ドル円 今週は米国の重要指標の発表をにらんだ動き(9/2夕)

週明けの東京市場は乱高下。146円挟みで上下に振れる、なかなか荒っぽい相場だった。

ドル円 今週は米国の重要指標の発表をにらんだ動き(9/2夕)

今週は米国の重要指標の発表をにらんだ動き

〇東京市場のドル円、先週末から上値試す展開辿るなか、さらに続伸、一時146.60レベルつける
〇8月に記録した直近高値149.40起点の、下げ幅の半値戻し(146.40-45)上回る
〇21日MAを先週末NYで上抜け本日東京時間も維持、下値不安は軽減
〇本日、NY市場はレーバーデーで休場、やや動きにくそうな雰囲気
〇ドル高円安方向、東京高値146.60レベルが最初の抵抗、上値重そうだが147円が薄っすら視界内
〇ドル安円高方向は東京安値145.75-80巡る攻防に注目、21日線をNYクローズで維持できるか否か注視
〇欧米時間のドル円予想レンジ:145.60-146.80

<< 東京市場の動き >>

週明けの東京市場は乱高下。146円挟みで上下に振れる、なかなか荒っぽい相場だった。

週末には、防衛省から「中国海軍測量艦が8月31日に鹿児島沖で領海侵入」との発表が聞かれ、またもや思惑が広がるなか、実施されたドイツ東部州議会選で、「ショルツ首相率いる連立与党が敗北」などと伝えられ、こちらも物議を醸していたようだ。
そうした状況下、ドル/円は146.20円前後で寄り付いたのち、早い段階で日中高値の146.60円レベルを示現。しかし続かず、一転してドル売りが優勢になると146円割れへ。ただ下値も堅く145.80円前後で下げ止まり、再び146円台へ。なかなかアクティブな変動をたどるなか、16時現在では寄り付きに近いレベルで推移、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは「中国情勢」と「ウクライナ情勢」について。
前者は、先月26日には長崎県の男女群島沖で中国軍機による初めての領空侵犯が確認されたばかりだが、それに続きこの週末に防衛省から「与那国沖で中国無人機2機の飛行を確認」、「中国海軍測量艦が8月31日に鹿児島沖で領海侵入」といった発表が相次ぎなされていた。中国による威嚇的な行動はいまだ衰えておらず、この先も引き続き注意が必要だろう。一方、こうした恣意行動はフィリピンに対しても行われているようで、実際フィリピンサイドからは「サビナ礁で中国船の衝突受け、巡視船が損傷した」との発表が観測されていた。また、そんな中国の行動に当事国であるフィリピンだけでなく日米からも非難コメントが聞かれたものの、中国海警局からは「フィリピンが故意に衝突してきた」と責任転嫁ともとれるコメントが発せられていたようだ。

後者は、ウクライナ大統領府が、ウメロフ国防相を含む政府高官が先週末30日から米首都ワシントンを訪問していると明らかにしたうえで、オースティン国防長官に戦況について説明したと発表した。また、それとは別にゼレンスキー大統領はビデオ演説で、供与された長距離ミサイルによるロシア領内奥地の軍事拠点攻撃を認めるよう、米英仏独に改めて要求したことが明らかになっている。一方、独紙ウェルトは、NATOのストルテンベルグ事務総長がインタビューで、ウクライナによるロシアへの越境攻撃は「自衛権の範囲内」との見解を示したと報じていた。さらに攻撃が続く可能性もある。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は、先週末にかけドルが上値を試す展開をたどるなか、本日東京時間さらに続伸。一時146.60円レベルまで値を上げたが、これで8月に記録した直近高値149.40円を起点とした下げ幅の半値戻し(146.40-45円)を上回ったことになる。フィボナッチの観点では次のターゲットは61.8%戻し147.10-15円で、さらなるドル高・円安の進行も否定できないようだ。
市場筋の多くは引き続き日米の金融政策を注視。そうしたなか、今週は週末の雇用統計を中心に重要とされる米経済指標の発表が少なくない。「9月の米利下げ実施」はほぼ確定ながら、実際の利上げ幅などについては見方が依然としてわかれている状況だけに、発表される米指標を受けて市場が一喜一憂する展開も否定できないだろう。また、日銀の金融政策や先で取り上げた中国からの「圧力」を感じるなか、日本の自民党総裁選の行方を注視しているとの声も聞かれていた。

テクニカルに見た場合、ドル/円は7月11日あたりに割り込み、以降回復することが出来なかった移動平均の21日線を先週末のNYで久しぶりに上抜けた。そして、その流れを本日東京時間も維持。21日線をほぼ上回っての推移となっている。まだ、しっかりと超えたとは言えないものの、ドルの下値不安はだいぶ軽減されたようだ。前述したように、今週は週間を通して重要な米指標が発表される予定で油断は禁物ながら、147円方向に向けたドル続伸を期待する声も聞かれている。

本日はレーバーデーの祝日でNYなどが休場となることもあり、米経済指標の発表もなし。そうした意味ではやや動きにくそうな雰囲気だ。ただ、今週は週間を通して注目材料が多い。仮に動きかなくても、「嵐の前の静けさ」か。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは145.60-146.80円。ドル高・円安方向は、本日高値146.60円レベルが最初の抵抗。抜けても上値は重そうだが、それでも147円が薄っすらと視界内に。
対するドル安・円高方向は、同じく東京安値の145.75-80円をめぐる攻防にまずは注目。また、それとともに146円前後に位置する21日線をNYクローズで維持できるか否かも注視されている。

今週は米国の重要指標の発表をにらんだ動き

ドル円日足



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