ドル円 ついに150円台へ、90日線めぐる攻防注視(10/18夕)

東京市場はドルが小安い。本邦要人から口先介入と思しき発言も聞かれ、150円台に定着できなかった。

ドル円 ついに150円台へ、90日線めぐる攻防注視(10/18夕)

ついに150円台へ、90日線めぐる攻防注視

〇本日のドル円、日中高値150.30をつけた後は冴えず、本邦要人による口先介入で150円割れ
〇テクニカルにリスクはドル高だが、上値は引き続き重い状況
〇本日は米9月住宅着工件数、建設許可件数、米企業決算、要人発言に注目
〇ドル高・円安方向、昨日高値150.32の攻防にまずは注目
〇ドル安・円高方向、本日東京安値149.75-80レベルが最初のサポートか
〇ドル円予想レンジ:149.60-150.60

<< 東京市場の動き >>

東京市場はドルが小安い。本邦要人から口先介入と思しき発言も聞かれ、150円台に定着できなかった。

ドル/円は150.20円前後で寄り付いたものの、当初はドル買い優勢。依然として上値も重いなか、日中高値150.30円レベルへとわずかに値を上げた。しかし以降は冴えず。三村財務官などによる口先介入が聞かれるなか、週末の調整と思しき動きに押され、ドルは150円割れ。大きく崩れることはなかったが、それでも冴えずに16時現在では149.95-00円で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「円安けん制」と「欧米金融政策」について。
前者は、本日早朝に発表された日本の消費者物価指数を注視している向きも少なくなかったが、結果はほぼ予想の範囲内。そのためドル/円相場への影響は限定的で、引き続き150円台で推移するなか、三村財務官から「為替市場は急速な動きを認識」、「投機的な動き含めて高い緊張感持って注視」との発言が聞かれていた。以前から、前回発せられた三村氏のコメントを材料に「150円がある種のシーリング」と何度かレポートしてきたが、今回それが改めて実証されたと言えるだろう。また、それとは別に青木官房副長官から「為替相場はファンダメンタルズを反映し、安定的に推移すること重要」、植田日銀総裁からも「金融や為替が経済・物価に与える影響などを注視している」との発言が聞かれていたようだ。

後者は、昨日欧米時間に米小売売上高と新規失業保険申請件数という、消費と雇用に関する2つの重要指標が発表されたが、ともに好数字。それを受け、ドル/円は8月1日以来の150円台到達を達成している。米利下げ後退観測がさらに高まった感もあり、ドルはますます買いにくくなったなどといった声も聞かれていた。一方、欧州はECBが2会合連続となる追加利下げを決定。また、そののちラガルド総裁は「今後のデータに基づいて会合ごとに決定を下す」と述べたものの、ロイターが「ECB、12月も追加利下げの公算」と報じるなど弱気に見ている向きがやや多い印象だ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は148円後半までしか下がらず、かなりの底堅さを醸すなか、昨日ついに150円超え。本日東京でも150.30円レベルまで値を上げ、昨日高値に一時面合わせしている。リスクはドル高方向に高そうだが、先で取り上げたように日本の当局は「150円をある種のシーリングと認識」している節があるうえ、昨日上げ止まった150.30円レベルには移動平均の90日線が位置しており、テクニカルポイントで明確に上げ止まったことは若干気にかかる。いずれにしても、ドルの上値の重い状況に変化はなさそう。
市場の関心は日米金融政策に高いが、ブルームバーグが報じていたように「日米金利差の縮小観測が後退」したようだ。そうした意味では引き続きドル高・円安方向にバイアスか。しかし、米国そして日本の選挙情勢も注視している向きが少なくないうえ、イスラエル軍が明らかにした「ハマス最高指導者シンワル氏殺害」の影響も気になるところだ。後者については、ハマスの影響力が低下し状況が沈静化へ向かうといった楽観的な見通しも聞かれるが果たしてどうなるか。

テクニカルに見た場合、ドル/円は昨日150円を上抜くも定着までには至らず。150.30円レベルまで切り下がってきた移動平均の90日線を、超えていくことも出来なかった。リスクという意味ではドル高だが、上値は引き続き重い状況に変化はなさそうだ。90日線の攻防には本日も要注意で、抜ければフィボナッチポイントの150.75-80円を目指す。
それに対してドルの下値は149.75円、149.50円など25ポイントごとにサポートがあり、基本底堅そう。

本日は米経済指標として、9月の住宅着工件数や同建設許可件数が発表されるほか、引き続き米企業の決算発表も少なくない。また、ミネアポリス連銀総裁によるパネル討論会参加なども一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは149.60-150.60円。ドル高・円安方向は昨日示現した高値150.32円の攻防にまずは注目。抜ければ150.75-80円が意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値に当たる149.75-80円レベルが最初のサポートか。下回っても基本は底堅そうだが、仮に149円割れするようだと下値も波乱含みか。

ついに150円台へ、90日線めぐる攻防注視

ドル円日足


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