東京市場のドルは150円を一時割り込む、要人発言でドル一段高の展開も(24/10/18)

東京時間のドル・円は、三村財務官が「高い緊張感をもって注視」と軽いけん制発言を行ったことから150円台を割り込んだが、売り圧力は限定的、149円台後半で推移した。

東京市場のドルは150円を一時割り込む、要人発言でドル一段高の展開も(24/10/18)

東京市場のドルは150円を一時割り込む、要人発言でドル一段高の展開も

【本日の東京市場】

東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、三村財務官が「高い緊張感をもって注視」と軽いけん制発言を行ったことから150円台を割り込んだが、売り圧力は限定的、149円台後半で推移した。

昨晩の海外時間では、米9月小売売上高やNAHB住宅市場指数が予想を上回った。また、米先週分新規失業保険申請件数が予想以上に減少し消費や住宅市場、労働市場の底堅さが示されたため、連邦準備制度理事会(FRB)の速やかな利下げ観測後退で長期金利上昇に伴うドル買いが優勢となった。一時150円30銭台まで上昇するなど8月1日以来の150円乗せとなった。

東京時間では、朝方、三村財務官が「高い緊張感をもって注視」と軽い口先介入を行ったことで、ドル高円安は一服となった。ただ、足元のドル高円安は、円が主要通貨に対して全面的に売られる相場展開ではなく、米経済の強さを背景としたドル上昇が背景にあるため、財務官によるけん制発言の影響は限定的。149円台後半でのもみ合いとなった。

ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:150円21銭
高値:150円29銭
安値:149円77銭
終値:149円88銭 

ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:162円68銭
高値:162円71銭
安値:162円34銭
終値:162円53銭

豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値: 100円59銭
高値: 100円72銭
安値: 100円36銭
終値: 100円55銭

ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:195円47銭
高値:195円52銭
安値:195円04銭
終値:195円39銭

日経平均(日本時間9時―15時)
始値:39092円47銭
高値:39186円64銭
安値:38893円52銭
終値:38981円75銭(前日比+70円56銭)

【本日の海外市場の重要指標】日本時間

21時30分、米、9月住宅着工件数、前回:4.6%、市場予想:−0.8%
22時30分、米、ボスティック・アトランタ連銀総裁がイベント講演
23時00分、米、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁がイベント講演
25時10分、米、ウォラーFRB理事がイベント講演
25時30分、米、ボスティック・アトランタ連銀総裁が講演

※予定は変更することがございます。

【今晩の海外時間の見通し】

本日の海外時間は、要人発言を横目に150円台での値固めを試す展開となろう。ドル・インデックスは8月2日以来の水準まで上昇しており、米景気の強さを起因としたドル買いの流れはまだ続いている様子。

今晩の海外時間では目立った経済指標の発表は予定されていないが、連邦公開市場委員会(FOMC)参加メンバーが足元の強い経済指標に対する発言を行うことが想定されることから、もう一段のドル買いの可能性はある。

日足の一目均衡表では雲に突入しており、75日移動平均線をしっかりと上回っている。一方、週足では、雲下限で下げ止まった後、じりじりと切り上がっていく雲上限に沿った動きが見られる。150円79銭水準で位置する基準線が上値抵抗となりそうだが、年末に向けて、雲上限は156円、雲下限は150円で推移することから、雲を意識した動きとなれば、じりじりとしたドル高円安の地合いが想定できよう。

もっとも、年内大幅利下げ観測は後退しているが、来年にかけて米国は段階的な利下げを行う公算が大きいため、日米金利差が今より拡大する展開は難しい。156円で位置する雲上限が意識されるには、投機筋による円キャリートレードの復活など需給的な力が必要と考えるが、実際、円キャリートレードも日米金利差がベースとなるため、投機筋が円売りポジションを再度積み上げることはほぼないだろう。

とはいえ、ドルの上値余地はまだありそうなため、今晩の海外時間もドルじり高の展開を想定する。上値メドは151円00銭、下値メドは149円50銭とする。

東京市場のドルは150円を一時割り込む、要人発言でドル一段高の展開も

ドル円日足

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