢」と「トランプ発言など」について。
前者は、前述したようにカナダにおいて政治不安が表面化。少数与党の自由党政権を支援してきた新民主党の離反を受け、「来年1月下旬に再開する議会下院で不信任案が可決される公算が大きい」−−などと報じられていた。一方、それとは別にドイツ大統領が、信任投票で否決されたショルツ首相が提案した連邦議会(下院)解散について、27日に決定すると発表。そのうえで、来年2月23日の総選挙実施を正式表明することが確実となった。こちらも予断を許さない。またフランスにおいては、バイル新首相による新内閣の組閣作業が難航しており、決定は早くて23日に先送りされたと一部で報じられていた。日米を含め、G7諸国で国内政権が盤石という先はなく、どこも波乱含みの様相だ。

後者は、トランプ次期米大統領に関する発言や観測記事などが幾つか報じられ、それぞれ物議を醸す。たとえば、「米国から大量に石油やガスを買わなければEU産品に関税を課す」と警告を発したことに続き、「NATO諸国にGDP比5%の国防比増を要求する方針」だと伝えられていた。また、「米企業に対するパナマ運河通航料が高過ぎる」と述べたうえで、「我々に全面返還することを求める」とした発言。さらには、参加したカンファレンスで「戦争終結に向けたプーチン氏との会談を示唆した」とされ、こちらも別途思惑を呼んでいたもよう。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場の基本的なリスクは間違いなくドル高方向に高いものの、先週末に示現した高値157.93円で目先のトップを付けた感もある。今週はクリスマス週で基本的には大きな動意が期待できないこともあり、155-158円といったレンジで次の方向性を探る展開か。来週そして年明けの動意に向けた、エネルギー蓄積の1週間ということになるかもしれない。
12月の日米金融会合が実施され、その結果がそれぞれ発表されており、市場は来年の金融政策へとすでに関心が移行している。このあと新たに発表される日米の指標や、要人の発言にもしっかりと注意を払いたい。一方、それとは別に気掛かりなのは先でも取り上げた各国政治情勢。G7各国で政治不安が台頭するという、かなり由々しき事態となっている。ロシアや中国、北朝鮮などによる情報工作も取り沙汰されるなど、油断は禁物だ。場合によっては、為替市場にとっても波乱要因となりかねないだろう。

テクニカルに見た場合、大きな流れは依然としてドル高・円安だが、先週末の157.93円が目先の高値になった感。よって、決して下値リスクが高いというわけでもないが、敢えて言うならドル安方向へのリスクを感じなくもない。156円レベルがなかなか強いサポートながら、下回るとさらに1円程度のドル安進行も。
それに対し、157円台からはドルの上値が重そう。乗せてくると当局の円安けん制発言も予想され、しっかり抜けていくにはもう一段の材料が必要かもしれない。

本日は米経済指標として、11月のシカゴ連銀全米活動指数が発表される予定となっているものの、正直材料は少なめ。そのため積極的には動き難そうで、基本は小動き予想。ただ「薄商い=荒っぽい変動」にも一応要注意だ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは156.20-157.30円。ドル高・円安方向は157円レベルが最初の抵抗で、抜けると先週末高値の157.93円が薄っすら視界内に。
対するドル安・円高方向は本日東京安値156.35円レベルの攻防にまずは注目。下回ると先週末安値155.97円レベルが意識されそうだ。

Xマスにらみで基本小動きか、材料も乏しい

ドル円日足


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