ドル円 東京時間にドル続落、下値余地はさらに拡大(8/26夕)

週明けの東京市場はドルが小幅に続落。6日以来となる安値圏、143円台へと弱含んでいる。

ドル円 東京時間にドル続落、下値余地はさらに拡大(8/26夕)

東京時間にドル続落、下値余地はさらに拡大

〇東京時間のドル円、144.20-25で寄り付くも上値重く、上げ渋ると143円半ばへ1円近くじり安推移
〇中東の地政学リスクの高まり嫌気され、リスク回避志向に繋がっていたとの指摘も
〇安値141.68起点のフィボナッチ61.8%押し下回り、76.4%押し143円半ばも下回ると全戻し視界内
〇今後の金利差縮小をやや織り込み過ぎなのは気掛かりだが、ドル安方向にリスク
〇本日の米指標・耐久財受注速報やダラス連銀製造業活動指数、弱い場合ドル売りで反応しやすいか
〇ドル高円安方向、東京高値含めた144円半ばが最初の抵抗、145円も遠のきつつある
〇ドル安円高方向、東京安値143円半ば下回ると142円台などに大きなサポートなく、8/5安値に迫るか
〇欧米時間のドル円予想レンジは143.10-144.50

<< 東京市場の動き >>

週明けの東京市場はドルが小幅に続落。6日以来となる安値圏、143円台へと弱含んでいる。

週末は、停戦協議中にもかかわらず、ヒズボラによるイスラエル攻撃が伝えられ憶測を呼ぶ格好に。一方、南シナ海を舞台に中国とフィリピンが再び鍔迫り合い。中国海警局船がフィリピンの漁業水産資源局船に衝突したことが明らかとなっている。
そうした状況下、ドル/円は144.20-25円で寄り付いたものの上値はすでに重い。144.35-40円で上げ渋ると、そののちドルは143円半ばへと1円近くもじり安推移をたどっている。中東を中心にした地政学リスクの高まりが嫌気され、リスク回避志向に繋がっていたとの指摘も聞かれていた。結局、16時現在ではドル安値圏の143.70-75円で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「中東情勢」と「米金融政策」について。
前者は、イスラエル軍から、レバノンの民兵組織ヒズボラからの攻撃を事前に察知し、戦闘機による攻撃で数千基のロケット弾発射台を破壊したとの発表が聞かれたものの、一方のヒズボラによると「320発以上のロケット弾でイスラエルの11ヵ所の軍事施設を攻撃した」という。大きな犠牲なども取り沙汰されるなか、ガザの停戦協議が停滞する状況下における激しい衝突だけに、先行きに懸念を抱く向きも少なくない。実際ハマスは、パレスチナ自治区ガザの停戦協議で提示されたイスラエル側の新たな条件を拒否すると表明しており、前途多難な状況だ。

後者は、先週末のジャクソンホール会合でパウエルFRB議長が「主要政策金利を引き下げる時がきた」と述べ、9月の利下げを事実上明言したことが材料視されていた。また、それに続く格好で、日経新聞によるとフィラデルフィア連銀総裁がインタビューに応じ、「FRBは9月から年内に2-3回の利下げを実施するとの見通しを示した」と報じている。当初の市場予想よりも利下げのペースは早く、そして利下げ幅は大きくなる可能性も取り沙汰されていた。なお、その一方、IMFのチーフエコノミストは、日本の金融政策について、インフレ期待の高まりで超低金利政策には正常化の余地があり、日銀は徐々に金利を引き上げることが可能との認識を示したという。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は、144円半ばという目先のサポートを先週末に割り込み、本日東京では6日以来となる143円台へと続落してきた。ドルの下値余地は拡大しているようだ。ちなみに、安値141.68円を起点とした上げ幅のフィボナッチでは61.8%押しを大きく下回っている。本日東京で下げ止まった76.4%押しの143円半ばを下回ると、すぐにではないものの100%押し、つまり141.68円が視界内に。
前述したように、日米金利差を考えた場合、今後さらに縮小することはほぼ確実で、それも当初の予想よりさらに縮小する公算も高まっているようだ。期待先行というか、やや織り込み過ぎであることが気掛かりだが、金利差という観点からはドル安方向へのリスクを考えざるを得ない。また、中東を中心とした世界各地の地政学リスクの高まりもドル売り・円買いを後押しする材料か。続報などに注意を払いたい。

テクニカルに見た場合、ドル/円は本日東京で143円半ばまで下落し、ドル下値余地の拡大が再確認されている。さらなる下落に注意を払いたいところだが、前述した143円半ばはフィボナッチポイントにあたることで、一旦下げ止まる可能性もないではない。ただ、仮に下回るようだと5日安値の141.68円を目指す。
対してドル高方向は、すでに145円も少し遠のきつつあるイメージ。ドルの戻りには限界がありそうで、144円半ばなど取り敢えず144円台では上げ渋る展開か。

本日は米経済指標として、7月の耐久財受注速報や8月のダラス連銀製造業活動指数が発表される予定となっている。先週末のジャクソンホール会合でパウエルFRB議長から弱気コメントが聞かれているだけに、強い指標よりも弱い指標が出た場合に市場はドル売りで反応しやすいとの指摘も聞かれていた。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは143.10-144.50円。ドル高・円安方向は、本日東京高値を含めた144円半ばが最初の抵抗。超えれば145円前後がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、テクニカルポイントにもあたる東京安値143円半ばをめぐる攻防に注目。下回ると142円台などに大きなサポートはなく、そのまま5日安値に接近する展開も。

東京時間にドル続落、下値余地はさらに拡大

ドル円日足


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