ドル円 連日米指標が相場の波乱要因に、本日も可能性あるか(8/16夕)

東京市場はドルが小安い。前日思わぬタイミングで149円台を示現したものの、調整売りなどに押され上値は重かった。

ドル円 連日米指標が相場の波乱要因に、本日も可能性あるか(8/16夕)

連日米指標が相場の波乱要因に、本日も可能性あるか

〇本日のドル円、ドルの上値が重くじり安推移、148.75レベルへ一時軟落後、149円挟みの揉み合い
〇昨日発表された7月小売売上高・新規失業保険申請件数が好数字、為替市場ではドルが大幅な逆行高に
〇昨日欧米時間に高値149.40を示現、上昇余地が広がった感もあるが、上抜けるのも簡単でないか
〇本日は7月住宅着工件数や8月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値などが発表予定、波乱材料となるか
〇ドル円予想レンジは148.20-149.60、ドル高・円安方向は昨日高値149.40が目先の抵抗
〇ドル安・円高方向、本日東京安値の148.75レベルをめぐる攻防にまずは注目

<< 東京市場の動き >>

東京市場はドルが小安い。前日思わぬタイミングで149円台を示現したものの、調整売りなどに押され上値は重かった。

ドル/円は149.25-30円で寄り付いたものの、ドルの上値は重い。大きく崩れることはなかったが、2日以来の149円台ということで実需筋の動意に加え、週末の調整などもありドルはじり安に推移した。148.75円レベルまで一時軟落している。しかし一巡後は下値も堅く、149円挟みの揉み合いに。16時現在では148.90-95円で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは「米金融政策など」と「ウクライナ戦線」について。
前者は、13-14日に発表された2つの米インフレ指標、7月の消費者物価などが予想を下回りドル売り要因となったものの、昨15日は発表された7月小売売上高がまさかの好数字。また、週間ベースの新規失業保険申請件数などもやはり良い内容で、為替市場においては一転してドルが大幅な逆行高をたどっていた。そののち、セントルイス連銀総裁から「金利調整が適切な時期に近づいている可能性もある」、アトランタ連銀総裁「9月利下げにオープン」−−などといった利下げ前向きコメントが聞かれたものの、流れを変えるまでには至らなかった。

後者は、ウクライナ軍によるロシア越境攻撃は依然として好調。昨日は軍トップのシルスキー司令官が、ロシア軍の防衛を破って35キロメートル前進し、82集落を制圧したことを明らかにしていた。また、スジャに軍司令部を設置したとも発表している。そうしたなか、ブルームバーグは「ロシア兵102人、越境攻撃受けウクライナ軍に投降」とも報じていた。そんな好調な戦線について、ロシアはもちろん盟友であるベラルーシ大統領も国営放送のインタビューで、西側諸国を非難。「ウクライナ、ロシア、ベラルーシのいずれの国民も戦いを必要としていない。必要としているのは西側諸国だ」と責任転嫁とも思しきコメントを発していたという。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は、しばらくあいだ146-148円コアとしたレンジ取引を予想していたのだが、あっという間に上抜け。昨日欧米時間に高値149.40円を示現した。そんな値動きからすると、ドルにいま一段の上昇余地が広がった感もあるが、前述した149.40円というレベルは以前から何度もレポートしている高値161.96円を起点とした下げ幅のフィボナッチ38.2%戻しにほぼ合致する。つまり、なかなか強い抵抗で上抜けるのも、そう簡単でないだろう。

一時は為替市場以上に、下落が急激で下値不安も広がっていた日米株価だが、ここ最近は完全なVの字型の回復だ。実際、日経平均株価は本日東京のクローズベースでも上昇幅は1300円を超えている。まだ油断は禁物ながら、日米株価が大きなドル安懸念になる可能性はかなり低下したと考えられる。なお、そうしたなか9月の次回会合をにらみつつ、日米金融政策が徐々に脚光を浴びつつある。まずは発表される米指標そして要人発言をリスク要因として注意を払いたい。

テクニカルに見た場合、ドル/円は146-148円の目先レンジを上抜けるも、フィボナッチポイントの149.40円で上げ止まり。さらなる高値をトライできるのか否か、まずは同レベルの攻防に注目だ。超えれば心理抵抗の150円、現在急下降中の移動平均の21日線が位置する150円半ばなどがターゲットに。
しかし、昨日しっかり超えた148円から148.70円レベルに掛けては強いサポートも見当たらないだけに、そのあたりを再び下回ってしまうと元の木阿弥となる可能性もある。

本日は米経済指標として、7月の住宅着工件数や8月のミシガン大学消費者信頼感指数速報値などが発表される予定となっている。前述したように、13日以降3日連続で発表される米指標が相場の波乱材料となっていたが本日は如何に。また、本日も行われる見込みのガザ停戦協議にも一応要注意だ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは148.20-149.60円。ドル高・円安方向は、昨日高値149.40円が目先の抵抗。本日もここまで近いレベルで上げ止まっている。超えれば150円に接近も。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の148.75円レベルをめぐる攻防にまずは注目。基本的には底堅いイメージだが、148円台にサポートの少ないことはやや気掛かり。

連日米指標が相場の波乱要因に、本日も可能性あるか

ドル円日足


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