ドル円 週明けから荒れ模様、引き続き予断許さず(7/29夕)

週明けの東京市場はなかなかの荒れ模様。トータル1.3円ほどと、大きな上下動をたどったすえドルは安値圏で引けている。

ドル円 週明けから荒れ模様、引き続き予断許さず(7/29夕)

週明けから荒れ模様、引き続き予断許さず

〇東京市場のドル円、ドル買い先行し154円台回復、高値154.35レベルつけるも一転してドル売り優勢
〇1円超える下げを見せ、153円割れうかがう局面も。16時現在153.35-40で推移
〇基本は153-155円のレンジ保ちつつ日米金融政策発表迎えると考るが、予想外の価格変動にも備えたい
〇ドル高円安方向、153円台後半からオファー蓄積され上値重い、154円台へ確り乗せられるか注目
〇ドル安円高方向、東京安値153.00-05が最初のサポート。割り込むと152円台突入からドルの大幅続落も
〇欧米時間のドル円予想レンジ:152.80-154.00

<< 東京市場の動き >>

週明けの東京市場はなかなかの荒れ模様。トータル1.3円ほどと、大きな上下動をたどったすえドルは安値圏で引けている。

オリンピックの開催当日に、フランス高速鉄道(TGV)を狙ったテロと思しき動きもあったが、パリオリンピックはなんとか無事に開幕。そして連日熱戦が繰り広げられている。
そうした状況下、ドル/円は153.75-80円で寄り付いたのち、当初はドル買いが先行し154円台を回復。日中高値154.35円レベルを付けたものの、その後は一転してドル売り優勢に。1円を超える下げを見せ、153円割れをうかがう局面も観測されていた。目先底入れ後、終盤にかけては低位揉み合いのなか、16時現在では153.35-40円で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「為替政策」と「日米金融政策」について。
前者は、日本時間27日早朝に閉幕したG20財務相・中銀総裁会議における共同声明で、「2021年4月の為替相場についてのコミットメントを再確認する」と指摘されていた。なお、この件について、出席した鈴木財務相は「為替レートの過度な変動や無秩序な動きは、経済および金融の安定に対する悪影響を与えうるとの既存のコミットメントが再確認された」と説明している。一方、そうしたなか報じられた2つのイエレン米財務長官インタビューが話題に。ひとつは日経新聞によるもので、こちらでは「米国が長年、問題視してきたのは通貨安への誘導だ」と強調したうえで、「円買い介入を実施した日本は状況が異なる」との考えを示唆したという。それに対してブルームバーグは、トランプ前米大統領が指摘する「強いドルが米製造業者に打撃を与えている」との見解にイエレン氏が異を唱え、「そう単純なものではないとみている」と報じていた。

後者は、今週開催される日米中銀会合が注視されており、果たしてどんな結論が発表されるのかへの関心が非常に高い。しかし、日本については利上げを実施するか否か依然として市場の見方は一本化されておらず、また米国も気迷い商状をたどっている感もある。とは言え、後者について時事通信は「8会合連続で金利据え置きはほぼ確実」としたうえで、「利下げ開始の時期が近づいていることを示唆するかが焦点」とレポート。またロイターは、7月は利下げを見送ったうえで、「9月の利下げを示唆する公算」と報じていた。

<< 欧米市場の見通し >>

今週は週の半ばに注目の日米金融政策発表を控えているなか、週明けの東京時間からなかなかの荒れ模様。本稿執筆時のドル/円は153円半ば挟みで、やや落ち着いているが、引き続き予断を許さない状況だ。市場は夏休みモードで参加者が減少していることも、値動きを軽くしている面がある。基本は153-155円といったレンジを保ちつつ、日米の金融政策発表を迎えると考えているが、予想外の価格変動にも対応できるようにしっかり備えておきたい。
今週は注目材料目白押しだが、週間を通してもっとも注視されているものは、やはり日米両中銀による金融政策の発表だ。そんな両中銀が政策を発表する31日の為替市場は大荒れの展開が予想されるだけでなく、本日東京などを参考にすれば、その前日つまり明30日の動静にも十分な注意を払いたい。また、民衆党ハリス氏と共和党トランプ氏の支持率が拮抗している、といった報道も観測されていた米大統領選の行方も気掛かりだろう。

テクニカルに見た場合、ドル/円の基本的なリスクはドル安方向だが、短期的には先週末の151.94円でボトムを付けたイメージなのだが果たして如何に。31日の日米中銀の政策金利発表などを受けて、割り込んでくる可能性がないとも言い切れない。
それに対するドルの抵抗は、まず本日東京高値の154.35円レベル、そして先週末の154.74円など。155円はかなり遠くなったイメージだ。

本日は米経済指標として、7月のダラス連銀製造業活動指数が発表される予定となっている。今週のメインイシューは日米金融会合の結果発表になるが、商いがやや薄くなっていることもあり、数字如何では荒れ相場を誘発しかねないかもしれない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは152.80-154.00円。ドル高・円安方向は、153円台後半からオファーが蓄積されつつあり、上値も重そう。まずは154円台へしっかりと乗せられるのかに注目。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の153.00-05円が最初のサポート。割り込むと152円台突入から、場合によってはドルの大幅続落も。

週明けから荒れ模様、引き続き予断許さず

ドル円日足


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