ドル円 下落リスクくすぶるも、目先ドルは底堅そう(7/26夕)

東京市場でドル/円は揉み合い。153円台後半を中心にした、やや落ち着いた値動きだった。

ドル円 下落リスクくすぶるも、目先ドルは底堅そう(7/26夕)

ドル円 下落リスクくすぶるも、目先ドルは底堅そう

〇本日のドル円、153.95レベルで寄り付きすぐに日中の高安153.40-154.15を達成、その後静かな値動き
〇来週に日米金融政策会合を控え、ドル円相場は昨日目先のボトムをつけたと考えられる
〇目先は153-155あたりを中心にした、中段保ち合いをたどる可能性
〇基本的なリスクはドル安方向だが、短期的には底堅く推移する可能性も
〇本日、6月PCEデフレーターや7月ミシガン大学消費者信頼感指数確報など発表予定
〇ドル円予想レンジは153.30-154.80、ドル高・円安方向は154.30-40が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、本日東京安値の153.35-40レベルをめぐる攻防にまずは注目

<< 東京市場の動き >>

東京市場でドル/円は揉み合い。153円台後半を中心にした、やや落ち着いた値動きだった。

ドル/円は153.95円レベルで寄り付いたのち、いきなり153.40-154.15円と日中の高安を達成したが、そののちは静か。上記レンジ内、とくに153円台後半を中心とした値動きをたどっていた。開催されているG20財務相会合を踏まえた神田財務官発言なども聞かれたが、ドル/円は年初来高値から10円近く程度していることもあり、それほど大きな影響は見られず。16時現在153.60-65円で推移し、欧米市場を迎えている。
なお、日経平均株価も本日も下げ止まらず。8営業日続落となっていた。

一方、材料的に注視されていたものは「日銀金融政策」と「為替介入」について。
前者は、本日早朝に7月の東京都区部消費者物価が発表された。生鮮食品を除くコアCPIの前年同月比は、電気料金引き上げの影響から3ヵ月連続で上昇したが、上昇率は予想をやや下回る内容に。結果を受けて、「日銀の2%物価目標達成はなかなか見えない」−−などといった声も聞かれている。そうしたなか、メディアはというと時事通信が「日銀、来週の会合で追加利上げの是非を議論」、日経新聞は「日銀追加利上げ時期を探る」といったどっちつかずの内容。前述したようなここ最近の株安もあり、一時よりもトーンダウンし、7月利上げ思惑が急速に萎んでいるようだ。

後者は、昨日神田財務官から「G7では為替について特段の議論は行われなかった」との発言が聞かれ一時市場で話題となったが、本日は一転して「G20で過度な為替変動には一層の注意が必要と指摘した」ことを明らかにしている。また、過度な為替変動や無秩序な動きは適切に対応する考えも、同時に強調していた。しかし、その一方でイエレン米財務長官は、「経済のファンダメンタルズを反映した、市場で決まる為替レートを信じている」と発言したうえで、為替介入は例外的な状況のみ稀に実施されるべき考えを示していたようだ。「日本の介入」云々と具体的な名指しをされたわけではないが、やや気になるコメントと言えよう。

<< 欧米市場の見通し >>

来週に注目の日米金融政策会合を控えていることからすると、断定はできないがドル/円相場は昨日、取り敢えず目先のボトムをつけたと考えられる。日足を見ても、2円近い下ヒゲを残す十字線で、ドルの底堅さをうかがわせるものと言えよう。もっとも、だからといって勢いに任せてドルが反発していくような地合いでもない。結果、153-155円あたりを中心にした中段保ち合いを目先はたどる可能性もある。
来週予定されている日米両中銀による金融政策の発表を市場は注視。前段では日銀についての話を取り上げたが、米国についても昨日発表された4-6月期GDP速報値が好数字で市場の波乱要因となっていたことは疑いない。こちらも意見の集約化ができておらず、まだまだ予断を許さないだろう。また、過激な「口撃」も目に付くようになってきた米大統領選、あるいはテロに関する情報もちらほらと取り沙汰されているパリオリンピックの開会式に絡むニュースなども場合よっては波乱要因に。

テクニカルに見た場合、ドル/円はレンジを3日高値の161.96円を起点に、昨日の151.94円まで約10円下落したところで一旦打ち止めか。基本的なリスクという意味ではドル安方向だが、短期的には底堅く推移する可能性もある。
そんなドルの抵抗はまず154.30-40円。超えれば155円、そして一目均衡表の先行帯の雲の下限などが位置する156円前後がターゲットに。

本日は米経済指標として、6月のPCEデフレーターや7月のミシガン大学消費者信頼感指数確報などが発表される予定となっている。昨日は発表された4-6月期GDPが好数字でドルの買い要因となっていただけに、本日も米指標の発表には一応要注意だ。また、G20財務相・中銀総裁会議にも引き続き注意しておきたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは153.30-154.80円。ドル高・円安方向は、前述した154.30-40円が最初の抵抗。しっかり超えれば155円を目指す。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の153.35-40円レベルをめぐる攻防にまずは注目だ。割り込むと153円割れは否定できないものの、それでも目先は底堅そう。

ドル円 下落リスクくすぶるも、目先ドルは底堅そう

ドル円日足


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