ドル円 ドル高余地拡大も、上値の重さは変わらず(10/15夕)

東京市場はドルが小安い。一度も149円を割り込めず、底堅さは醸しているものの、終盤に掛けてややドル売りが優勢だった。

ドル円 ドル高余地拡大も、上値の重さは変わらず(10/15夕)

ドル高余地拡大も、上値の重さは変わらず

〇本日のドル円、調整的なドル売りが目に付く展開、終盤は149.30レベルへ下落
〇基本的なリスクは引き続きドル高方向だが、上値は重い
〇本日はNY連銀製造業景況指数、レッドブック、米金融大手決算発表等に注目
〇ドル高・円安方向、本日東京高値149.85レベルの攻防にまず注目
〇ドル安・円高方向、昨日今日と割り込めなかった149円が最初のサポートか
〇ドル円予想レンジ:148.60-149.80

<< 東京市場の動き >>

東京市場はドルが小安い。一度も149円を割り込めず、底堅さは醸しているものの、終盤に掛けてややドル売りが優勢だった。

ドル/円は149.75円レベルで寄り付いたものの、上値は重く本日も150円は近くて遠い存在。高値は149.85円レベルまでだった。むしろ、どちらかというと調整的なドル売りが目に付く展開で、とくに終盤に値を崩すと日中安値の149.30円レベルへ。16時現在ではそのまま安値圏で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「米金融政策」と「中国情勢」について。
前者は、昨日東京市場に続きNYも休場で、米経済指標の発表などはなし。ただ、そうしたなかでも、要人から米金融政策に関する発言が幾つか聞かれていたようだ。たとえばウォラーFRB理事は、「今後の利下げを一段と慎重に進めていかなければならない」と発言。また、ミネアポリス連銀総裁も「一段の緩やかな利下げが適切」と発言していたもよう。なお、それら発言が聞かれるなか、ブルームバーグは金融大手ゴールドマンサックスの分析として「ドル高の柱は従来と変わらず力強い」と指摘、ドル高方向の流れ継続する公算が大きい可能性を示していた。

後者は、軍事と国内経済という2つの観点から思惑を呼ぶ。前者は14日、中国軍が台湾周辺で大規模演習を実施し、それについて同国国防省が「演習は台湾独立が死に至る道と分からせるため」などと一方的な理由付けを行っていた。また、中国海警局の船2隻が沖縄尖閣沖で領海侵入したとも伝えられており、日本に対する恣意行動もさらに頻繁に目に付くようになっている。一方、国内要因としては「3年間で6兆元を追加調達、財政出動へ」、「超富裕層への海外投資利益課税に動く」、「中国の銀行、預金金利の引き下げを検討」−−などといった報道が相次いでいた。それらの方策で、果たして景気が上向けるのか注目だ。

<< 欧米市場の見通し >>

昨日ドル/円相場は一時149.98円までドル高が進行した。東京とNYという2つの金融市場が休場することもあり、あまり大きく動く展開を想定していなかったが、薄商いの間隙を突く格好で、一気に150円を視界内に捉えた動きが観測されている。基本的なリスクは引き続きドル高方向で、流れからすると150円を超えてくる可能性も否定できない。しかし、本日東京夕方の動きをみると一旦仕切り直しになった感もありそうだ。いずれにしても、ドルの上値は引き続き重い。
市場の関心は、依然として日米金融政策に集中。なかでも意見がなかなか一本化されない米金融政策が相場の波乱要因として警戒されている状況だ。足もとは、先で取り上げた2人の米当局者発言などもあり、「大幅利下げ見通し」は後退しているものの、引き続き発表されるインフレや雇用の指標次第では見方がまた一転しかねないリスクもある。発表される米指標には注意を払いたい。一方、それとは別に中東を中心とした地政学リスクの高まりにも要注意だ。

テクニカルに見た場合、ドル/円は昨日150円の一歩手前まで上昇。しかし150円を簡単に抜け、さらに定着していくようなイメージはいまだ乏しい。やはりドルの上値は引き続き重いのではなかろうか。
それに対するドルの下値は、かなり堅そう。まずは149円レベルがサポートで、下回っても148円台では取り敢えず下げ止まりそうだ。

本日は米経済指標として、10月のNY連銀製造業景況指数やレッドブック週間小売売上高が発表されるほか、ゴールドマンサックスなど米金融大手の決算発表も実施される見込みだ。そのほか、サンフランシスコ連銀総裁の講演など材料は少なくない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは148.60-149.80円。ドル高・円安方向は本日東京高値の149.85円レベルの攻防にまず注目。抜ければ昨日高値149.98円、そして150円が当然視界内に捉えられそうだが、しっかり超えるにはもう少し時間が必要か。
対するドル安・円高方向は、昨日そして本日も割り込めなかった149円が最初のサポートか。下回れば148.30-40円を目指すが、それでも基本は底堅そう。

ドル高余地拡大も、上値の重さは変わらず

ドル円日足


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