ドル円 東京市場でドル反発するも、基本的なリスクは下方向(12/2夕)

週明けの東京市場はドルが堅調裡。おおむね「寄り付き安・大引け高」に近い値動きで、一時1円以上も値を上げた。

ドル円 東京市場でドル反発するも、基本的なリスクは下方向(12/2夕)

東京市場でドル反発するも、基本的なリスクは下方向

〇ドル円、緩やかな右肩上がりの展開で150.75レベル示現、16時現在は軟落し150.35-40で推移
〇週末の植田総裁発言「データは想定通りで利上げ時期は近づいている」受け早期の利上げ期待高まる
〇目先は151円レベルが抵抗として意識、200日線が位置する152円前後は届かないか
〇本日、11月製造業PMI確報やISM製造業景況指数等の米経済指標が発表予定
〇ドル高円安方向、東京高値150.75レベルが最初の抵抗、超えると151円台回復ありうるが上値は重そう
〇ドル安円高方向、本日東京でも下げ止まった149円半ばめぐる攻防に注目、割り込むと雲の上限意識
〇欧米時間のドル円予想レンジ:149.30-150.70

<< 東京市場の動き >>

週明けの東京市場はドルが堅調裡。おおむね「寄り付き安・大引け高」に近い値動きで、一時1円以上も値を上げた。

週末は、ロシア国防相が訪朝し、金総書記らと会談を行ったことが明らかに。一方、台湾総統が外遊のなかでハワイに立ち寄ったことが伝えられ、中国がそれにクレームをつけたと報じられている。
そうした状況下、ドル/円は149.70-75円で寄り付いたのち、小緩んで149円半ばの日中安値を示現。しかし、以降は緩やかな右肩上がりの展開となり、午後には1円も値を上げた150.75円レベルを記録している。ただ、そのレベルはさすがに維持できず、16時現在では軟落した150.35-40円で推移し欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは「トランプ次期米政権」と「露朝関係」について。
前者は、カナダのトルドー首相が米南部フロリダ州のトランプ次期米大統領の私邸マールアラーゴを訪れ、トランプ氏と会談したと報じられている。具体的な会談内容は明らかになっていないが、トランプ氏は先週「カナダからの輸入全品目に25%課税を課す」と発言しており、それが議題になったことはほぼ間違いない。一方、それとは別にトランプ氏は自身のSNSに、中国やロシアなど主要新興国BRICSによる米ドル離れを図る動きをけん制したうえで、「そんな国々は100%の関税に直面することになる」と投稿。大いに物議を醸していた。

後者は、訪朝したロシア国防相が北朝鮮の努国防相とまず会談を実施。「両国の軍事協力が急速に拡大している」と強調したと伝えられている。それに続き、今度は金総書記とも会談したようだ。そのなかで金総書記からは、ウクライナによる米国製の長射程兵器の使用を非難するコメントが聞かれた反面、ロシア側からは来年5月にモスクワで開催される対ドイツ戦勝80周年記念の軍事パレードに北朝鮮軍が参加するよう招待があったという。両国の結び付きがますます強まっているようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は、先週だけで5円を超えるドル安・円高が進行したが、本日東京はその打ち返しともいえる動きで1円強の反発。米金利の動きを見て、などといった解説も聞かれたが先週の調整が散発的に観測されていたことは間違いない。いずれにしても、東京の動きを受け、下値リスクはやや軽減されたようにも見えるが油断は禁物だ。151円台にしっかり乗せれば、さらなる戻りが期待できるが、なかなか難しいように思っている。
市場は12月に実施される日米金融政策発表を注目。日本は週末に伝えられた植田日銀総裁発言「データは想定通りで利上げ時期は近づいている」−−を受け、早期の利上げ期待が俄かに強まりつつある反面、米国は依然として見方が混在している。本日のNY時間も重要な米指標が発表されるだけに、まずはその内容を見極めたい。また引き続き警戒感の強い中東を中心とした地政学リスクの高まりと、トランプ次期米政権における外交政策などにも一応要注意だろう。

テクニカルに見た場合、先週のドル/円は移動平均の21日線や200日線などを次々割り込み、ついには150円割れを達成したが、149円前半に位置する一目均衡表の先行帯の雲の上限を前に、本日東京でドルは反発に転じてきた。
しかし、目先は151円レベルが抵抗として意識されており、超えても152円前後には先週割り込んできた200日線が位置する。このあと仮に、さらなるドルの戻りを記録したとしても、200日線にはとどかないという気がしないでもない。

本日は米経済指標として、11月の製造業PMI確報や同ISM製造業景況指数が発表される予定となっている。また先週末のブラックフライデーを継ぎ、本日はサイバーマンデーにあたることで、前倒しされたクリスマスプレゼント購入など小売りの売り上げを期待する声も少なくない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは149.30-150.70円。ドル高・円安方向は、本日東京高値にあたる150.75円レベルが最初の抵抗。超えると151円台回復はありうるが、それでも上値は重そうだ。
対するドル安・円高方向は、先週末とそして本日東京でも下げ止まった149円半ばをめぐる攻防に注目。割り込むようだと、一目の雲の上限が意識されかねない。

東京市場でドル反発するも、基本的なリスクは下方向

ドル円日足


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