ドル円 ドル高傾向は継続するも上値重そう(10/7夕)

週明けの東京市場はドルが冴えない。先週末に示現した戻り高値を一時更新する局面も観測されたが、ドル高は続かなかった。

ドル円 ドル高傾向は継続するも上値重そう(10/7夕)

ドル高傾向は継続するも上値重そう

〇ドル円、148.70レベルで寄り付きドル買い先行、前週示現した戻り高値149.01円更新するも勢い続かず
〇日中高値から1円近く下落する局面も観測されるなど、ドルの弱さが目に付く展開
〇本邦当局者から初期段階の口先介入も観測「150円シーリングポイント」の見方に注目
〇ドル高円安方向、東京で維持出来なかった149円の攻防に注目。しっかり乗せれば150円を本格トライか
〇ドル安円高方向、米雇用統計発表後に一度も下回っていない148円レベルが最初のサポートか
〇欧米時間のドル円予想レンジ、147.50-148.90

<< 東京市場の動き >>

週明けの東京市場はドルが冴えない。先週末に示現した戻り高値を一時更新する局面も観測されたが、ドル高は続かなかった。

週末は、EUが以前から取り沙汰されていた「中国製EVに対する追加関税案」を採択。それについて中国は「断固反対」とEUを批判していたようだ。一方、戦闘から1年ということで、国連事務総長による「ハマス非難声明」が発表されたが効果は限定的だった。
そうした状況下、ドル/円は148.70円レベルで寄り付いたのち、当初はドル買い先行。149円台へと乗せ、前週示現した戻り高値149.01円を更新したものの、勢いは続かなかった。そののち、日中高値から1円近く下落する局面も観測されるなど、逆にドルの弱さが目に付く展開に。結局、16時現在では148円半ばで推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「円安けん制」と「中東危機」について。
前者は、時事通信が「石破首相豹変、異例の利上げけん制」と報じていたように、市場の大勢が予想していた「利上げ推進派」との見方を一変させたことが、本日東京時間にも寄与しドル/円の149円台示現に繋がっていたことは間違いない。しかしながら、ドル/円が150円の大台回復をうかがう動きをたどっていることで、当局者からは初期段階の「口先介入」と思しきコメントも観測され始めた。たとえば、本日も加藤財務相からは「急激な為替変動は企業活動にマイナス」、三村財務官は「投機的な動きを含めて為替市場の動向を注視」と述べていた。150円が最初のシーリングポイントで、超えるとさらなる円安けん制に動くといった見方をする市場筋も少なくない。

後者は、イスラエル軍報道官から「イランへの報復は適切なタイミングで実施」との発言が聞かれるなど、依然として状況は緊迫ムード。そうしたなか、マクロン仏大統領が「ガザでの戦闘に使用される武器を、イスラエルへ輸出停止するよう各国に求めた」と発言し話題に。イスラエル首相からは、発言に対し名指しで「恥知らず」と非難されていた。そののち両氏は電話会談を行ったとされるが、果たして雪解けとなったか否かは伝えられていない。一方、バイデン米大統領は喧嘩両成敗とばかりに、イランへの制裁を検討していると表明した反面、イスラエルには自制を強く求めていた。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は、先週末の米雇用統計発表後に149円台を示現。そして本日東京で、そのレベルを一時上抜けている。リスクは引き続きドル高方向に高いことは間違いなさそうだが、さらなるドル高進行は果たしてどうか。長い目で見ればともかく、短期的にはドルロングも積み上がりつつあることで、ドルの上値も限られるか。もっとも、だからと言ってドルが大きく崩れるイメージにも乏しいだろう。
日米金融政策が引き続き注目を集めるなか、日本については基本的に「早期利上げ見通し」が後退したと考えて良さそうだ。それに対して、米国はまだまだ予断を許さず、今週も週間を通して発表される経済指標や9月FOMCの議事録要旨公開などにも注意を払いたい。そうしたなか、少し気になるのは先でも指摘した「150円シーリングポイント」との見方。もちろん、超えたからと言ってすぐに円買い介入で対応する、といったことはないにせよ、この先のドル/円の上昇を抑制する政治要因となりかねない。

テクニカルに見た場合、ドル/円が1ヵ月半ぶりの149円台を一時示現するなか、敢えてドル安方向のリスクを取り沙汰してみたい。先週末の米雇用統計発表後の時間足など、短期のチャートを見てみると一度も148円を下回っていないことが見て取れる。さらに言うと、147-148円はほぼ取引のない価格帯であることも気掛かりだ。
つまり、これからするとドルは基本的に底堅い値動きを予想するが148円をしっかり下回ると、思いのほか深めの押しが入る可能性を否定できないか。

本日は米経済指標として、8月の消費者信用残高が発表される予定となっているものの、正直市場の関心はそれほど高くない。それよりむしろ、欧州を含めた通貨当局者の講演などに注意を要したい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは147.50-148.90円。ドル高・円安方向は、本日東京で維持することが出来なかった149円の攻防にまずは注目。しっかり乗せれば、いよいよ150円を本格トライか。
対するドル安・円高方向は、先で指摘したように米雇用統計発表後、一度も下回っていない148円レベルが最初のサポートか。基本は底堅そうだが、しっかり下回ってしまうと予想以上の深押しも否定できない。

ドル高傾向は継続するも上値重そう

ドル円日足



注:ポイント要約は編集部

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る